表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/62

2

「あれぇ? 翔じゃん」


「ホントだ」


「ああ、お前ら」


5人の僕達と同じ歳ぐらいの少年達が、彼に親しげに声をかけてきた。


「何? 今日のツレってコイツだけ?」


そのうちの一人が、僕を興味深く見てくる。


「ツレってーかパシリだろう?」


…ちょっと否定できない。


「ウルセー。文句があんなら、近付くな」


彼が不機嫌そうに言うので、少年達はちょっとビックリした後、とりつくろうように笑う。


「あ、悪い悪い」


「初対面だったからさ。ところで翔と同じガッコ?」


「えっと、はい…。龍雅くんと同じクラスの麻野拓海です」


「敬語なんて使うなよ。コイツらとボク達、同じ歳なんだし」


彼は未だ怒っている様子。


「コイツらは同じ中学でさ、会うのは久し振りなんだけど」


そうは言っているけど…何か不機嫌。


でも少年達は彼と話をしたくてたまらないようだ。


「そうそう。翔、久し振りなんだし、一緒に遊ばないか?」


「モデルの話し、聞かせろよ。可愛いコ、いっぱいいるんだろう?」


何だか僕が入れない空気になったので、一歩後ろに下がると、すぐに彼にバレる。


「麻野、どこ行く気だ?」


「えっと……ちょっとトイレに行ってくるね」


本当は空気を読んで帰ろうと思ったけど、彼から出る空気がそれを許さないと言っているようだった。


僕は逃げるようにトイレに向かう。


「ふぅ…。ゲームコーナーから遠い場所にあって、助かったかも」


トイレは隅の方に設置されているので、広いゲームコーナーからは距離がある。


少しぐらい戻るのが遅くなったって、言い訳できる。


「…考え方が暗いよ、僕」


トイレに誰もいないことを良い事に、独り言を呟いた。


「あっ、と。麻野くん、だよね?」


そこでトイレに、先程顔を合わせた少年達が入って来た。


2人は僕をじっと見てくる。


「そうだけど…何、かな?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ