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#154ミケのユニークスキル

 あの……ね。

 なんかこういう展開の時ってさ。

 少し遅れてから主人公的なキャラが「待たせたな!」って感じでくるんじゃないの?

「じゃあ早速始めようか〜」

 来ないんだけど!

「ぺ、ペルちゃん、フォーメーションδ(デルタ)ってなに?どんな方法?」

「フォーメーションδ(デルタ)。それはいつも通りのアレだよ!」

 いつも通りって最後にミケと一緒に戦ったのいつだっけ?

「いつも通り……あ、了解!」

 み、ミケは何を理解した!

「じゃあ僕が援護するからペルちゃん、ファイト!」

 そういうスタイルね。

「うん!」

 私は剣を上段に構える。

 相手は空を飛べる敵。

 どのくらいの高さまで上昇するかはわからないけど、今の私は人間じゃない。

 猫の獣人だ。

 猫の身体能力を駆使すれば倒せるはず……

 それにハーピーの主な攻撃手段は見た目からして爪による引っ掻き攻撃。

 そうであれば近接格闘型だから接近してくるはず!

「行くよ、ミケ!」

「八つ裂きにしてあげる!」

 きた!

 やっぱり接近してきた。

 なら正面から打ち合う!

「剣技、スラッシュ!」

 キーン………

 私の剣とハーピーの爪がぶつかり合うと、耳に金属がぶつかり合うような音が響く。

 もう一発!

 キーン………

 もう一発!

 キーン………

 まだまだ!

 キーン……

 スラッシュを連続で発動してもハーピーの体勢が崩れない。

 キーン……キーン……キーン……キーン……

 何度やっても体勢が崩れない。

 いや、これよく見たら攻撃を受け流されてる。

 けどずっとスラッシュを放っている状態で違う動作をしたら対応できないはず!

 スラッシュを受け流された剣をそのまま勢いよく振り上げる。

 そして振り上げた剣をハーピーに勢いよく振り下ろす。

「な………」

 予想外だ。

 ま、まさか真剣白刃取りをされるなんて………

 これが魔王軍を率いているハーピーの実力。

 お、お…面白い。

 これは倒し甲斐がありそうだ!

 私は一度ハーピーから距離をとる。

 このままスラッシュで攻撃し続けても私の体力がもたないし……

「あなたの剣技はその程度なの〜この程度の剣技なら警戒する必要なかったかも!」

 このハーピー……ちょっと攻撃を受け流せるのと真剣白刃取りに成功した程度で私を馬鹿にするとはいい度胸ではないか。

「そう?貴女こそ余裕ぶってるように見えるけど、なんで今追撃しなかったの?追撃すれば決定打を与えられたかもしれないのに……もしかして受け流すことで手一杯だったんじゃないの?」

 この煽っていくスタイル。

「貴女、喧嘩売ってるの?」

「戦闘に喧嘩を売るなんてないでしょ」

「あ、貴女……」

「ペルちゃん、ペルちゃん」

 トントン……

 ミケが私の名前を呼びながら肩を叩く。

「ミケ、どうかしたの?」

「周りの魔王軍を全員行動不能にしたんだけど、この後どうやって援護したらいい?」

「「えっ?」」

 思わず私とハーピーの声が重なる。

 私は周りを見渡すと魔王軍の魔物が倒れていた。

 この人数をミケが全部?

 音も立てずにどうやって?

「ミケ……一体どんな方法で倒したの?」

「僕のユニークスキルで魔物を破壊して倒したよ」

「その具体的な方法は!」

「具体的な方法?ユニークスキルを使って核だけを破壊したんだよ」

「え、ミケってユニークスキルを持ってたの!」

 今初めて知ったんだけど!

「うん」

「ユニークスキルの能力は?名前は?」

「ユニークスキルの能力は複数の次元を作ったり、自由に操ったり出来る能力」

 な、なにそれ?

「ユニークスキルの名前は次元支配者ディメンションマスター

 な、なんかかっこいい!

 というか私のユニークスキルよりもすごいかっこいいじゃん、名前!

「ミケ……」

「なに、ペルちゃん?」

「そういうのは早く言ってよ〜」

 それもっと早く知ってればもっと有効活用できたじゃん!

 使い道はすぐ思いつかないけど。

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