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0歳
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「だぁ、あう」
小さくて温かい、このか弱い生き物を抱き留めながら、僕は静かに微笑む。
初めてできた妹という存在。
「あぅ」
一人っ子として生きてきて十三年。
兄弟姉妹が、ずっとずっとほしかった。
無邪気に僕を見上げる妹――詩音。
まだ赤ん坊なのに、整った顔立ちをしており、将来は美人になることを予感させる。まるで人形のようだ。
「だぁ?」
この子はどんなふうに成長するのだろうか。
今から楽しみで仕方ないが、悪い虫がついたら嫌だな。
あぁ、可愛い詩音。