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問題はこの後。
いつもは制服を真面目に着ている『彼女』が、可愛らしい私服姿になり、また一緒に過ごしていくうちに女の子らしさも見せる。
そんな部分に『彼』は惹かれていくも、『彼女』の趣味を知って戸惑ってしまう。
…この後の展開が、どうしたものか。
「はあ…。ちょっと飲み物、買ってくる」
「ああ」
この棟の一階には飲み物や食べ物の自動販売機がある。
僕は一階に下りて、紙パックのオレンジジュース買って、ベンチに座った。
「ん~。受け入れられるものなのかなぁ?」
「何がだ?」
「だから趣味を…って、うわっ!?」
二度目のビックリ。
ビックリした原因もまた、彼だった。
いっいつの間にこの棟に来たんだろう?
あっ、彼も喉が渇いたとか?
「えっと…ちょっとストーリー作りに困ってて」
久しぶりに会話をするせいか、声が上ずってしまう。
彼は何故だか不機嫌な表情をしているし…。
「ふうん…」
興味のなさそうな返事をしながら、彼は自販機でコーラを買う。
そして何故か僕の隣に座り、飲み始めた。
「りゅっ龍雅くんは恋愛マンガに興味ある?」
「全然」
…ある意味、良かった。
「あのね、もし…なんだけど。龍雅くんの好きな子が、龍雅くんの嫌いな趣味を持ってたら、どうする?」
「止めるように言う」
…キミらしいです、その意見。
「だっだよね~」
と答えるしかない。
ああ…どこまでいっても、平行線だな、僕達は。
「…でも」
そこで不意に、彼は声の音を落とす。
「本当に好きなら、認めてやる…と思う」
「えっ?」
「だってそれで笑顔になったり、楽しんだり、嬉しくなったりするんだろう? そういう顔、好きな子なら見たいじゃん」
「あー…」
そうか、確かに悲しませるぐらいならば、受け入れた方が良いか。
何も『彼』まで染まることはない。
ただ一歩引いたところから、優しく見守るのもアリか。




