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…オタクの思考って、通じやすいんだろうか?
「ええ、アニメイトに寄って行こうと思っています。しばらく行けないでしょうし」
「締切まで残り一ヶ月切っているしなぁ。今回は試験があったら、遅れてしまったし」
学業優先は当たり前のことなので、しわ寄せが後から来るのもしょうがないこと。
「なら一緒に行っても良いかな? オレも欲しい物が…」
「麻野っ!」
ビクッと僕と部長は体を揺らした。
「えっ? 龍雅…くん?」
何故かまたこの棟に彼がいた。
…しかも思いっきり不機嫌なオーラを出しながら。
「ちょっと話しがある」
「うっうん…。あの部長…」
「ああ、校門の所で待っているから」
優しい部長は笑顔でそう言って、先に行った。
「どっどうしたの?」
彼の元に駆け寄ると、何故かまだ不機嫌なまま。
「…アイツが部長?」
「そう、だけど…」
「ふうん」
彼は部長の行った後を、じっと睨みつけている。
…コレはオタク嫌いが発動したな。
「あの、僕に何か話しがあるんじゃ…」
「ああ、そうだった。もうストーリーとやらは終わったのか? ここ最近、すっきりした顔をしている」
「えっ? まっまあ終わったけど…」
もしかして僕、締切が近いからって険しい表情になっていたんだろうか?
今更ながら顔を撫でると、彼の表情がいきなり変わった。
「じゃあさ! 新しく出来た屋内アミューズメントパークに行かないか?」
眩しい笑顔で誘われるけれど…。
「あっ、ゴメン…。実は僕の書いたストーリーでマンガを描くことになったんだ。だからしばらくはまた、部室にこもることになりそうだから…」
「しばらくって…どれくらい?」
「いっ一ヶ月ぐらい、かな?」
「そんなにっ!?」
彼はぎょっとして、後ろに下がる。
けれどまた不機嫌な顔になる。
「…そんなにこもってばっかいるから、オタクになるんじゃないの?」
それは…確かに。




