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#142アロイトのユニークスキル

「漆黒の剣士クロ、貴様が我を満足させられることを望んでいるぞ」

「そうか?満足どころか、俺様に殺されて怨念ドロドロで呪ってくるんじゃねぇのお前」

「我は倒れない。我こそがかつて人族に恐れられていた魔神族の一よ……」

「んな肩書きどうでも良いよ。問題は腕だ。腕がしけてたら肩書きなんて何でもねぇだろ!」

 クロさんはそう言いながら黒い剣を構えてアロイトに駆け出す。

「確かにそうだな。貴様とは言葉を交えるよりも剣を交えた方が互いに理解ができそうだ」

 ズバーン………

 クロさんの片手剣とアロイトの大剣がぶつかり合っただけですごい衝撃波が……

 これが強者の戦い……

 僕とペルさんが戦っていた時は本気じゃなかったんだ。

「お前のスキルの正体がわかったよ。お前の今のスキルの正体は衝撃だな。そして威力から考えてユニークスキルか何かか?」

「…………我がユニークスキルを所持していると見破るか。貴様、神眼持ちか?」

 え、アロイトってユニークスキルを持てるの。

「どうしてそう思う?」

 ズバーン……ズバーン…ズバーン………

 二人クロさんとアロイトの武器がぶつかり合う度、衝撃波が僕たちを襲う。

「我は鑑定遮断を持っている我のスキルを見破るには通常の鑑定では不可。さらに我のような高位な存在となれば神眼が必要となる」

「んなもんいらねぇよ!」

 クロさんが上段から勢いよく剣を振り下ろす。

 アロイトはそれを右手の大剣でいとも簡単に受ける。

 その瞬間、衝撃波が僕たちを吹き飛ばそうとする。

 ミカンとポットは守護の五芒星で衝撃から身を守っている。

 けどすごい辛そうだ……

「俺様みたいな剣士になれば相手のスキルを見ただけでだいたいどんなスキルだかわかんだよ!」

「ほう、ならば我がユニークスキルの名を貴様に教えてやろう。我がユニークスキルはインパクト。魔力量を攻撃の威力と衝撃に超効率よく変換するユニークスキルだ」

 ということはさっきの衝撃波はユニークスキルインパクトによって上がった攻撃の威力と衝撃だったんだ。

「なるほど……ユニークスキルインパクトか………」

「つまり貴様は我に敗北する!」

 ズバーーーーーーン…………

 僕とリックンはしゃがんで衝撃から身を守る。

 けどこれ以上衝撃波が強くなったら簡単に吹き飛ばされてしまいそう……

 ペルさんは平気で立っていた。

 体の大きさが大きいから踏ん張る力も強いからなのだろうか。

 それとも何かスキルを使っているのだろうか?

「ココくん、リックン大丈夫?」

 気がつくとペルさんがこちらを見ていた。

「二人とも、足を踏ん張ってしっかり立ってないと吹き飛ばされちゃうよ。手を繋ぐ?」

 ペルさんはそう言いながら手を出す。

 待てよ。

 これはペルさんの巧妙な罠か。

 ここで手を繋いだ瞬間、ペルさんのスカートの中に手を入れられるのでは……

「じゃあお願いします」

 リックンはペルさんの手を躊躇なくとる。

「ココくんも」

「ペルさん、何か企んでますか?」

「特に何も……」

「ココよ、ペルさんを疑い過ぎだぞ。こんなに胸の大きくて可愛い女の子に手を繋いでもらえるんだぞ!僕たちからしたらご褒美だろ」

「ご褒美ではないと思う……」

「じゃあ」

 リックンはそう言いながら床に手をつく僕の手をとる。

「じゃあ僕が二人の間に入れば解決だな!」

「………うん」

 ズバーーーン………

 その直後、すごい大きな音とともに再び衝撃波がくる。

 呼吸がしづらい………

「ココちゃん、リックン。この勝負……面白いものが見れそうだよ」

 ペルさんが笑顔で言う。

「「面白いもの?」」

 面白いものって一体……

「ペルさん、面白いものって何ですか?」

「まぁまぁ、見れてばわかるよ」

 現状、クロさんとアロイトの剣技や戦闘技術は互角に見える。

 しかしクロさんは圧倒的に不利だ。

 アロイトにはユニークスキルがある。

 けどクロさんにはユニークスキルがない。

 ユニークスキルはそれ一つだけで戦況を大きく変えてしまうほどの力を持っている。

 アロイトのインパクトは一人で軍隊すら滅ぼせそうな破壊力。

 それよりもクロさんは衝撃波を至近距離で浴びている。

 身体に負荷がたくさんかかってるはず……

「ペルさん。クロさんは大丈夫でしょうか?僕たちに何かできることはないんですか?」

「何か出来ること……ねぇ。あそこまで二人が接近していると魔術による援護は危険。防御系の魔術を使用すると逆に邪魔になってしまう。この現状において私たちが出来ることはないよ」

 それに今、僕たちが下手に動けばクロさんに隙ができてしまうだろう。

「けど人のために何かしようと考えることは良いと思うよ。クロのために出来ることね……あ、じゃあ雪さんを探しに行こうか!」

 あ、雪姉さん!

 まだここにいないということはまだ迷宮内で迷子になってる!

「ペルさん、雪姉さんを探さないと!きっと迷子になってると思います……早く探しに行きましょう!」

 僕はペルさんの手を引く。

「ココくんストップ!」

 ペルさんは僕の手を引き返す。

「どうしたんですか?早く探しに行かないと………」

「このダンジョンで再び迷宮に戻ると戻ってこれない可能性がある。だから私が探しに行ってくるよ」

「けどそれじゃペルさんが今度戻ってこれなくなります!」

「少年よ、私にはユニークスキル異世界転移がある。これがあれば秒で帰ってこれるから安心したまえ!」

 そういうとペルさんは有無を聞かずに走って迷宮へと戻ってしまった。

次回予告

ペルさんが一人で雪姉さんを探しに行っちゃったけど大丈夫かな。

僕もついて行った方が良かったかな………


作者より

火曜日から修学旅行のため少しバタバタしてて投稿が遅れてしまいます!

本当にすみません!

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