表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

VRMMORPG ワールドビースト

 さて、今日も仕事が終わったしログインするか。そう思いヘッドセットを装着する。起動したのは最近発売されたVRMMORPG”ワールドビースト”、8種類の獣人から好きな種族を決め、天賦と言う、他のゲームで言うところのジョブを決め、ゲームが始まる。


「ゲームスタート」

 音声認証でゲームが起動し、意識が一瞬暗闇の中に落ち、キャラの選択画面が表示される。1つのアカウントに2体まで保存できる仕組みだ。

「キャラNo,1ログイン」

 キャラの画面に近づき、本体と自分の意識が連携される。目を覚ますと宿のベッドに寝ており、起き上がって装備を確認する。このゲームはオートセーブがあり、宿か自宅以外でログアウトすると、自動的にワープする仕組みになっている。


「お、ふみっちおはー!」

 うさ耳の獣人が酒場で声をかけてくる。彼女はラッピー。ウサギの見た目で、天賦は宝玉(魔法使い)。その横には犬耳の獣人が腰かけ、この町の特産品である”リンゴ酒”をたしなんでいる。彼の名前はホサウン。犬の様な見た目で、片目は傷で塞がっている。天賦は聖水(賢者)

「ちょっと残業で遅くなったわ。メンゴ、で今日の目標は?」


 俺はこの三人のパーティーのリーダーで、見た目はライオン。天賦は絆の証(戦士)。前衛は俺が担い、後衛二人が戦闘と回復を行う。時には他パーティーと協力することもあるが、基本はこの3人だ。

「今日はデーモンウッド討伐だぞ。1パーティー1回限りだから気を引き締めないといけん」

 ホウサンはそう言いながらデーモンウッドのステータスを表示し、ラッピーがのぞき込む。


「えーなになに~…1分で1000HP回復と、時間経過で雑魚召喚。HP半分以下で火属性から弱点属性が神聖属性に…攻略サイトも見る分だと簡単そうだけどなぁ」

 彼女はそう言いながら撃破報告の画面を開く。画面を見ながらホウサンはため息をつく。

「だが撃破報告は一つも上がっておらん。これには何か仕掛けがあるはずだ」

 事実このゲームに実装と同時に酒場の指名手配(ウォンテッド)に指定されたが、クリア者が出ていないため、アップデートのたびに懸賞金が上がっている。


 公式は撃破されれば懸賞金が下がる仕様にしていると言っているので攻略数0はまず間違いないだろう。

「神聖属性はホウサン、火属性はラッピーで行けるよな? 俺は攻撃を受け持てばいいし」

「俺はそれで構わんが神聖属性を使うとなると回復まで手が回らないぞ」

「あー…じゃあ天賦のスキルツリー弄るわ」


 天賦を開き途中の分岐を戦闘回復分岐にシフトする。これで戦闘時限定で秒間2%回復できる事になり、分岐の中に無敵回避スキルも含まれるのでソロ攻略や、味方に回復役がいない時に重宝される。

「おっけー、バトルヒール付けたからたぶん行けるわ」

「じゃあ私クエスト受注してくるね!」

 ラッピーは机を離れてNPCマスターに話しかけに行く。数秒後、クエスト受諾の通知が鳴り、ステータスパネルにクエストが表示された。


 

 ここは大地下墓地の真上にある寂れた大地と呼ばれるマップ。周辺には地下墓地にはモンスターやアンデットがポップするが、地上はポップが一切なく、また街も近くに存在しない。エリアマップ自体が存在せず地図上の空白地帯にクエストのガイドマーカーは目的地を示している。


「攻撃したらタイマー開始なんだっけ?」

「そうだ。石ころをぶつけるだけでも戦闘判定になるゲームだからな」

「その仕様だけ直してほしいよねー蹴った石がたまたまモンスターに当たったら反撃されるし」

「…ふむ、そんな話をしていたら着いたな」


 大きくそびえたつ大樹木。木の幹は紫色で葉は黒く、そして鋭そうな見た目をしている。

「顔とかはないみたいだね…私人面樹みたいなの想像してた」

「俺もだ」

「同じく。ま、あれよりかはいくらかキモさも無いしやってみよう」

「おっけー! じゃあまずはバフだね!」


 ラッピーとホウサンが、パーティーバフの魔法や呪文を唱え始める。樹木はただ静かに堂々と生えている。すべてのバフがかけ終わり、今度は攻撃の呪文を唱え始める。

「行っくよー”フレイムアロー”!」

 ラッピーの放った火が木の幹に当たる。1テンポ置いて木がガサガサと揺れ始めた、と思うを幹がせり上がり根っこが足のようになり、こちらへ迫ってくる。


「なになにー!?キモイー!」

「離れるのだ!」

「くっそ…」

 自分だけ近くにいたので根っこに巻き込まれそうになる。ラッピーのかけてくれた重力軽減魔法のおかげで根っこの上にどうにかよじ登る。二人が何を言っているか、根っこの移動音で一切聞こえないが、何かを言っている。

 

 とりあえず木の幹へ剣を振り下ろすが少し傷つくだけで木がメンバーへ突進する速度は変わらない。とりあえず剣技が通用するか…これが通用しなければどうにもならないが、とりあえずやってみることにした。

「”八又斬り”!」

 ものすごい速さで8回木の幹を斬りつける。摩擦によって熱を帯び、斬りつけられた箇所は少し焦げていた。ぼすのHPバーもラッピーたちが攻撃しているため徐々に削れている。


 と、木が急停止して地面に投げ出される。重力軽減のおかげで体制は素早く立て直すことが出来た。デーモンウッドはグラグラと自らを揺らし、周りの大地も地震のように揺れ、うまくバランスが保てない。

 そんなことをしているうちに、木の葉がまるで生きているかのように向かってくる。地震は相変わらず収まらず、避けれるはずなどない。全員が小魚の群れのごとく迫りくる中、全員が自分の末路を悟り木の葉は鋭利な短剣のように腹部へ突き刺さった。


 バトルヒールの付いているリーダーは少しの間耐えたが、やがてHPがそこを尽きた。画面が赤くなり全滅の文字が全体に、大きく表示された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ