表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/62

2

「はっはい」


青年が行った後、僕は彼の方を見る。


彼は待合の場所でマンガを読んでいた。


「結構僕みたいな年頃のコ、多いな…」


周囲をキョロキョロ見回すと、高校生か大学生ぐらいの人が多い。


…もっともタイプは彼みたいなのが多いけど。


浮きまくっているなぁ、僕。


「お待たせしました」


若い青年が来て、僕はそのまま髪を現れた。


そして再び受付の青年が来て、僕の髪をカットしてくれるようだ。


「翔から聞いたんだけど、好きにして良いの?」


「はい。特に希望はないので…」


「ふぅん…」


青年は僕の髪をふきながら、いろいろと考えている顔をする。


「パーマとか染めたりするのは?」


「えっ!? いや、さすがにそこまでは…」


「まあこの黒髪、結構立派だし、もったいないか」


ハハッと苦笑を浮かべているけれど、目が笑っていない!


こういう所で働く人って、結構冒険心が強いのかなぁ?


「じゃあ短くしつつも、少し段差をつけて良いかな? 特別な手入れも必要ないし、髪の流れを変えれば目立たないから」


「はい、それでお願いします」


青年は早速切り始める。


手際も良いみたいだし、流石彼の紹介だな。


「あのこう言うと失礼だけど、麻野くんってオタク?」


「あっ、分かります?」


僕は平然と即答した。


「まっ、人の髪に触れると、何となく分かってきてね。気分悪くした?」


「いえ。まあ見た目でもそう言われることは多いですし、本当のことですから」


「そうなんだ。でも翔のツレにしては珍しいタイプなんだよ。だからちょっと確かめたくなったんだ」


…彼のオタク嫌いはここまで知れ渡っているのか。


「…うん、でも磨けば光るタイプだ。翔が気に入っているのも分かるよ」


しかし青年の口からは、予想外の言葉が出た。


「えっ? 彼が僕のことを?」


「じゃなきゃ、ここには連れて来ないよ。何せ秘密のお気にだからね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ