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3

怒っている彼と、呆れた顔をする担任。


僕は話の流れを変えることにした。


「あの、それで教えるとしてもいつから…」


「ああ、そうだな。麻野は部活で忙しいだろうから、試験一週間ぐらい前からでどうだ?」


確かに試験一週間前になると、部活は全て休止状態になる。


部室も顧問の先生が鍵をかけ、中には絶対に入れなくなる。


「そう…ですね。じゃあ一週間前からと言うことで」


「おいっ! ボクを抜かして話を進めるな!」


どんっ!と机を叩き、彼は怒りを現す。


「お前に拒否権はないぞ? 留年、したくないだろう?」


「ぐっ!」


冷ややかな担任の視線と言葉に、彼は顔を真っ赤にして言葉に詰まる。


「と言うことだ。頑張って麻野から教われ。麻野、スマンが頼む」


「分かりました。それじゃあ…龍雅くん、これからよろしく」


彼に向かって微笑みかけたけれど、彼はぷいっと横を向いてしまう。


「お前は小学生か? 教わる相手に対しての態度を取れ!」


 ぎゅう~


「いだだだっ!」


あっ、痛そう。


担任に頬を思いっきりつねられた彼は、渋々僕を見る。


「…よろしく、麻野」


…はじめて名前を呼ばれた。


思わず胸が熱くなるけれど、一度歯を強く噛んで、そのことを知られないようにする。


「…うん、よろしく」




――こうして彼と僕は急接近することになった。


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