表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/62

5

「ゴメンね。僕じゃない人を誘うと良いよ」


彼に誘われたのなら、普通の人は喜んで付き合うだろう。


「…ボクはお前が良いのに」


「えっ?」


「お前はボクと遊びたくないのかよっ!」


…どうも彼は、プライドを傷付けられると思考能力が落ちるみたいだ。


言っていることが、まるで子供…。


「えっと…僕と遊んでも、龍雅くんの方がつまらないと思うよ?」


「そんなことない! 実際、2回とも楽しかったし」


あっ、彼もそう思ってくれたのなら、嬉しいな。


「そう。僕も楽しかったよ」


「ならっ…」


「でも今は無理。僕一人のことじゃないから、余計に、ね」


コレは部の為でもある。


例えば僕とアキちゃん二人だけのことならば、何とか都合をつけて彼と遊んだだろう。


…でも他の人も巻き込んでいることに、無責任な行動はしたくない。


「…麻野はさ、やっぱりオタク仲間と一緒の方が楽しいんだ」


俯きながら呟いた彼の言葉は、否定できない。


彼と遊ぶのは楽しかった。


でも…ああいう遊びはたまにだからこそ、楽しめた。


もしずっと、彼がああいう遊びを誘ってきたら……僕はどう判断するか分からない。


そう、例え僕が彼のことを好きでも、だ。


僕は僕であることを変えられないから…。


「…でも龍雅くんだってそうだろう? オタクの僕といるより、話の合う人といた方が楽しいに決まっている」


「でっでもお前と他のヤツは別だし…」


「うん、世界が違うからね。それに…龍雅くんはオタクが嫌いなんだろう?」


「嫌い、だけど…」


彼はどこまでいっても正直だなぁ。


自分を変えない真っ直ぐなところは、やっぱり好きだと思う。


憧れていた、ずっと、彼に。


明るくてカリスマ的で、でも人間として欠点があっても強い彼に、いつの間にか惹かれていた。


でも思いを口に出すつもりは全く無かった。


だから見ているだけ、だったんだ。


でもそれも彼に気付かれて以来、止めていたけれど…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ