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鏡中のセカイ  作者: はがね屋
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始まりの朝

また会いましたね、はがね屋です。

芝生で寝ころぶの好きなんですけど、芝生付きますよね。

 


  ~12年後~

 高校入学を見届けるかのように母は病気で死んでいった。病気の原因は、俺にはよく分からなかった。落ち込んだ、すごく落ち込んだ。母と2人でずっと生活してきたからだろう。

 それでも明日は絶えずやってくる、止まることすら知らずに。そして、今日も1日が始まる。

 ピンポーン!と盛大に家のチャイムが鳴り響く。もう何年も前から毎朝聞いてきた音だ。


「はぁ、もう大丈夫だって言ってるのに」


 ため息をする、しかしそれはすぐに微笑みへと変わり、ガチャリと玄関のドアを開ける。そこには、見慣れた焦げ茶色の髪色をした同じくらいの身長の青年がいる。


「おはよう、咲磨。今日も稽古して行かないかい?」


「おま…、昨日もあんなにしといて朝も稽古かよ」


 朝から剣道の稽古の相手を頼んでくるコイツは神宮満瑠(かみや みちる)。幼馴染であり、同じ地区の剣道場で切磋琢磨する俺のライバルであり最高の相棒だ。


「いや、無理なら別にいいんだよ。流石に立て続けに付き合わせるのはやっぱり迷惑だし、今日はやめて…」


 みちるは、すぐシュンとなり申し訳なさそうな表情をする。まったくズルいぜ。


「ははっ、そんな顔すんなよ。仕方ないからこのお兄さんがお相手してやるよ」


「もう!そうやってすぐ子供扱いするんだから!」


 みちるの頭をクシャクシャに撫でる。


「にひひっ!つーこって、5分くらいで支度するからちょっと待っててくれよ」


「うん、分かった!」


 やれやれ可愛いやつめ。みちるは俺の母が亡くなってからこうやって毎朝家に通ってきてくれている。たまに寝坊するときは朝ごはんが作ってあるときだってあるのだ。なかなか女子力高めで羨ましい限りだ。

 俺はそんなみちるの支えがあり、母が亡くなった後もなんとかやっていけている。


「はむっ」


 机の上の白あんパンを口の中に詰めこみ、母の形見である三角プリズムのようなネックレスを制服の下に隠し登校の準備をする。

 ふと何かに引っ張られるような気がし振り返る。見ると、そこには母の仏壇と母が使っていた三面鏡がある。母が亡くなってからもう数ヶ月経つ。時間とは本当にものすごい早さで進むものだな、と改めて実感する。


「いってくるよ」


 そう言って俺は家を後にした。





二人はとても仲良しです。

保育園から幼稚園、小中高まで同じです。

中学校では付き合っているのではと言われるほど一緒にいましたが真っ赤な嘘ですよ。

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