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【完結御礼】戦国武将ゲーム! 豊穣楽土 ~木下藤吉郎でプレイするからには、難波の夢を抱いて六十余州に惣無事令を発してやります~  作者: 香坂くら
第1部 織田家立身出世編 ~コインシャワーつかって就活したら400年前の成長株なブラック企業に就職できたので、木下藤吉郎として私らしく立身出世してやります~
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6歩 「コインシャワー(4)」


 これまでに既に入れちまった金額は、101円ナノデ。


 じゃあ、つまり残り、……335円。

 これを投入! する。

 

 ……きっとこれが本当の正解だ、きっとそうだ。そうに違いない……。


 素直に、大胆に、思い切りよく、お金をイン!

 ――行け!


「わたしの436円!」


 数秒間の無音。そして、


『コレですべての登録が完了したよぉ、じゃあ、またねぇ』


「はあぁぁッ?」


 説明になってないい。


 『じゃあまたねぇ』ってなんなのっ?


 何度だって聞き直しますが、時間跳躍するコインシャワーなんですよね? ねッ?


 「手続き終わりなんですか? 今から戦国時代に行けるんですか? とてつもなく素敵なゲームが始まるんですかぁ? さっきたしかさ、言ってましたよね? 戦国ナントカゲームって!」

 

 しかしながら質問をぶつけまくっても応えてくれる人などおらず……、わたしは無言のまま、脱衣を続けてシャワールームに入った。当然、ガックシ肩を落とし。


 フツーに考えりゃ、そりゃそーっすよね。

 ……ひとときの夢、アリガト。


「はぁ……ツマンネ……」


 異変を感じたのはその直後。


 シャワーの使い始めからカウントダウンのアナウンスが始まったのだ。

 唐突に。心構えする間など一切なく。


「残り、7分47秒……7分30……6分……」


 などと。


 そして室内がそれとともに、青から黄色、続いて赤へと変動。

 頭を洗って、体を洗って……どころじゃないしッ。


「うわ、どーする? どーするよ?」

 

 期待していたんでしょ? って言われりゃそうだけどもさ、そりゃ酷だよ。一糸まとわぬ無防備な姿になった途端、途方もないドッキリが再開するんだよ。一段また一段と恐ろしさが積み重なっていくカンジしかしないよ、実際。


「もうこれ以上ムリぃ、もう止めてー! 分かったからっ、ノリが良すぎたわたしが悪かったですっ、ごめんなさいーッ」


 ダレに謝ってんのか、そんなの知るもんか。とにかくこの状況から逃げ出すことが出来るんなら、「何だってします」って神さまに誓えるよ。

 

 わたしは、ラスト10秒をきったあたりでパニックになった。


「うわうわうわ……」


 と、ガチョウか何かみたいに擬音生産機と化した。


 ついに「のこり3秒」と、淡々とした声でコールされた。


「いやぁぁッ」


 シャワーを止めたわたし。


 その瞬間、異世界の扉が大きく開かれた。



 ……なんて。


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