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#131ココくんの決断

「ココくん、あっち……」

「あっちに何かあるんですか?」

 僕は目を凝らしてみてみる。

 凝らしても黒くてよく見えない。

「あっちから鎧の音がする。向こうに鎧を着ている誰かがいるみたい」

「鎧を着てる誰か?」

 僕たちのパーティに鎧を着ている人はいないから敵だ。

 それに鎧を着ているってことは騎士?剣士とかかな。

 敵が騎士じゃ僕とポットとミカンだと近接戦闘にかけるから勝てない。

「それに向こうの方はここより通路の幅が大きい気がする」

「ココくん、どうする?」

「私は正体を確かめた方が良いと思う!ココくんとポットはどう思う?」

「私は向こうは避けた方がいいと思う」

 ポットは静かに言う。

「僕も向こうは避けた方が良いと思います」

「けど向こうにダンジョンコア?があるかもしれないよ」

 確かに……

 鎧を装備しているってことは強くてダンジョンコアを守る敵かもしれない………

「だとしても私たちだけじゃ勝てないよ。そんなに強い敵だったら全員いないと危ないです」

 確かに危ないけど向こうにいるのがダンジョンマスターだとしたら……倒せばダンジョンコアが活動を停止してダンジョンのマップが取得できる。

 けど危なすぎる。

 ペルさんが僕と二人を合流させるためにしてくれたんだ。

 二人を危険な目に合わせるわけにはいかない。

「ココくん、あれ………」

 ミカンが僕の後ろを指差す。

 これ……後ろを振り返ったらギャーって感じでお化けか何か来ないよね。

「あ………」

 ポットは後ろを見て唖然としていた。

 え、一体何が……あ………

「通路がなくなってる……」

 唖然とするしかなかった。

「え、私たちが通ってきた道はどこに行ったの?」

 ポットが言葉を発した。

 考えられることは一つ。

 ダンジョンの構造がまた変わったということだ。

 一体どういう仕組みで変わっているんだ?

 ペルさんはモンスターを倒すたびにダンジョンの構造が変わると言っていた。

 けど今僕たちはダンジョンのモンスターを倒していない。

 ということはペルさんの理由は違う。

 じゃあ何が原因でダンジョンの構造が変わっているんだ?

 もしかしてダンジョンの壁に感知センサーが仕込まれててダンジョンマスターの任意の位置で地形を変更できるのか?

 だけどそれなら今頃通路で幽閉されているはず……

「ココくん、どうしよう?」

 ミカンが心配そうな顔をしていた。

「そ、そんな大丈夫だよ。きっとクロさんが助けに来てくれるよ」

「そ、そうだね」

「けど一方通行じゃ助けに来てもらえないよ………」

 確かに……ポットの言う通りだ。

 一方方向で向こうに強敵がいるかもしれないのにクロさんが一人で僕たちを助けに来れるわけがない。

 ペルさんはトラップにかかってどこにいるのかわからないし。

 雪姉さんはどこにいるのかもわからないし、戦闘能力も皆無だし。

 それにもしこれがダンジョンマスターが任意で僕たちを追い詰めているんだとしたら……絶対に僕たちの元に辿り着けないようにしているはずだ。

 こんな高度なダンジョンを操っているダンジョンマスターだ。

 絶対に僕とポットとミカンが協力して勝てるレベルじゃない。

「ココくん?」

「はい、どうしましたか?」

 ポットが僕の名前を呼ぶ。

「この先の様子を少しだけ見に行ってみない?相手が相手だったら私たちだけでも勝てるかもしれないし……」

「けどこんな高度なダンジョンにいるダンジョンマスターですよ。僕たちじゃきっと勝てませんよ」

「だけどここで立ち止まってても相手は次の手を打ってくると思う。だったら当たって砕けてみても良いと思う」

「いや、砕けちゃダメですよ」

 ん………

 確かに次の手を打たないと相手から攻撃されても防御に徹しても数分も持たないだろう。

「大丈夫だよ。砕けたら私が回復してあげるから。回復は任せて!」

 ミカンが杖をクルクル回しながら言う。

「ココくん、私たちで倒そうダンジョンマスターを!」

「私たちでこのダンジョンを終わらせてみんなと合流しましょう」

 二人がこう言ってるなら……

「わかりました。僕たちでやりましょう!」

「「うん」」

次回予告

次回ココくんとポットとミカンの一行はダンジョンマスターである鎧騎士と戦闘になる。

ココくん達はダンジョンマスターに勝てるのか!

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