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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ぼくはとってもしあわせ

作者: 円藤 

どうも。初投稿になります。円藤と申します。見苦しい点が多々あると思いますが、どうか私の作品にお付き合いください。

 その日まで"ぼく"は"ボク"で、今とは違うけど、本当に"シアワセ"だった。そういうとお父さんも、キリーも、カンも、ブレンも、エッバも、それは違う間違っているって言うけど確かにシアワセだった。あの日から何年もたって"ボク"は変わって"ぼく"になったけど、これだけは変わらない。






 ボクを起こす声がする。もう朝なんだ。"ミコサン"の声で目が覚めた。また一日が始まる。

 今日はどんなことをするんだろう。早くみんなの喜ぶ顔がみたい。

今日の"ギシキ"はなんだろう?

 背中の皮を剥がして砂利をかけたあとまた元に戻すのかな?

 それとも爪を全部割り剥いだあとに針を刺していくのかな?

 それとも手足の肉を切り開いて骨を削るのかな?

 それとも食塩水を首筋や手足に注射していくのかな?

 それとも尖った動物の骨で呪文を全身に彫っていくのかな?

それとも……

それともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれともそれとも……














 ボクはとっても"シアワセ"なんだって、よくはわからないけど、とうさまそういってた。かあさまも楽しそうにそう言っていた。ボクはみんなの"やくさい"を代わりに引き受ける素晴らしい"おやくめ"をしているからだって。

そっかー。とうさまとかあさまそう言っているなら間違いないなー。

 とうさまとかあさまは"だいしんかんさま"と"おおみこさま"でみんなから尊敬されている。ボクの自慢だ。

 とうさまはいつも儀式の時、一番笑ってくれる、かあさまも、おじさんも、おばさんも、おにいさんも、おねえさんも、みんな笑ってくれる。みんなが笑顔をみるとボクはすごく嬉しい。だからどんなに痛くて血が出ても平気。痛くて血が出るのはちゃんとみんなから"ヤクサイ"を引き受けて"シアワセ"を与えている証拠なんだって。だからみんなボクが痛くて叫んでしまったり、血がいっぱい出るともっと笑ってくれる。

 とうさまの言う通りだみんなを"シアワセ"にして笑顔にできるボクはとっても"シアワセ"だ。この"シアワセ"のいつまでも続くといいなー。



 今日の"ギシキ"は全身に釘を打ってから一本一本を捻り回しながら抜いていくものだった。やっぱりすごく痛かったけどみんな笑ってくれた。"ありがとう、ありがとう"と言って笑っているのに泣きながらお礼を言ってくれた人達もいた。なんだかボクも嬉しくなってとうさまに笑いかけたら、"お前は私の宝だ。"と言ってボクの肉ごと釘を抜いてくれた。ボクはもっと嬉しくなった。

 ボクは今日もみんなを幸せにできた。また明日もみんなの笑顔を見るために頑張らないとね。もう外が暗い、眠らなきゃ。おやすみなさい。





 その日はなんだか変だったいつもは"ミコサン"の声で目が覚めるのに自然に目が覚めた外もすごくうるさいし、何があったんだろう。なんだか怖くてずっとベッドの中で小さくなっていたら突然ドアが凄い勢いと音で開いて顔も服も見たことのない、黒い金属の棒のようなものを持った人達が入って来た、その人達はまたボクが見たことのない顔を浮かべて、息を吸い込んで出せなくなった様な声を出した。

 何だろうあの顔、とうさまもかあさまもみんなもあんな顔したことない。この人達はだれ? みんなはどこにいるんだろう?


「医療班を早く連れてこい!!」


「なてことだ!」


「どうしてこんな……」


「ひどい」


「もう大丈夫だ。辛かったね」


「かわいそうに」


 辛かった? かわいそう? なんで? ボクはみんなを"シアワセ"にしてるんだよ。

 ボクの頭の中には怖いは消えて、なんで? でいっぱいになった。入って来た人がボクを抱き上げて外に出るためになにか叫んでる。どこへ行くの?ボクをどこにつれて行くの?

 嫌だいやだ厭だイヤだ嫌だいやだ嫌だいやだ厭だイヤだ嫌だイヤだ嫌だいやだ厭だイヤだ嫌だイヤだ嫌だイヤだ嫌だイヤだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

なんで、

 このにおいはボクのにおい、ボクの血のにおいボクはそこにはいないのになんでなんでするの? なんであちこち赤いの? なんで?

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

なんでとうさまとかあさまが血を流しているの?

おかしいよなんで動かないの血を流していいのはボクだけのはずなのに"ヤクサイ"をボクが引き受けたからみんな"フロウフシ"になったはずなのに、

ちがう! ちがう! ちがう! ちがう! おかしいよ! なんで! どうして! だってギシキが、チヲナガシテイイノハボクダケナノニオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイオカシイ

オカシイオカシイオカシイオカシ


「君! 落ち着くんだ! おい! 早く鎮静剤持ってこい! 早く死体をかたずけろ!! くそっ迂闊だった」


 ボクは何も見たくなくて、聞きたくなくてひたすら叫んでひたすら暴れた。


「もう大丈夫、大丈夫だからきみに痛いことをするやつはもういない、お父さん、お母さんとも必ず合わせてあげるから、落ち着いて、私がいるから


 何も聞きたくなかったのに、そのすごく静かでやさしい声はスッとボクの胸に入って来る。ボクを抱きしめたその人は泣きながらそう言った。とうさまとかあさまはもう動かないって言おうと思ったけど、みんなが流してた涙とは違う涙を見て、ボクも泣きたくなって、

   


    一緒に沢山泣いた。








 それからボクはその人達と一緒に暮らすことになって"おとうさん"と呼ばれている人と会い、いろんな事を教えられた。


 そこでボクがされていたことがおかしいという事。


 もう辛い目にあわなくても良い事。


 今日からここで一緒に暮らす事。


 みんな君を歓迎しているという事。


他にもあるけどこれからゆっくり教えていくから焦らなくていいよ。と言って部屋から出ていった。

 最初は何もわからなくて、悲しくて何もしなかったけど、何日かしてから"ボク"の所にボクと同い年位の人達が来たり。泣いていた人が来たりした。この人にはもう、とうさまもかあさまも動かなくなったって言おうかと思ったけど、この人の顔を見ていたら何故か胸がすごく痛くなったから言わなかった。

 いつかなんでこんなに胸が痛くなったのかわかる日がくるのかな?

ボクはどうしたらいいんだろう。とうさまもかあさまもみんなも居なくなって、"シアワセ"が"シアワセ"じゃないって言われて、ボクと同じ位の子達とどう接すればいいんだろう?

 分からないことばかりだ"ボク"は一体どうすればいいんだろう?









 そして"ボク"は"ぼく"になった。


 何年もたったあのときの事は忘れられないし、今でもとうさまとかあさまのことは好きだ。でも今はここの人達のことも好きになった"ぼく"がいる。

今でも"ぼく"はどうすればいいか分からない。でも確かに"ボク"の中で何かが変わって"ぼく"になった。けど今でも変わらないのはあの時は確かに"シアワセ"を感じてたということ。

 そう考えてる"ぼく"を人はおかしいとか、狂ってるって言うのかもしれないけれどそれだけは絶対変わらない。

 でも、とうさまもかあさまもみんなも居なくなってしまったこの世界でもう一度"ギシキ"をする事はないと思う。だって"ボク"が"シアワセ"を感じられたのはみんな《とうさまとかあさま》が笑っていてくれたから。

今は家族になってくれたみんなの笑顔を見たい。キリー達のことは最初、凄く怖くて震えることしか出来なかったけどいろんな事をしてくれて"ボク"は笑えるようになった。お礼にみんなに笑ってほしくて、ナイフで腕を切っていっぱい血を出したらみんな泣いたり"ボク"を怒ったりして大変だったな。血を流して笑うのはとうさま達だけだと実感したのはその時だった。だからもう、血は流さない。家族みんながあんな顔するのは見たくないから。

 初めにいろんな事を教えてくれた人をお父さんと呼べるようになった"とうさま"とは違うけど"ぼく"を宝だと思ってくれてるみたいだ。愛してるってよく言ってくれるけど、やっぱりよく分からない。

 今"ぼく"は花を育ててる"ギシキ"をするだけで字も読めないし、何も出来なかった"ボク"だけどお父さんに勧められて始めたら不思議と相性が良かったらしい。痛くもなく血も流さなくてもみんなが笑ってくれるなんて相性が良かった事よりずっと不思議だったけど笑顔を見ていたらどうでもよくなった。


 時々"とうさま"達のことを思い出す事がある"ぼく"だけ動いていられていいんだろうか? "ぼく"はいけない事をしているんじゃないかって考えて、"ぼく"も動かなくなるべきだと思ってナイフを喉に刺して自分を"止め"ようとした事が何度もある。でもそうしようとしたときに、"ぼく"の育てた花をみて笑うみんなの顔が何度も頭を過った。そうすると"ぼく"はナイフを置いてしまう。"ぼく"が"止まって"しまったら"ぼく"はみんなの笑顔を見れなくなる。こんな自分勝手な"ぼく"をとうさまとかあさまは何て言うだろう。でも、ごめんなさいとうさま、かあさま。

"ぼく"はもっとみんなの笑顔が見たいんです。


 みんな"ぼく"の育てた花を見て笑ってほめてくれる、好きって言ってくれる、痛くしなくても血を流さなくても笑ってくれる。



 これがみんなが言っていた本当の"シアワセ"だとしたら、

こんな自分勝手な"ぼく"でも感じていいのなら、"ぼく"は言いたい。























   ぼくはとってもしあわせ。












いかがでしたでしょうか?まずは最後まで読んでいただいた事への感謝を申し上げます。人生初の小説投稿だったので緊張してしまいました。感想、字の間違い、ここが悪いというご指摘がありましたら是非、お聞かせください。

この作品が皆様の暇潰し程度になれたのなら幸いです。


三月二十日 修正

六月十日 修正

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― 新着の感想 ―
[一言]  こんばんは、安芸と申します。  このたびはお気に入り登録ありがとうございました! 遅ればせながらお礼参りに伺いました。    タイル~も読了したのですが、こちらの方が痛かったので、こちらに…
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