表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/62

2

だけど何故か僕は彼に惹かれた。


いっつも楽しそうに、明るく朗らかに笑う彼から、眼が離せなくなっていた。


「だけど見ているだけで、気持ち悪いと言われちゃなぁ…」


がっくり項垂れるしかない。


「ん? タク、何しているんだ?」


「ああ…アキちゃん」


暗雲を背負う僕に声をかけてきたのは、幼馴染の石津いしず彰人あきと


ちなみに僕が今いる場所は、校舎の裏側。


今週は掃除当番で、教室のゴミを捨てに来た時、たまたまこちらに歩いてきた彼に真正面から言われた。


「まだゴミ捨ててなかったのか? さっさと捨てて、早く部活に行くぞ」


アキちゃんは僕の手からゴミ袋を取ると、さっさとゴミ捨て場に置いた。


アキちゃんは家が隣同士で、昔っから仲が良かった。


そのせいか見た目は和風の美青年なのに、趣味は僕と同じだった。


…なので何度女の子達から睨まれ、恨まれたことか。


アキちゃんは今まで何度も女の子達から告白されているのに、


「趣味のことで忙しいから」


と断ってきた。


「どうしたんだよ? 魂が抜けた顔をして」


…アキちゃんだったなら、彼もああいうこと、言わなかったのかな?


アキちゃん、背も高いしカッコ良いし、メガネ男子って今人気高いし。


「おい、タク」


「あっ…ああ、うん。何でもないよ。早く部活に行こう」


僕はアキちゃんの手を引いて、校舎に向かった。


部室は特別棟にあって、マンガ研究会は二階の端にある。


「こんちわ~」


「…こんにちわ」


アキちゃんと僕が入ると、中にいる部員達が気軽に声をかけてくれる。


ウチの部は上下関係が厳しくなく、ゆったりとしているのが良い。


ちなみに活動内容は、マンガを実際に描いて投稿すること。


だけど全部一人ではやらない。


部活動なので、マンガを作る作業を部員達で分担しながら一本の作品を作り上げる。


それで結果が出たら、先生達に報告する。


ウチの部はなかなか良い成績を出していて、高校在学中や卒業後にマンガ家デビューする人もいるぐらいだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ