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ブオーーーっ
…アレ? おかしいな?
今は半袖を着る季節のはずなのに、真冬の吹雪を感じたぞ?
「…あの、一応確かめておきたいんだけど。龍雅くんの言っている『付き合う』って恋愛うんぬんのこと?」
「それ以外に何があるんだよ?」
…普通こういうことを聞く時、躊躇いがちに言うものじゃないだろうか?
でも彼は堂々として聞いてくる。
もしかして…遊び仲間にそういう人がいるのかもしれない。
けれどクラスメートに聞く時にはもうちょっと…。
「おい、なに固まっているんだよ」
彼にグラグラと体を揺すぶられ、ハッと我に返る。
「あっああ、ゴメン…。でも僕と彰人くんはそういう関係じゃないよ」
「そうなのか?」
「そう! 親しくはあるけれど、そういうんじゃないから!」
僕はハッキリと否定する。
まあ僕もアキちゃんもまだ、女の子と付き合ったことはないけれど…。
「そっか…。なら、いいや」
彼は心底ほっとしたようにため息を吐く。
…もしかしなくても、彼の中では僕とアキちゃんは最悪な存在になっていたんだろうか?
思わずジト眼で見つめると、彼は視線に気付き、誤魔化すように笑みを浮かべる。
「じっじゃあとりあえず火曜から勉強会ってことでな!」
「…うん」
「あの、な。連休中に分からないところがあったら…連絡、して良いか?」
「えっ? あっ、まあ良いよ」
バイト中は無理だけど、部活や自分の部屋にいる時ならまあ何とか…。
「そっそっか。じゃあボク、先に帰るな」
彼は少し嬉しそうに微笑んで、部屋を出て行った。
…最悪な想像が誤解だと分かって、ほっとしたんだろうな。
「さて、僕は部室に行かなきゃな」
試験が終わってからの部活だ。
部長とちょっと話さなきゃいけないし、僕は少し急ぎながら部室へ向かった。




