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#159ペルちゃんと私

 みんな知ってると思うんだけど、一応説明するね。

 水に熱を与えると温度が上昇して物質の三大変化的な現象によって気体へと変化するんだよ。

 そう、私はコレを煙幕の代わりに使って化けていたことを隠すのだ!

 これで私が超近距離戦闘を始めてれば、間に割り込んでくるはず!

 というわけで。

 黒騎士の黒い塗装は真っ白な煙の中でもよく見えるであるぞ。

「体術スキル、発勁はっけい!」

 パーン………

 鋭い音が響く。

 触感と音的に中空洞っぽい。

 もしかしてアンデットが鎧動かしてるのかな。

 考えるのは後、一旦距離を置こう。

「まぁ、この程度の霧で我をどうこう出来ると思っているのか」

 ズバーン!

 黒騎士が剣を一振りしただけで霧をはらっただと……

 主人公とかちょっと強い悪役みたいなことしてくれてるの!

 私でも出来るのに……おのれ、カッコつけおって!

「貴様、なかなか考えたようだが、我には効かない………貴様は誰だ?さっきとは体格が違うと思うが……胸のサイズもさっきよりも大きくなっているな」

 こやつ、私とペルちゃんの体格を完全に把握している。

 それに胸のサイズの差に気づくなど、どんなムッツリ変態騎士なんだ!

「名乗り遅れた。私は雪。私の力でペルちゃんとの位置を入れ替えたんだよ」

「「「雪お姉さん!」」」

「雪姉さん!」

「貴様、何者だ?」

「何者ってみんなのお姉さんの雪ちゃんだよ!」

「違う。貴様から禍々しいオーラを感じる。嫌なオーラだ」

「なに、イヤラシイオーラだって?」

「嫌なオーラだ!」

「まぁ、それはちょっと気のせいなんじゃない?体術スキル、正拳突き!」

 カーン………

 弾いてきた。

 まぁ、正拳突きを連続して放っても全て弾いてくるよね。

「防戦一方みたいだけど?」

「ならば反撃しよう!」

 脳天割り。

「エンチャント、硬化こうか!」

 頭飛ばされるとさすがに再起不能だから防がないと。

「衝撃!」

 あ、ユニークスキル!

 気づいた時には私は吹き飛ばされてた。

 黒騎士は…まぁ、接近してるよね。

「スキル、瞬間加速!」

 耐性を立て直して!

「発勁!」

「衝撃!」

 すごい衝撃。

 けど、

「その程度じゃ、私には勝てない」

「なら試してみようか!」

 くる!

 絶対に!

「うおおおおおおおおお!」

 今まできていないってことは、私がピンチになれば必ずくる!

 そう、ペルちゃんが!

「せやああああああああああ!」

 カーン。

 私と黒騎士の剣の間に割って入る。

「また貴様か!」

「せやあ!」

 ペルちゃんが黒騎士の剣を気合とともに弾く。

「雪ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫だよ!」

 ペルちゃんが剣を受けてくれてるおかげで至近距離で魔術を放てる!

 今あるスキルだと水魔術………

 これだとあまりダメージを与えられないなぁ〜

 よし、カードを使おう!

「雷鳴カード!起動!」

 ズバーン!

 嵐のような雷の音とともに光り輝く雷がはしる。

「な、なんだ。この稲妻は!」

「おお、すごい魔術!」

「ペルちゃん、まず距離をおいて!」

「了解!」

 今思った。

 私、今手持ちのアイテムなにがあったっけ?

 さっきまで変身してたから確認してなかったや。

「させぬ」

 まぁ、そう来るよね。

「火炎、氷結、カード!発動!」

 ここで再び煙幕じゃ!

「何度やっても同じこと!」

 ズバーン!

 簡単に煙幕を消してくる。

 もうちょっと手こずってくれた方が小説的には美味しいのに。

「ペルちゃん!」

「了解!火炎魔術、ファイアーボール!」

「甘い!」

 こやつ、正確に火球の中心を切っておる。

「雪ちゃん、接近戦は私に任せて!」

 今の持ち物は………

 よし、カードある!

「じゃあ私が指令官やるよ。とりあえず私が魔術を放ったら接近して剣術叩き込んで耐久して!」

「うん!」

「一撃で仕留めるには神聖属性の攻撃が必要だから、接近して私の合図に合わせて剣を弾いて!」

「パリーだね!」

「じゃあ作戦開始!」

「オッケー」

 では早速………

 あ、あったあった!

 この4枚なら高威力のかっこいい魔術が撃てる!

「貴様らの悪あがき……我に通用するとでも思っていたか、一流の剣士と三流の魔術師程度に我を倒せるとでも思っているか!」

 三流扱いされた。

 私みたいな超一流魔術師を三流呼ばわりとは良い度胸。

 今時の魔術師は魔術のみならず、肉弾戦の近接戦闘もできなければならないのだ!

 カードを4枚前方に掲げて魔力を流す。

「詠唱する時間すら与えん!」

 あ、斬撃飛ばしてきた。

 けどその程度のことは許容範囲内。

「火竜、水竜、雷竜、風竜、カード展開!竜たちよ、暴れよ!」

 カードから炎と水と雷と風の竜が現れ、黒騎士の方に飛んでいく。

 私クラスの魔術師になると詠唱なんていらないのだ。

「その程度の魔術、我の衝撃の前では無力!」

 フッフッフ!

 無力と申すか、こやつ。

 あくまでこの魔術は見た目騙し。

 だって私、こんなに高等な魔術はまだ使えないし。

 策は勝手に打ってくれてる。

 さすがミ…いや、ペルちゃん!

 ペルちゃんとミケちゃんってなんだかんだ見た目が似てるからたまに後ろ姿とかで間違えそうになるんだよね。

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