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#158雪さんなのだ!

「貴様との戦いは実に楽しかった。久方ぶりに目覚めた我をここまで高揚させるとは、賞賛に値する」

「「「シロさん!」」」

「シロお兄ちゃん!」

 う〜ん………

 クロもシロもこんなもんじゃなかったんだけどなぁ〜

 もっとさ、高威力の魔術を撃ちまくろうよ!

 これじゃ、小説的にも美味しくないよ。

 私がお話を描くんだったら、剣技を行使しながら、詠唱して魔術で強化したり、攻撃した方が好きなんだけど!

 え、誰だって?

 フッ……貴様ら聞いて驚け、文面読みてさらに疑問符を浮かべよ!

 私は何を隠そう雪ちゃんなのだよ!

 え、どこにいたかって?ずっとダンジョンマスターの部屋にいたよ。

 私はペルちゃんに化けることによって、ココちゃんにペルちゃんが本当は少し怖い女だと思わせて一気に私の株価を上げる作戦だったのだ!

 私には分かっている。

 今、ペルちゃんはダンジョンマスターの入り口の扉のあたりにいる。

 シロクマの獣人である私は意識すれば1.5km先の臭いまで嗅ぎつけることができるのだよ!

 すぐに入ってこないことから察するに、何か攻撃魔術の詠唱をしているはず。

 きっとそこから助走をつけて乱入してきて、暗黒騎士を仕留めようとしているはず!

 さすがペルちゃん!

 だからスキルを解除しないと私が今までみんなを騙してたことになっちゃって、私の株価が崩落しかねない。

 つまりペルちゃんの邪魔をしないようにスキルを解除すれば良い。

 じゃあ私が今から特攻して、相手の剣を弾く!

 そして弾いた瞬間にペルちゃんと入れ替われば問題ないね。

 じゃあスキル入れ替えないと。

 ゲームで持ってるスキルを自由に使えるのも良いけど、持ってるスキルの中から10個まですぐ使えるとか個数が決まってるのも良いよね。

 戦闘のたびにスキルを入れ替えるのはめんどくさいけどね。

 スキルは……剣を使ったらココちゃんにバレちゃう。

 さっき使ってない近接系戦闘スキル。

 あ、体術を使おう。

 あとは付与魔術……相手が魔神族だから神聖魔術も効果的だ。

 それに戦闘っていったら攻撃系魔術は入れておきたいから水魔術入れよ!

 身体能力は瞬間加速スキル、腕力強化。

 えっと、いくつか耐性がないと危ないかな……衝撃耐性、斬撃耐性、物理耐性、即死耐性。

 こんな感じかな。

 このペルちゃんに化けるために使ってる完全模倣スキルがユニークスキルで良かった。

 完全模倣スキルはなりたい相手の身体能力、スキル、魔力容量とかを完全にコピーして相手になることができる。

 発動中は自分のスキルが一切使えなくなっちゃうんだけどね。

 けどこのスキルの欠点は熟練度が低いと完全に模倣できないっていう点かな。

 そのなりたい相手のことをよく知ってると、完全に模倣できるんだけどあまり知らないと模倣できないんだよね。

 今、ただの見せかけかよ、とか思った?

 ねぇねぇ思ったでしょ?

 私はペルちゃんと身体を触りあった仲だから、身体の隅々まで分かっているのだよ。

 発情期がこんなところで本来とは違う点で存在意義を発揮したね。

 さて、そろそろ私が大活躍してペルちゃんからの好感度を上げる時が来た!

 いざ、暗黒騎士を追い剥ぎしよう。

 絶対、防具売ったら高く売れるって!

「ちょっと待った!」

 私は静かにゆっくりと歩き出す。

「貴様か、今さら何の用だ?この男はたった今ここで死ぬ。それともまた貴様が我を楽しませてくれるのか?」

「ペルさん!」

 さぁ、集中。

 ちょっと失敗すれば首が飛んじゃうかもしれないもん。

「それにトドメを刺すのは別に構わないけど、あの子たちは見逃して欲しいんだけど………」

「それは許せぬ」

「どうして?私よりも弱いよ」

「強い弱いの問題ではない……」

「ダンジョン拡張のためでしょ。知ってるよ、ダンジョンのシステムぐらい」

「ほう、なら……」

「けど見逃してくれたって良いじゃん。見逃せば人々はこのダンジョンを危険視して、ダンジョン制圧並びにダンジョンマスターの討伐隊が編成されてダンジョン的には美味しいと思うよ」

「確かにダンジョンのシステム的にはな。だが我は我が願望のため、少女たちを儀式に使うつも………」

「それは魔神の王復活のためでしょ」

「ああ、少女たちを生贄に異界との門を生み出し、魔神族の同胞を呼び出すのだ!」

「なら私を倒した後、私を奴隷にでもすれば良いよ。私はユニークスキルを持ってる。それも貴方が求めている異世界への門を開いて転移する力。応用すれば貴方の仲間を呼び出すことだって可能だと思う」

 イメージ、右手に炎を纏わせるイメージ。

 そして左手は水を一気に放出するイメージ。

 魔力は両手の手のひらの方にいくように意識する。

 まだペルちゃんが来ないってことは私の合図的ななにかを待ってるってことかな。

「まぁ、私たちに勝てればだけどね!」

 私はそう言いながら右手で指を大きく鳴らす。

「エンチャント、フレイム。水魔術、ウォータービーム」

 瞬時に右手に炎を宿し、左手から大量の水を出し、両手の手のひらを合わせる。

 すると右手と左手の間から真っ白い水蒸気がボワッと巻き起こり、ダンジョンマスターの部屋を一面埋め尽くした。

更新が遅れてすみません。

なかなかしっくり来るものが書けなかったことと体調が悪かったため、投稿を遅らさせていただきました。

これからも頑張って書いていこうと思います。


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