#132ダンジョンマスターは暗黒騎士団のアロイトという方だった。
僕とポットとミカンは大きな扉の前に立っていた。
開けずとも扉の先に強い何かがいるのを感じさせるような大きくて不気味な扉…………
「では作戦通り行きますよ。僕が接近戦で相手を足止めするのでポットとミカンは僕の援護をお願いします」
「「了解!」」
「もしミカンが狙われた場合、私が守れば良いんだよね」
「うん。けど無理はしないでください」
「大丈夫」
敵が何であれ魔術師の僕の短剣技の力では限界がある。
だから二人は基本的に弓と回復の援護。
戦闘を長時間の戦闘になれば必ず回復をするミカンを狙ってくるだろう。
ミカンが狙われた場合はポットも短剣で応戦。
そして距離を再びとって僕がまた仕掛ける。
これを繰り返していれば相手をきっと倒せるだろう。
「扉……開けますよ」
「はい、開けてください」
「いくぞ〜」
ギィーーーーーー………
不気味な音とともに扉が開いていく。
扉の隙間から見る限り中は明るい。
何故かここだけさっきの迷路とは違ってすごく綺麗だ。
床には奥まで続くレッドカーペット。
レッドカーペットを目で追っていくと奥には黄金に輝く玉座とその玉座に強そうな黒い鎧を着込んだ人が座っている。
あれがこのダンジョンのダンジョンマスターだろう。
装備は黒い鎧と黒い大剣。
あんな大きな大剣で攻撃されたら僕の短剣がすぐにポキッて言って折れてしまいそうだ。
回避を重視してなるべく大剣と短剣の接触を最小限で戦わなければ………
見た目からして明らかな近接戦闘型。
遠距離攻撃や飛び道具ではダメージを与えられない気がする。
けど一つ確かにわかることがある。
…………あのダンジョンマスターからとてつもない威圧感と禍々しいオーラを感じる。
「ココくんいくよ」
「うん」
ここに玉座とダンジョンマスターがいるからと言ってトラップがない保証はない。
周囲を警戒しながら僕たちはレッドカーペットの上を歩いて黄金に輝く玉座に向かって歩いていく。
このレッドカーペットも場合によってはすぐに僕らを落とせるような仕掛けになっているかもしれない。
けど逆にレッドカーペット以外のところを踏んでも何か仕掛けが発動するかもしれない。
だから下手に動けない。
それに顔が見えないからどこを見ているのかわからない。
顔色が見えないからすごい怖い。
それに近づいて行くとすごい禍々しさが増えている?増している気がする。
「よく来たな冒険者。我がここのダンジョンのダンジョンマスターにして暗黒騎士団団長アロイトだ。貴様らは何者だ?」
「僕はココ……」
「私はポット」
「私はミカンだよ」
名前を聞いている間にトラップを発動させようとしているのか?
もし変な感じがしたらすぐに二人を安全なところに移動させないと……
「そうか……クロという人族の少年はどうした?」
「クロ?」
なんでクロさんの名前が今出てくるんだろう。
もしかして知り合い?
いや、そんなはずがない。
ここはペルさんの世界。
クロさんの知り合いが入って来れるわけがない。
というかまず知り合いじゃない?
知り合いだったら「クロはどうした?」って感じだろうけど「クロという人族の少年はどうした?」なんていう聞き方はしないはず………
「ああ、あの剣士はまだ来ていないのか?」
「クロさんがどうかしたんですか?」
「そんなこと貴様が知る必要はない。さぁ、殺し合いを始めようではないか?」
そう言ってアロイトは黒い大剣の柄を力強く握る。
「ココくん」
「うん!」
「わかってる。作戦通り行くよ」
僕は短剣を構えた。
わかってるよな、ココ。
どれだけ時間がかかっても倒せれば良いんだ。
「アロイト、お前を倒す!」
「いい威勢だ。それでこそ冒険者だ。いざ、尋常に参る!」
次回予告
次回ココくんがダンジョンマスターアロイトと対決!
ココくんの短剣技と魔術はダンジョンマスターに通じるのか?
作者より
作者の小雪です。
学校が始まってやっと落ち着いた……
色々ありすぎて夏休みが地獄に感じた。
海外旅行とか行ってた人いいなぁ……羨ましいなぁ……
あ、で今回の報告は私の山田小雪のTwitterアカウントにてポットやミカン、クロさんシロさんのラフ画をセギイさんに描いて頂いたので載せました。
立ち絵が届き次第キャラクター紹介ページに掲載するのでお楽しみに!
詳しいことはTwitterに大体載ってるので見に来て頂けると嬉しいです(フォローもしてもらいたい……)
Twitterでは告知とか報告とか最近の私が興味のあることとかが見れるよ(そこからこれから起きるイベントが予想できるかも……)
DMなんかも気軽にOKだよ!
お絵かきイベントもまだまだやってるから参加してほしい…………
なんか伝えたいことを伝えたのにこんなに長文にしてしまった…………
では、猫愛好家がVRMMOに猫を連れて来ました!をこれからもよろしくお願いします。