#127いつ首スッパリしよう……
「貴様の体力はもう底を尽きそうなんじゃないのか?」
「どうだろうな?もう俺は眠いんだが……」
二人とも会話してる…会話してる。
「それにしても獣人の小娘はどこに行ったんだか……貴様はどこに行ったか知らんか?」
「知らねぇよ。あのバカ、勝手に死にやがって!」
死んでないし!
勝手に人を殺さないでよ。
「貴様のような強者とともに旅をする少女であれば強くて当たり前だと思うんだが……」
そういうのって当たり前なの?
「いや、あいつはそんな強くないだろ。エクスカリバー持ってるけどエクスカリバー本来の力を引き出せてる感じもないしな」
何それ……
エクスカリバーの本来の力って何?
超気になるんだけど!
「過去に我ら魔神族を切り飛ばした忌まわしき聖なる剣か。確かにダンジョンのアイテムセンサーでは聖遺物と判定されていたな」
聖剣エクスカリバーって聖遺物なんだ……
というか聖遺物って何だろう?
「ん?お前、あの剣知ってるのか?」
「貴様に話す必要性はないだろう」
「良いだろ!俺もうそろ死ぬし……何なら酒ぐらいならくれてやるぞ」
酒って二十歳までは飲んじゃダメなんだよ!
「酒か?人族の酒では酔えん」
「酔うためじゃねぇよ」
じゃあ毒を盛るためだな!
クロ、貴様意外と黒いではないか。
いや、意外じゃないや。
服装から心の底まで真っ黒だ!
「じゃあ何のためだ?毒を盛るためか?」
「いや、試しだよ。試し。それにお前ら魔神族には基本的にありとあらゆる耐性があるんだろ。攻撃耐性、火炎耐性、凍結耐性、即死耐性、そして毒耐性。耐性が沢山あんだろ」
魔神族ってだけで沢山の耐性持ってるの!
ズルイ……
私も耐性欲しい!
耐性って後天的に取得出来そう!
そう考えるとスキルにあるのかな?
「まぁ…な。だが貴様の知識には間違いがある」
「間違い?一体どこにある?」
「魔神族にも多種族同様、位が存在する」
まぁ、よくあるやつね……
「大きく分けて4つ存在する」
四つ…………
「下位、中位、上位、最上位が存在する」
すごいよくありそうな階級だ。
「魔神族にはありとあらゆる耐性が備わっている」
「それは俺が言ったことだろ」
「だが耐性を持っているのは上位から上だ。下位の魔神と中位の魔神如きには耐性など備わっていない」
「なるほど……じゃあこの前ぶっ潰したのは上位魔神か………」
「貴様は我ら魔神族と戦ったことがあるのか?」
「まぁな」
今思った。
いつ首飛ばしに行こう。
タイミングが全く掴めないんだが………
これはどのタイミングで行くべき?
今、今行ってしまおうか?
けどバレる可能性あるなぁ……
あの鎧騎士。
鎧被ってるせいで顔が見えないからどこが見えるのかわからん!
「あの時は魔神族が数万……数億……いや、数兆だったか?俺の剣で魔神族の大軍をぶっ飛ばしまくったな〜」
「そうだったのか……」
「聞きたいか?」
聞かんで良いだろ……
「いや、所詮は人……」
「よし、聞きたいか。そうかそうか……」
今何か言いかけてたけど……
「あの時は魔神族の軍勢がたくさんいてだな……空は血のように真っ赤に染まり、大地には亀裂が入り、底なしの谷ができた。度重なる戦争でこっちの軍はもはや戦意損失している奴らが多かった」
なんかクロの回想入った!
いや、けどこれ話が長いタイプじゃないの?
なんか勝手に回想に入って話がすごい長いみたいな感じ。
まぁ、相手がクロの話に集中している時に躊躇なく首落としに行けばいいか!
「どこを見ても魔神の大群だった。皆、身体は魔神族の黒い血や自分の血、仲間の返り血で赤黒くなっていた。魔神族は切っても切っても現れやがってほんと厄介だったぜ」
あ、意外と話短い。
これは切りに行くか?
というかこうやってずっと耳と尻尾動かさないでいるの辛いんだけど!
よし、殺ろう。
一歩ずつ……ゆっくりと背後によってやればいける!
後ろ……振り向くなよ!
「そうか……貴様に殺された魔神族は…………」
スパーン!
気持ちのいい音とともに鎧騎士の鎧兜が宙を舞う。
よし、飛んだ!
「な……なに…者だ…………我の首を跳ねた者は………………」
こやつ、首を跳ねられても名を問うとは……
相当な生命力を感じさせる。
「我の名はペル。貴様を葬った獣人の名だ!」
やったね。
ゲーム始まってからやっとカッコ良さげなこと出来た!
これでダンジョンボス討伐完了だ。
それにクロとの賭けにも勝ったことになる。
一石二鳥ですごい良い感じじゃん!
次回予告
さてクロをさっさと救って、メイリアス救うぞ!
そういえば雪さんは大丈夫かな………
小説を……小説を……書く時間が少ないぞ〜
こんな忙しいと猫の手も借りたくなる( ;∀;)
By小雪より(( _ _ ))..zzzZZ