50歩 「尾張統一(2)」
『なんにせよ、まずは自国内の内憂をどうにかします』
「まずは尾張国の統一かぁ……」
通話を終える間際、善照寺砦で見た案内板の話をするか迷った。がヤメた。
だあって、【言霊】っていうでしょ、口に出したことがホントになるって話。それヤだもん。
「さぁて。オフロ入って寝るかな」
自室のドアを開けると、妹がコワい眼をして立っていた。
「まーた独りで壁に向かって話してるの、お姉ちゃん?! というか、まだ戦国ゴッコしてるの? もうそろそろ卒業しなよ!」
壁に向かって独り言はつぶやいてません。戦国ゴッコは遊びじゃありません、本気です。
「……あ、そうだ、恋! 昔のお金って換金できないのかな?」
永楽銭とかビタ銭とかを、古銭屋さんとか骨董品屋さんなんかで何とかさばけないかなぁ。
「……お姉ちゃんさ、やっぱりヘンだよ? 今日は香宗我部センパイとデートしてたんだよね? ……あそっか。やっぱ、フラれたんだ? ま、他にたくさん男の人いるから」
あのねぇ、恋さん。
お姉ちゃんさ、あなたが思ってるほど打たれ強くないから。
あんまりヤサシクされるとお姉ちゃん、マジ泣いちゃう!
「ねぇ恋。ところで歴史の分かりやすい本とかって、どこのアニメショップに売ってるかなぁ?」
「……図書館とか本屋で手に入れるって発想は無いんだ?」
「字ばっか載ってるの苦手なんだ、だから手始めにまずはコミックで勉強」
しゃべってる最中に自分で心当たりの店を思い出し、玄関に走った。
「どこに行くの! こんな時間に?!」
「あ、そっか。こんな時間にアニメショップ開いてなかった」
「そういうイミじゃなく、夜から出掛けるのかって……。てゆーか、本気でコミックなんだ……」




