#156この状況で私いらないよね
「まぁ、無事に敵を無力化できたから良いとしよう」
うん、私的には良くないけどね。
けどまぁ……ね。
こういうさ、戦闘イベントってよくあることだよね。
けどさ、またいつも通り誰かが私の戦闘イベントを奪っていく……そういう未来が見える気がする。
つまり次はぼっちでどっかに攻略しに行けば良いってことだよね。
そしてゴブリンとかオークとかに捕まるわけだよね。
大きな手で私の腕をガッシリ掴んで犯すんだよね。
つまりそうなる前にココくんを襲って処女だけ卒業しておけばいいと。
うん、納得。
「それよりミケは怪我してない?調教されてない?」
「僕は無事だよ!けど雪さんが考えた剣が壊れちゃった……」
「ミケが怪我しなくて良かったよ」
「けど剣が……」
「別に剣なんて素材と技術があればいくらでも作れるから」
「雪さん……僕のこと怒りそう………」
雪さんの怒った時……相手によって大きく違う気がする。
ココくんだったら抱きつきながら喜んで許してそのままベットに連れていきそう。
けど雪さんは大人しそうだからそんなに怒らないと思う。
というか雪さんが怒っている状況が想像できない………
雪さんが起こった時ってヤンキーみたいだったりするのかな。
「雪さんはそんなに怒らないよ……きっと。怒ったら私も一緒に謝ってあげるから」
「ほんと?」
「うん」
「一緒になって怒らない?」
「もちろん。ミケは素材と技術があっても作れないし、私の大好きなミケなんだから!それに剣はいずれ壊れちゃうんだから壊れるまでしっかり大切に扱ってあげれば剣も許してくれるよ」
「そうかな……」
「そうだよ」
「まだ一回しか使ってないのに……」
「それじゃあミケは悪くないよ。きっと相手の攻撃力が高すぎるか、剣の耐久力が極端に低かったんだよ」
「なら良いんだけど………」
あれ、雪さんってそんなに怖い人だっけ?
確かに雪さんは感情が読みづらいよ。
感情が読みづらいというか……なんか決まったキャラがないと言うか何というか………
接していて感じることはすごい非の打ち所がない人だよ。
バイトでも大抵のことを1人でこなして、相手によって適した対応を完璧にこなしていた。
それにどこか余力を残しているようなそんな感じがある。
まぁ、そんなことよりも……
「ミケ、今のこの街の状況は?」
「え、街の状況?あ、ほとんどの人を森に避難させたよ。一応、森の魔物が避難した人を襲わないように避難した人の中で戦闘経験のある人たちを残してきたよ!」
「森に避難させたんだ!ナイス、ミケ!」
「うん!エヘヘ〜ペルちゃんに褒められた」
「よしよし……流石ミケだよ」
じゃああとはこの街に残った魔王軍を殲滅すれば無事解決!
そしたらあとはダンジョンを攻略しているグループと合流すれば万事解決と。
けどこのまま殲滅してもほぼミケの活躍になるよね。
よく考えたらミケが街の人を避難させたりしてるからミケの方が活躍しているように見えるよね。
ここからどれだけ頑張っても。
私、この状況にいらないんじゃない?
いや、要らないよね。
あ、思い出した。
「ミケ」
「なに?ペルちゃん」
「この状況に私って重要?」
「重要だよ。だってこれから魔王軍の人たちを倒さないといけないんだから!」
「それより魔王族……魔神族の方はどうなったんだろう」
「魔神族?」
「ああ、ミケには言ってなかったね。今日、ここで人と会う約束したって言ったじゃん」
「うん、雪さんの知り合いと会ってたんだよね。そういえばペルちゃん、みんなはどこにいるの?」
「猫の世界の方のダンジョンにいるよ」
「え、みんなダンジョン攻略してるの?」
「うん。それでダンジョンマスターが魔神族とかいう種族の敵で雪さんの知り合いのクロさんがそれと戦ってるんだよ」
「そうなんだ……それがどうかしたの?」
「それで待ち合わせ時間を過ぎてるんだけど、終わってるかな〜って」
「待ち合わせ?」
「うん。こっちの魔王軍を倒すのを手伝ってくれる手筈になってるから迎えに来てくれ〜的な感じ」
「え、じゃあ行ってあげた方がいいよ。こっちは僕がなんとかするから」
というわけで異世界転移でさっきの牢に戻ったわけなんだけど……
「暗いだけで誰もいないじゃん!」
作者より
猫愛好家VRMMOに猫を連れてきました!の時間軸に関する大幅な設定変更を行うため本日の投稿はおやすみとさせていただきます。
すみません(´;ω;`)