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銃と少女と紅い百合  作者: 彼方リカ
紅蓮の炎と青い海
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31/120

3 エピローグ

◆

 

 皆が寝静まった後、唯牙は一人、外で誰かとで通話をしている。



「やあ、どうだった? 僕の見立てでは丁度いいレベルの相手だと思ったけれど」



「ああ、負傷はしているようだったが凛々奈一人で倒すことができた」


「それはよかった、これでいい経験になったんじゃない?」


「そうだな、装備の見直しも必要だと分かった上に、血液から因子も採取できた」


「大幅に戦力アップだね」


「だがまだまだ足りない、もっと強くなって貰わなければ・・・・あの子達自身の為にもな」


「・・・・僕が初めて君に連絡したあの夜からもう全ては動き出しているからね」


「分かっているさ・・・それより、お前はそろそろ名前くらい名乗ったらどうだ」


「うーん、そうだなぁ、じゃあギルト、ギルトにしようか」


「100%偽名だろうが、まあ名無しよりはマシか」


「それじゃあまた次の相手を見繕っておくから、何かあったら連絡するよ」


「分かった、あと念の為言っておくが、お前を完全に信用している訳ではないからな」



「大丈夫だよ、僕としてはあの子達が平和に過ごせる未来になれば、なんだっていいんだ、それじゃあね」


 ブツッ



「あの子達、ね」


 一本吸ってから寝るかと唯牙はポケットにてを入れた。


◆


「えっと本当に見逃してもらえるんでしょうか?」


 次の日の朝、アキとフラムはセンセに叩き起こされて家の外へ放り出されていた。


「ああ、気が変わらんうちに早く行け、それと一つ貸しだからな、お前らの事はその内利用させて貰う、連絡したらすぐ応えろよ」



「りょ、了解しましたぁ!」


 アキは冷や汗をかきながら敬礼をした。見送りという訳ではないが外には凛々奈達も全員揃っている。背筋をピンと伸ばし敬礼をするアキの後ろに隠れるようにいたフラムは、胸の前で指をモジモジと合わせてチラチラとみいなを横目で見ている。


「あ、あのさ、み! みいな! 昨日は酷い事しちゃってごめん・・・・ごめんなさい! もうあんな事はしないから・・ わ、私と! 友達になって!!」


 顔を真っ赤にしてフラムはみいなに叫んだ。みいなは少し驚いたようだが、いつもの優しい笑顔を向けて答えた。


「約束ですよ? もう凛々奈さんとケンカしないでくださいね? えっと・・ フラムちゃん」



 フラムの照れて真っ赤な顔は年相応の可愛らしい笑顔になった。



「うん!! 約束!!」



「ちょっと! 酷い事されたの私なんですけど!? 謝る相手私でしょーが!!」


 みいなの横にいた凛々奈が怒りだす。



「ふん! こっちだってビリビリさせられたり頭にたんこぶ作られたりしたから! お互い様よ!」



 フラムは腕を組みプイっと顔を背ける。



「ムッカー! みーちゃん友達は選ばなきゃ駄目だよ! こんなのと友達になったら生意気がうつっちゃう!」



「あはは・・・・」



 少し年が離れている二人の同レベルの言い合いにみいなは苦笑い。


 そんな時フラムはビシッと凛々奈に指を向ける。



「それよりアンタ! 凛々奈、だっけ? これからみ、みいなの事頼んだからね、いろんな奴が襲ってくると思うけど、しっかり守らないと承知しないわよ! もちろんみいなの為なら何時でも私を呼んでくれて構わないから!」



「余計なお世話よクソガキ!! さっさと帰れ!!」


 ムキーッと地団駄を踏んで荒ぶっている凛々奈を無視してフラムはみいなを見つめる。



「それじゃあ、またね、みいな」



「はい、フラムちゃん」



 二人は小さく手を触り合う。


「行こうアキ」


 アキの手をとり歩きだそうとする所にハルが近づいていく。



「一応これ、私の連絡先だから、何かあったら相談してね」



 そう言ってアキに名刺を渡した。



「そんなぁ! わざわざありがとうございますぅ」



「もちろん依頼料が発生するから、よろしくね」


 ハルはウインクをしてご機嫌に言った。


「ですよね・・・・」



 そして名刺を手にして二人は帰っていった。


「全く、あの凸凹コンビのせいで騒がしい旅行になっちゃったわ」


 やれやれと力を抜く凛々奈だった。



◆


 午前中、今回は唯牙も含めて少し海でみんなで遊んだ。凛々奈は海水が傷に染みるようで終始しかめっ面をしていたが、みんなで今年最後の海を楽しんだ。


 ハルさんが帰る前に部屋の掃除をやっておくから散歩でもしておいでと言ってくれたので、帰る前にまた砂浜にみーちゃんとやって来た。 昼前で晴れ渡っている空の下、麦わら帽子を被ったみーちゃんは私の少し先を歩いている。



「旅行の帰る前ってなんだか少し寂しい気持ちになりませんか?」



 歩きながら海を見てみーちゃんは言った。



「そうだね〜名残惜しいっていうか、もう楽しい時間も終わりなのか〜ってなっちゃうよね〜」



 ザザーン 波の音が晴れた空に気持ちよく響いている。



「凛々奈さん」


「ん?」


「あの時、あのアキって人が言ってました、私と、いくしーど? って人達は・・その・・惹かれ合うって・・・・」



 みーちゃんは立ち止まって続けた。



「もしかしたら、凛々奈さんも・・・・」



 言い終わる前に私は後ろからみーちゃんに抱きついた。



「うあ! びっくりした!!」



 少しみーちゃんが飛び跳ねる。



「バッカだなぁみーちゃんは」



「凛々奈さん?」



「私がみーちゃんを大事に思ってるのは私の意志だよ」



 ぎゅっと抱きしめる腕に力をこめる



「それに、もし私の中で知らない何かがみーちゃんを求めても、私はそれより強い思いでみーちゃんを思ってるから! 大丈夫!」



「はい・・・」



 抱きしめる腕をみーちゃんの小さい手が強く握る。



「ん? あれ? みーちゃん! あれなんだろ? 見てみて!」


 ずーっと先の水平線を指差す。



「凛々奈さん? なんですか? んー? なんにもありませんよ?」


 目を凝らして水平線を見つめている。



 チュッ



 みいなの頬になにか暖かくて柔らかい感触が。



「へあ!? 凛々奈さん!?」



 すぐに何が起こったか理解して顔が真っ赤になっている。



「えへへ、昨日アイツにおデコにチュー奪われちゃったから、やきもち!」



「もう・・・凛々奈さんは・・・・しょうがないですね・・・・」



 麦わら帽子を掴んで深く被った。真っ赤になっている顔と、嬉しくて蕩けている表情を、見られないように。



◆


「そういえばフラムぅ、暫くずっと神の卵ちゃんのことばっかり考えてたのに、あっさりお別れしちゃったね?」


「あれ? たしかにずっとその事ばっかり考えてて、昨日もあの子の事だけ思ってたんだけど」


「あの子が私を助けてくれて、みいなって名前を聞いて、友達になったら収まっちゃった、んーなんでだろ」


「私は何時もの元気なフラムでいてくれてるならなんでもいいわ〜」


「うん! そうだね! アキ!! まずは家探しだ!!」


 







今回で三話が終了です。ここまで読んで下さって本当にありがとうございます。

後半は設定の説明などが多くて分かり辛い所があったらごめんなさい! 

おかしな所や設定で気になる所があれば指摘や質問してもらえると嬉しいです。


次回は戦闘無しの日常回になると思います。


また、感想やブクマ、評価を頂けるととても励みになりますので、よろしければ応援して頂けると嬉しいです。



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