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流石に全部は話せないけど、ある程度濁せば大丈夫かな?


「アキちゃんは、さ。ずっとある人から見られていたら、気持ち悪いと思う?」


「思う」


…今の返答、絶対に1秒もかからなかった。


アキちゃんは絵を描く手を止めないまま、その理由を語りだす。


「俺は見られるタイプだが、何も言わずに見られているのは正直、気持ち悪い。はっきりと見ている理由を言われた後ならば、多少は緩和されるが」


緩和……そう言う言葉もどうかと思うけど。


「じっじゃあもしアキちゃんのことが好きな女の子がいて、ずっと見ていたら?」


「同じことだ。まあ告白された後にも見続けられるのならば、理由が分かっているから気持ち悪さも薄れるだろうがな」


……それでも気持ち悪さが全部無くなることはないんだ。


僕の場合…逆に気持ち悪さが倍になるんだろうな。


彼の嫌いなタイプだし、……男、だし。


「そういうストーリーでも考えていたのか?」


「へっ? …ああ、うん。最初は見続けているところから、はじまる恋愛ってどうかな~って思って」


僕はつい誤魔化す為に、弱々しい笑みを浮かべながら言ってしまった。


けれどアキちゃんはふと手を止め、顔を上げて悩む顔をする。


「…うん、ちょっと古い演出かもしれないが、純愛っぽくて良いかもしれない。下手にドロドロした恋愛模様よりも、甘酸っぱい感じがウケるかもしれないな」


――アキちゃんは真面目に考えてしまった。


でも確かに純愛系ならば、僕でも書けるかもしれない。


今時の修羅場の多いシーンって苦手だったから、書けなかったけど…。


「じゃあ僕、そっち方面でストーリーを書いてみるよ!」


「頑張れよ。俺はお前の書いた話で、絵が描きたいんだからな」


アキちゃんが優しく微笑んでくれたので、僕は嬉しくなった。


「うん! よぉっし! 早速書き始めるぞ!」


僕は彼に言われたショックを和らげる為に、改めてストーリー作りを始めた。


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