4歩 「コインシャワー(2)」
読み手がダレるのを覚悟で、ちょっとだけ自分のことを話すとしよう。
わたしはパソゲーが好き。
もちろんファミコンのマリオとか、ドラクエもするけど、最近はパソコンでプレイする歴史シュミレーションゲームにハマり気味。
もとはといえば、お父さんのせい。
わたしが小5のときにあっけなくガンで亡くなった父。遺品としてもらい受けたパソ、PC‐88で遊べるゲームソフトを見つけたんだ!
信長の〇望・全国版ってのと、三国〇、だね。
で、ここからが不思議。
ある日、生前お父さんが使ってた本棚に、見たこともない機械が立て掛けてあったんだ。
簡単に言うと、ワープロ(※ワードプロセッサー。昭和期に流通した文章作成機器)みたく、小型の折り畳み式でデスクトップ一体型のパソコン。そして電源を入れたら『WI〇DOWS』ってロゴが出てくる。こりゃ驚天動地だ。
もしかしたら未来のパソコンじゃなかろうか?!
お母さんも妹の恋も知らないって言う。(興味なさげにさ)
しょーがないのでわたしは、一緒に並んでいた数点のゲームソフトと共に、それを自分の所有物にした。
その中で一番好きなのが――『太〇立志伝』。
信長さまが出すムチャな指令をがんばってクリアしたら、「でかした!」とか「あっぱれ」ってホメられるんだよ!
なんかとーってもウレシイじゃない?
だから繰り返しプレイしてんだ。
「アハ、わたし……? わたしが好きなのは木下藤吉郎、……です!」
『りょうかぁい。ちょっとまっててねぇ』
ロボットみたいな抑揚のあと、しばらく放置。
脱ぎかけてた服をいったん着直そうかどうしようか、まごまごしていたら、予告もなしに天井から四角い金属片が降ってきた。
「うわああッ?」
心臓が止まりそうになったクセに、わたしはそれを床に当たる寸前にキャッチできた。なんて反射神経。てか、呉れるモノに対する貧乏人ゆえの条件反射?
「ってアレ? これなに?」
金属製っぽい超薄のカード。一見、精密機器のよう。でも表面はツルンツルンでボタンらしきものもない。
天井をみあげたが、どこから落ちてきたのかマッタク不明。使い方も分かんないし、限りなく不気味な代物だ。
……それからわたしはしばらく、まわりの様子をうかがっていたが、一向に何も起こらなくなった。
もう一度スタート地点に戻ってみる。
よぉぉく眺めると、消えかけの字で、
【1円 = 1年前】 って書いてあった。そしてそのすぐ下に、
【残り秒 = 滞在時間】 とも。
「はぁ? イミ不明だよ。もういいや」
下着のみの姿になったわたしは、何気にカガミに振り返った。
『それじゃあ、撮るねぇ。はい、ポーズ』
――カシャ。
「うわわわ……な、な、な、なッ? なんの写真? てか、何したいの?」
『第一関門クリアー。それじゃあ、お金を投入してねぇ。これが第二かんもーん。過去にさかのぼるために、いったい幾ら入れたらいいのかなぁ?』
またもや一方通行のアナウンス。