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#138鳴り響く音

 カン…カン……カンカン……

 ペルさんの戦斧とアロイトの大剣がぶつかり合う。

 ペルさんもアロイトも一歩も引かない。

 ペルさんの援護をしたいけど二人の距離が近すぎて魔術を放てない。

「貴様、相当な戦斧の使い手だな。我をここまで圧倒するとはなかなかの腕前だ」

「そっちこそ大剣を片手で振り回すなんてどんな腕力してるの?ゴリラなの?ゴリラでしょ!」

 絶対アロイトさんのこと馬鹿にしてるよ……

「それは貴様も同じことだろう。娘が戦斧を軽く持ち上げるとはな!」

「まぁ、ね!私も片手でこの斧ぐらいなら操れるけど……それは流石に貴方に失礼だと思ってね!」

「お!そうか、貴様もあの剣士クロに匹敵する程の手練れかもしれないな!」

 ペルさんがクロに匹敵するほど強いなんて……初めて知った。

 ペルさんってそんなに強かったんだ。

「え!なになにクロのこと知ってんの!」

 会話がすごい軽い……

 ペルさん、どれぐらいクロさんと仲良くなったんだろう。

 もう呼び捨てって……

「当たり前だ。さっきまで監視をしていたからな!」

「あ、そうなんだ!」

 というかなんで二人は話しながら武器振ってるの。

 距離をとって話せばいいのに……

「それよ、り!貴方は誰の命令でこんなところのダンジョンマスターやってるの?貴方なら魔神王の守護についててもいいと思うんだけど……力量的にも技術的にも!」

 ペルさんはアロイトに思いっきり戦斧を叩き込む。

 アロイトは数歩引いて一度二人は距離をとった。

 ペルさんとアロイトは話しながらよく戦ってられるよ……

 よく息が切れないな………

「貴様の力に敬意を払い一つ教えてやろう。魔神王の配下には100の上級魔神があり、その配下にそれぞれの部下がいる。私もその100の一つにしか過ぎないのだ」

 え、アロイトさんみたいな奴がまだたくさんいるの?

「知ってるよ。魔神族は過去の種族戦争において最強の戦力を誇っていた。戦闘力、魔力、破壊力……どれをだがその力で多種族を殺め続けた結果、世界中のあらゆる種族の英雄によってその忌々しい力は封印された。そうでしょ?」

 ペルさん、そんな情報をどこで手に入れたんだろう。

 だってアロイトみたいに強い奴らってラスボスとかでしょ。

 まだ上がいるなんて……

「ああ、確かにな。だが貴様は一つ間違えている。我ら魔神族は封印されたわけではないのだよ」

「なに!」

「貴様は勤勉だ。実に素晴らしい知識。博学であろう。1000年前の出来事をこうもまだ知っているのだからな。勤勉は良い事だ。だが真実でないことを知っていてもそれは知識とはならぬ。真実を告げよう。魔神王様の力によって我々はいくつもの世界に転移させられた。だから私もこの世界で生きている。魔神王様の娘とともに」

「魔神王の……娘………」

 魔神王の娘!

 なにそれ?

 なにそれって……アレだよね。

 魔神王と誰かの娘の間に生まれた女の子だよね。

 魔神王が1番強いってことはその女の子も相当強いはず………

 それがこの世界にいるの?

 それってすごくやばいってことだよね。

「魔神王の娘か……」

 ペルさんの顔が少し曇っている。

 けどどこか嬉しそうな顔をしている。

「魔神王様の娘のアリス様は魔神王様の魔力と未知なる魔力を持っている。魔神王様の見解によると未知なる魔力が覚醒すれば全ての世界が永遠の闇にと出されるだろうとのことだ……我としたことがここまで告げてしまうとは口は災いの元だ。まぁいい、ここで全員死ぬのだからな」

 え、今ってアロイトが喋りすぎただけだよね。

 なんか自分のミスで僕たち殺されそうになってない?

「そう……なら取引をしない?」

 と、取引?

「取引とは、どういうつもりだ?」

 僕たちの命に見合う対価なんてこの現状にはない。

「取引は至ってシンプル。取引材料は私たちに生存権を与えるのと魔神王の娘、アリスの守護。どう?」

「生存権と守護だと……」

 え、どういうこと?

次回予告

取引とは一体?

ペルさんは何を考えてるんだ!


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