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銃と少女と紅い百合  作者: 彼方リカ
紅蓮の炎と青い海
27/115

3-4 作戦失敗なのよ

「よいしょっと」


 凛々奈達が泊まっている建物、その裏の換気扇のある壁の横に女が一人。


「なかなか大きい建物だけど、これなら大丈夫な筈」


 女はガスマスクを付けて怪しい液体の入った瓶を持っている。


「殲滅の爆雷帝といえども寝ている時はただの人間だよねぇ、起きる事なく眠るように死んじゃえばなんにも怖くないのよ〜」


「コレとコレ組み合わせて換気扇の前に取り付ければ、家の中の人間は皆永遠に気持ちのいい眠りに落ちるのよ〜」


 女はデュフフと笑って持っていた瓶の蓋に手をかけた。


「悪いがこの建物は借り物でね、そんな事をしてもらっては私の面目に関わるんだが」


 背後から声とボッというライターの火を付ける音が聞こえた。


「ヒイッ」


 壁の方を向いていた女は短い悲鳴をあげてからゆっくりと振り返った。そこには敷地内に生えている木にもたれかかってタバコを加えている殲滅の爆雷帝、神代唯牙がいた。


「えっと、その、こんばんは〜」


 なんとか声を出してこれからどうするか考える。


(なんでここにいるのよ!!! 逃げる? とりあえずこの瓶投げつけて全力で走る? なんとかフラムの所まで行けばなんとかなる? いやそれだとフラムと纏めてこのバケモノに殺されるぅ!!)


 ガスマスクの下で青ざめた顔をしていると唯牙は咥えたタバコを手に持ちふーっと煙を吐いて言う。


 

「その瓶置いて手は頭の後ろ、ガスマスクも外せ」


「はいぃ!!!」


 バババッと言われた通りにした。


(う〜、見つかるなんて最悪よ! なんとか逃げて時間だけ稼がないと)


(・・・・そうだ! この真上の二階の部屋にもう一人コイツの知り合いが寝てる筈! 窓から毒ガス瓶投げ込んだら助け出す為にコイツは私に構っていられない!)


 名案を思いついたと心に余裕が生まれ、なんとか隙を見て瓶を拾い投げつけられないかと様子を伺う。


「頭から手を離したら両腕を砕く、一歩でも私から距離をとったら両足をへし折る」


 別に脅しでもなんでもない様に、やろうと思えばいつでも出来ると言うような軽い言い方だった。


 「ハイィィイイイイ!!」


 恐怖で背筋を今までの人生で一番伸ばし、全身全霊で頭に手を当てた。


(ゴメン、フラム、この人怖すぎる)


 今頃別動で戦闘しているであろう相棒を思いつつ、私生きて帰れるのかしらと未来を憂いた。




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