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#121薄暗い牢獄

私は思う。

何故こうなってしまったのかと……

「いや、さ…誰もさ…予想なんてしてないよ。突然ダンジョンの床が落とし穴みたいにパカって開くだなんて……落とすなら踏んだ瞬間ドンって落とせよ!」

ココくんは壁に空いた穴を通ってポットとミカンと合流できた。

それは良しとしよう、うん。

けど何でよ!

なんで私が剣を鞘に収めて、足を踏み出した瞬間。

なんの予兆もなく、私の足元が開いたんだよ!

「このダンジョン作ったクソは誰じゃ!私とココくんのダンジョン攻略がぁ〜」

絶対ダンジョンマスターの首を跳ね飛ばす。

覚悟しておくが良い、ダンジョンマスターよ!

確かダンジョンはダンジョンマスターの討伐及びダンジョンコアの破壊によって機能が停止する。

まぁ、普通に下の階層的なのに落とされたのなら、また上の階層に戻ればココくんに会えるという見込みがある。

けどさ……

「落とし穴の真下が牢獄だとは……」

「誰か〜誰かいませんか〜いたら返事してくださ〜い」

「ああ、誰が落ちて来たかと思ったらペルか」

この声は……まさか!

「そ、その声は……」

「あ、俺だよ、俺」

ダンジョン内でオレオレ詐欺されてる私。

「クロさんで良いんですよね」

「ああ、俺だよ」

「クロさんはいつからここにいたんですか?‬」

「お前が落ちてくる10分ぐらい前だな」

「そうなんですか。それでどこの檻の中にいるんですか?‬」

「知るかよ!こんな真っ暗なとこじゃ、牢獄にいるって分かるのが精一杯だろ」

え、この部屋ってそんなに暗いかな?‬

ちょっと薄暗いくらいだと思うんだけど……

「じゃあちょっと待っててください」

「は、一体何するつもりだよ」

私は牢獄の檻から周りの牢獄を見る。

あ、目の前の牢獄に普通にいた。

「クロさんは私の目の前の檻にいますね」

「……いや、俺に確認取られてもわかるわけないだろ」

私とクロさんの視界は少し違うかな。

クロさんは普通の人間。

私は……獣人だ。

そうだよ、私がちょっと見えるのは猫の夜目が発動しているからなんだ。

「とりあえずここから脱出しましょう!」

「出来たらもうやってる。ここの牢獄はこの檻の中にいる生物のHPとMPを吸収されるんだ」

うわ……何その厄介なシステム。

じゃあ早い事この檻から脱出しないと!

「じゃあ早く脱出しましょう」

「無理だ!あいつがスキルを使いまくったせいで魔力がもうほとんどない。それにこの牢獄の檻は最近できたからか全く腐食してねぇ。だからヤスリとかを使っても壊せねぇよ」

「じゃあ剣を使って壊したら良いと思います」

「なんと驚き。この檻の金属は魔導金属らしい。ダンジョンの壁の3倍ぐらいの耐久力があるから無理だ」

「そんな……」

なんで檻の金属にそんな耐久力があるんだよ。

「じゃあどうしますか?‬」

「どうするも何もこのまま助けが来るのを待つしかないな。まぁ、あいつらが助けに来るのが早いか、この檻にHPとMPを吸われて死ぬのが先か……ペルはどっちにかける?‬」

いや、どっちにもかけないよ。

だって私ここで死ぬ気ないし。

私は無事に脱出してココくんとダンジョン攻略するんだ!

「それ勝ったら何かあるんですか?‬」

「……じゃあ何か賭けるか?‬ペルが当てたら何かくれてやるもんなんかあるかな……何か欲しいものとかある?‬」

欲しいもの……特にない。

けど戦闘技術が欲しいかも。

リックンが言ってたけど、クロさんってかなり剣技が強いらしい。

「じゃあ色々な戦闘技術教えてよ」

「色々な戦闘技術?‬フフフ……」

なんか笑われたんだけど。

要求するものおかしいかな。

なんかこう……レアアイテムとかの方が良かったかな。

「おかしい?‬」

「おかしい。けど面白いよ。欲しいものを賭けるのに戦闘技術を教えてもらうことを要求するなんて……考えてなかった。やっぱ今日会った時から思ったけど、ペルは面白いやつだよな」

「何それ、褒められてるの?‬」

「褒めてるよ、褒めてる。普通の女とは違ってメリハリがあって俺は良いと思うぞ」

そういうことはココくんから言われたいな〜

「まぁ、ペルは戦闘技術を要求するか。それに等価なものはあるかな……」

戦闘技術の価値がどれくらいなのかわからないから等価値なものなんてない気がする。

「じゃあペルの初めてを要求する」

「ちょっと待って!」

なんか戦闘技術と私の初めてが等価値にされてるんだけど!

「それはダメでしょ!」

「いや、等価値なもの考えたら……ペルの初めてが出て来たから」

おかしいでしょ……

「まぁ、現実のを要求しているわけじゃないんだ。ゲーム内のを要求してるんだよ」

それは良かった……訳ではない。

「ゲーム内の私の初めてはココくんにあげるって心に誓ってるの!」

「ほほぅ……貴様、ショタコンか!」

なんかちゃんと言われるとショタコンって少し恥ずかしい。

「べ、別に良いでしょ。そんなこと言ったらクロはシスコン……いや、ロリコンなんじゃないの!」

「んなわけないだろ!この俺様がロリコンとかいう低次元のクズじゃないんだよ」

ロリコンが低次元のクズにされた。

いや、ショタコン同様に立派な好みだと思うよ。

「じゃあ何なの?‬」

「俺は一般男子高校生だ!」

「年下好きの?‬」

「違うわ!冗談で提案したけど賭けに勝ったらマジで初めて奪ってやるよ!」

今一瞬引き下がっとけばよかった、って思った。

けどね、私は一瞬でこの賭け(ゲーム)に確定で勝利できる成功法を見出した。

「わかった。私が負けたら私の初めてあげるよ!けど私が勝ったらクロの全戦闘技術を私に伝授して!」

「そうか、服を脱ぐ準備はできてるな!」

次回予告

私とクロさんの賭けはどうなってしまうのだろうか?

というかなんでクロは私が初めてだとわかったんだ!

もしかしてそういう目で見てるのかな……

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