二人、別れて… /元の生活に?
『ふぅん…。だから翔のヤツ、最近荒れているんだ?』
「そんなに?」
夜、僕は松原くんとケータイで話していた。
どうやら松原くんは将来、少年マンガ家になりたいらしくて、僕にいろいろ聞いてきたりする。
『つい最近も一緒に遊んだんだけど、もうピリピリしててさ。…でも確かにタクと翔って合わないだろうな』
すでに愛称で僕を呼ぶほど、彼とは仲良くなっていた。
『アイツがいろいろ振り回しちゃったみたいだけど、一度ビシッ!と言えばおさまるだろうからさ』
「うん…。でも別に迷惑とかじゃなかったんだ。楽しかったし面白かった。でも…彼は僕の趣味が嫌いだから…」
『そこが重要、だよな。せめてオタク嫌いじゃなかったら、もうちょっとタクも楽だったろう?』
「うっう~ん。まあ、ね」
ちょっと微妙だけど…。
『あっ、マンガ作りに忙しかったんだよな。なあ一ヶ月後と言えば、マンガ原作の映画が公開されるんだけど、千波とアキと一緒に行かないか?』
「あっ、良いね。アキちゃんには僕から言っておくよ」
『千波には俺から言っておく。そんじゃあ映画を褒美と考えて、頑張れよ!』
そこで電話は終了。
…やっぱり趣味が同じだと、出掛けるのも楽しみになるな。
浮かれていると、再び着信音が携帯電話から鳴り響くのを聞いて、ビックリしてイスから飛び上がってしまった。
「うわわっ! こっ今度は千波くん?」
松原くんが連絡した後にかけてきたんだろうか?
「はい、もしもし?」
『あっ、タク? 今、大丈夫?』
「うん、平気。どうしたの?」
『松原から映画の件と、翔のこと聞いてさ』
…連絡、早いな。
『翔さ、実はちょっと前まで変なこと言ってたんだよ』
「変なこと?」
僕がオタクなことだろうか?
『そう。「麻野を脱オタクにする!」って』
「ぶっ!」
おっ思わずふき出してしまった…。
『それが結構本気でさ。結構オレ達に真面目な顔で語っていたんだ。でも無理だろうとは思っていたんだけど…』




