#137マナバイオリズム
「良いですか?いくら戦闘がしたいからって先行されたら困ります」
「はい、反省しております」
「まったく……あのままだとミノタウロスに身体を切り刻まれてましたよ」
「はい………」
周囲にはミノタウロスと悪魔と人間の死体が散乱している。
そして説教される私。
「良いですか?魔術を使用する時は呼吸を整えて落ち着いて発動してください」
「はい……」
「それにペルさん。しっかり自分のマナバイオリズムをしっかり把握していますよね」
マナバイオリズム?
なにそれ?
初知りじゃよ。
「少年よ、マナバイオリズムとはなんだい?」
「マナバイオリズムとは、魔術を使用する際に関係するものです」
「というと?」
「魔術を行使すると魔力量の減少で体内を循環しているマナが乱れるんです。その乱れた状態で魔術を行使すると魔術の効果や威力が下がったり、ひどい倦怠感に襲われるんですよ」
え、そうなん。
私、今まで魔術ちょっと使って来たけどそんなことなかった。
「ペルさんって職業で表せば何に当たるんですか?」
「職業ってゲームでいう勇者とか魔術師とかですか?」
「はい」
「私か……」
私って何に当たるんだろう。
剣士?
いや、よく剣使ってるけど魔術も使ってるなぁ……
じゃあ魔術師?
いや、それだと剣使ってる。
あ!
「魔剣士だ!」
「魔剣士何ですか?僕と同じですね」
「シロさんも魔剣士なんだ……というかこんな話にいつからなったんですか。早く周囲の魔王軍を殲滅しに行きましょう!」
「あ、そうですね。僕は南区に行きます。ペルさんは確かお知り合いの方がいるんでしたよね。その方を探してください!」
「え、まぁ……確かに知り合いを助けに行きたいけど私情を挟んじゃって良いの?」
「それはお互い様ですよ。僕も南区のお店が気になっているので」
「わかりました。それでは私はミケを見つけたらすぐに南区に行きます」
「了解しました」
私はと振り返って走り始める。
ミケは今日確か武器を持っていない。
魔術師もできるミケだけどこの崩壊具合はかなりの時間が経っていると予想できる。
そう考えると早く行かないと!
それに狼の獣人の娘もいるんだ。
二人で生き延びるとなるとその分魔力消費も激しくなるはず!
「おーい、ミケどこ?どこにいるの?」
周りに呼びかけても聞こえる音は何かが燃える音。
……この音。
普段の私なら絶対に聴こえない音。
何かを弾く音がする。
「北の方角からする」
これはミケたちの可能性がある。
よし、いざ行かん。
敵たる魔王軍を蹂躙してやろうではないか!
我がエクスカリバーの前ではどんな敵も無力。
そういえばクロが言ってたエクスカリバーの本来の力って何だろう。
なに、いざという時に覚醒するタイプかな!
さっきの賭けで私ってアイツに勝ったんだよね。
ということはアイツに剣技と一緒にエクスカリバー本来の力を教えてもらうことって可能だよね、いや聞き出す。
よし、決めた。
この案件とダンジョンの案件が片付いたらアイツを拷問してでも全て吐かせる。
そしてココくんに私が頼れる女の子だと証明して色々教えてあげるんだ。
そうすれば夜這いにだって来てくれるようになるはず!
次回予告
あれ、って思った方。
いるだろう。
どうしてわかるかって?
だって矛盾してるようなことを書いているからだ。
うんうん、わかるよ。
ペルさんが二人いるってことだろ。
それはだな。
片方偽物なんだよ。
勘のいい人ならわかるよね。
次回もお楽しみに!(あれ、これって次回予告?)
作者より
ついに私にVR時代が来たのです!
Twitterにて私の立ち絵とVRバージョンの姿が出来ました!
なので猫愛好家がVRMMOに猫を連れてきました!でもやっているようにお絵描きイベントを行います!
というちょっとした宣伝……
これからも小説を一生懸命書くのでよろしくお願いします!
あ、ちなみにこれが私の立ち絵です。
露音さんに描いていただきました。
VRモデルも露音さんに作っていただきました!