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スノウェル・ドゥロップの人生は、顔がいいというだけで、まさにイージーモードだった。


 0歳、鏡を初めて見て、自分でも目を疑った。

 1歳、一歩でも歩けば愛でられ、声を出せば暖かな視線を向けられた。

 2歳、ベビーマガジンの表紙を飾り、異例の完売続出。一躍、時の子に。

 3歳―5歳、エスカレータ式プリスクールに入園し、人気子役の登竜門である制服モデルに抜擢。2回誘拐されかける。

 6歳―12歳、エレメンタリースクールに上がれば、学問の才能も目覚め、文武両道。小学生ながらに一目置かれる。

 13歳―16歳、色恋沙汰に目覚めた同級生および先輩から告白のオンパレード。他校でファンクラブが開設される。

 17歳(去年)、社会勉強の為にと、親からバイトを進められ、美男美女が多いと言われるカフェでバイトを始めた。


そして、18歳。───高校卒業と同時に恋焦がれてやまない人との再会。感極まって想いを伝えると無事に実りハッピーエンド、万々歳。末長く幸せに暮らしましたとさ。……なんてことはなく、私の人生は華のカレッジ生活を目の前にして詰んでいた。




「詰んだなんて、大袈裟な」


「たかが一回振られたぐらいでメソメソと」



「たかが一回、されど一回よ。エポナ」


「私は今世もモブBから脱却できない。またこの実ることのない思いを抱えたまま死んでいくんだ」



「死ぬなんて、……そんな事言わないで。あの時代に比べれば平和じゃない。そうそう死ぬことは無いわ」




自室のベッドに横たわり涙を流す私を、エポナがわしゃわしゃと撫でる。彼女とは前世からの縁があり、今世ではハイスクールの入学式で再会した。それ以来、姉御肌のエポナは何かとそそっかしい私を気にかけてくれている。




「それに、結果はどうあれ消極的なアンタが思い切ったじゃない」



「……なんかフロスティーナ様だって思ったら自然と言葉が漏れて、……うぅ、もっと慎重になればよかった。これじゃあ、前と何にも変わってないよ」


「そんなことないわよ!それに前だって、っ……あー、とりあえず!今も昔も私はアンタのその無鉄砲さに救われてるのよ!だから、あまり気にすることないわよ!」



「……ほめてる?」



「褒めてる!」



「そっか、……なら良かった!それに、あの時もしかしたらフロスティーナ様、ちゃんとこの私の顔を見てなかったのかも!だって、こんなに可愛いんだよ?見てたらあんな無愛想な対応しないもん。そうだ!きっとそうよ!よーし、そうと分かれば今度は食い入るぐらいに見られるよう、もっともっと可愛くならなくちゃ!」




立ち上がり拳を掲げた私にエポナは「はいはい」と、どこか呆れた表情を浮かべていた。


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