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でも…彼のこととなると別。


アキちゃんには彼と決別したことは言っていない。


けれど僕の様子から、何かあったことだけは察しているみたいだ。


でも僕が…傷ついているから、何も聞いてこない。


部長もあれから聞いてくることはないし、今はそれがありがたい。


「そう言えば二人は投稿したマンガの結果が出るまで、投稿はしないんだろう?」


いつの間にか二人の口喧嘩も終わっていたらしく、すでに食事を終えた松原くんが聞いてきた。


「まあ、一応。でも部では次の作品作りに取り掛かり始めたから、前ほどではないが忙しいな」


「うん。今度は神話をモチーフにしたバトル物だから、調べ物が多くて…。僕ももうしばらくパソコンの前から動けないんだ」


「大変だが、情報は調べおくにこしたことはないからな」


アシスタントの経験から、マンガ作りの難しさを知っている千波くんが頷きながら同意してくれる。


「じゃあさ、空いている日で良いから、俺達に勉強教えてくんない?」


「オレ達の高校、そろそろ試験なんだけど、オレも松原もマンガのことばっかりやってて、ちょっと危ないんだ。良かったら教えてくれない?」


僕とアキちゃんは互いに顔を見合わせる。


「まあ僕達で良いなら良いけど…」


「学んでいる範囲とかまとめておけ。学校が違うと、そういう違いも出てくるからな」


「良かった~。ありがとう。でも範囲は大丈夫!」


「オレと松原の学校、レベルは中だから。タクやアキみたいに上じゃないから、安心して教えてくれ」


どういう頼み方なんだか。


でも思わず笑ってしまう。


「分かった。じゃあその間は趣味は封印だからね」


「集中できなくなることが眼に見えているしな」


「うっ!?」


「どっ努力する…」


僕とアキちゃんだって、流石に試験前には趣味を封印する。


二人もそれぐらい頑張ってもらわないとな。


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