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#128手あっつ!

 ガチャン………がしゃ……がしゃん………

 鎧騎士の首と胴体が音を立てて地面に落ちる。

 私はエクスカリバーを鞘に収めてクロの方に振り返る。

 そして笑顔でこう言い放ってやるのであった。

「クロ、この賭け私の勝ちだね」

 それにダンジョンの仕組みによればダンジョンマスターが死ねば、ダンジョンコアの活動が停止する。

 よし、メイリアス救うぞ!

「ああ、お前の勝ちだな。ココたちが俺らを救出するのが早い訳でもなく、死ぬのが早いわけでもないな……最初っからこれを狙ってたのか?」

「まぁ…ね」

 私は天才ですから!

「そうか。それ以外って言った時点で何か企んでると思ったけどな……それよりその鎧騎士は上級スライムだからまだ死んでないぞ」

 え、上級スライム?

 スライムって何?

 あのエッチな同人誌とかで女の子を触手で襲う液体状生命体!

 ちょっと待って!

 こんな薄暗いところだと容赦なく犯されるじゃん。

「よくも……よくも……我の首を跳ねてくれたなぁ………」

 ま、まぁそうなるよね。

 そりゃあ鎧騎士に変身してて、相手から思いっきり首を跳ねられたら怒るよね。

 スライムに首があるのかは知らないけど。

 だがこういう時こそ冷静に……

 まず距離をとろう。

 私はスライムの方を見ながら距離をとる。

 えっと……スライムでしょ。

 スライムは多くのアニメで核を潰されれば死ぬ設定だよね。

 つまり私の背後にいるスライムの核を一瞬で潰せばいい。

 私のスキルの中で一瞬で潰せるスキルはない。

「おい、さっさとスライムの核を貫け!」

 出来たらしてるよ!

 いや、スライムって液体だよね。

 液体ってことは水の状態変化の方式が成り立つはず……

 液体を変化させるには温度を上げるか、または下げることが必要になる。

 スライムって湿気の多そうなジメジメしたところにいる雰囲気があるから温度を下げちゃダメだ。

 温度を上げて蒸発させることができるスキル…………

 火炎魔術だ!

 火炎魔術で火炙りにしてやろうではないか。

「お前は俺がめちゃくちゃにしてやる。このダンジョンでスライムを増やすための女にしてやる」

 うわー

 めっちゃ変態だ……このスライム。

「私はお前如きに倒されないよ」

「いや、お前は俺の奴隷になる!一生スライムを増やすための道具にしてやる」

 そんなことになるわけにはいかない!

 だって私にはココくんがいるもん!

「お前のような汚物は死を持って償ってもらおう」

「何を償えというのだ?」

 スライムは不敵な笑みを浮かべて言う。

「私に対する愚弄とダンジョンにいる私の仲間を分断した罪、そう軽いものではないぞ」

 私は火炎魔術で使用可能な術の中から発動方法を確認する。

 よし、条件は満たしている。

 これは勝った。

 おそらくこのスライムは私が行動を起こそうとすれば即拘束しようと触手をうねらせてくるだろう。

 必ず拘束するには私に接触して来ようとするだろう。

 それを火炎魔術の『ファイアーウォール』で溶かす!

 まず私を攻撃させるために煽ろう。

「まぁ、私は慈悲深い。お前が私たちから手を引くのであれば命だけは見逃してやろう……」

「お前……俺を舐めてるのか!」

 スライムは私の方へ職種を一斉に伸ばしてくる。

 よし、煽り作戦成功。

 いける!

 スライムが私に接触する寸前で使う。

 もう少し……もう少し……来た!

「このタイミングだ。火炎魔術ファイアーウォール!」

 シュ〜〜

 私に触れようとしていたスライムの触手が炎の壁によって溶けていく。

「か、火炎魔術!貴様、剣士ではないのか?」

「私は一言も剣士だなんて言ってないよ」

 ファイアーウォールが消失するとスライムの触手からは白い煙が立っていた。

 それに……スライムが少し小さくなってる気がする。

 あ、そうか!

 スライムは触手を遠くに伸ばす時、自分の核を覆っている液体を触手に回しているんだ。

 だからスライムの触手の大半の液体が蒸発したから小さくなったんだ!

 よし、そうと分かれば……

「私の勧告を聞かなかったお前が悪いんだから………」

「お前……」

 私は右手の手のひらをスライムに向ける。

「お前、何をするつもりだ!」

「火炎魔術、火炎放射かえんほうしゃ!」

 私は手のひらに魔力を集中させる。

 すると手のひらから火炎が放出される。

 あっつ!

 火炎放射って何?

 使用者の手のひらって熱くなるの!

 というか熱い!

 なにこのデメリットの方が大きい魔術は……

 使用者が火傷しちゃうじゃん!

「お前、火を…火を止めろ……」

 私も止めたいよ。

 けどね、今止めたら絶対に即拘束してくる。

 だから止めるわけにはいかない!

 もっと火炎の温度が上がれば、すぐに蒸発するはず!

 私は手のひらに魔力をさらに集中させる。

 手のひらから放出される火炎がさらに巨大になる。

「お前ー……」

「よし、いっけえーーーーーーーーーーー」

次回予告

スライムを倒した私はクロを救ってメイリアスを救いに行く!

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