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4

――その後、彼も本気で勉強をするようになり、僕も僕で勉強を進めた。


そして一週間はあっという間に過ぎて、試験最終日に彼から声をかけられた。


それは図書室に本を返しに行った帰り、アキちゃんも一緒だったせいで…。


 バチバチっ!


火花が間近で見られるという、体験を僕はした。


…思っていたことだけど、やっぱりこの二人、相性が悪い。


「…麻野、ちょっと話があるんだけど」


と、彼は睨み付けるように僕を見ながら声をかけてきた。


「ああ、うん…。アキちゃん、悪いけど先に帰ってて?」


「…大丈夫か?」


アキちゃんはアキちゃんで、心配そうな顔で僕を見る。


「うん、まあ大丈夫…だと思う」


自信はなかったけど、それでも僕はアキちゃんから離れ、彼の元へ行く。


「ふんっ! 行こうぜ」


彼は僕の手を掴み、早足で歩き出す。


「わっわっ!」


僕は彼に引っ張られながら、校舎の裏側に来た。


…何かこの場所、懐かしいな。


「あの…さ、勉強教えてくれてありがとう」


彼は手を離さないまま、振り返って言った。


その顔は照れているように見える。


「テスト、結構書けたんだ。多分、赤点は取らないと思う」


「そうなんだ。良かった」


まだ結果は出ていないけど、本人が手応えを感じているのならば、きっと大丈夫。


「…でさ、明日から三日間、試験休みに入るだろう?」


「うん」


明日は金曜で、土・日をはさむから三日連休になる。


「三日間のうち、一日…ボクに付き合ってくれないか?」


「ん? どこに?」


「どっかっ!」


急に彼はキレ気味に叫ぶ。


…『どっか』と言われても…僕と彼の遊び場は全く違う。


「…ちなみにさ、龍雅くんがいつも遊んでいる場所ってどこ?」


「ボク? ボクはカラオケとかボーリングとか、クラブとかかなぁ?」


…カラオケなら僕も友達と行くけど、もっぱら歌うのはアニソンかゲームの歌ばっかりだしな。


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