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【完結御礼】戦国武将ゲーム! 豊穣楽土 ~木下藤吉郎でプレイするからには、難波の夢を抱いて六十余州に惣無事令を発してやります~  作者: 香坂くら
第1部 織田家立身出世編 ~コインシャワーつかって就活したら400年前の成長株なブラック企業に就職できたので、木下藤吉郎として私らしく立身出世してやります~
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7歩 「父の戯言」


 昭和63年冬――。



 もう死んじゃってて居ないお父さんと昔、こんな会話したことあったんだよね。


 お父さんが休みの日に【信長の野〇】って名のパソゲーしてた時だ。


「ねぇ。戦国武将ってどーして男しかいないの? 女の子がいてもいいのに」


 まるで、戦国時代を生き延びていた女の子がぜんいん「モブだよ」って言われてる気がしたもんだから。


 なんとなく。


 いや、ただそのときは「もっと活躍してもバチ当たらないのに」って思った程度だったんだけど。


 するとお父さん、画面から目を離してドヤ顔で。


「……いやいや。お父ちゃんな、むかし戦場で女の子武将と一騎打ちしてんで。ホンマに。にしてもムチャ強かったなぁ、彼女」


 飛び上がったわたし。


「……それって、ゲームの中の話でしょ? それか、昨日の晩みた夢の話?」

「そんなんちゃうって、まじ、リアルモードやってんて。ホンマに」

「ホンマにホンマにって。……お父ちゃん」


 きっとオドロキすぎたからだろう。まだ小3だったわたしは、当時覚えたてのコトバを使ってこんな風に父上をバカにしてやったんだ。


「カソーとゲンジツがごちゃまぜになってるし。それってオワッタ、ダメな人やねんで?」



 ――でも。



 今なら理解できるし、100パーセント信じられる。


 長年甘んじて受け入れていたモブでボッチな現実にほとほと嫌気がさし、仮想とも言える世界にひょいひょいと逃げ込んだあげく、そこでさらなる厳しい()()()()にぶち当たったわたしには、はっきりと。そして確信をもって。


 お父さんのカソー話は、夢でもゲームでもない、()()()()の話なんだって。



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