#120私は壁に向かってエクスカリバーを放つ!
私は壁の前で剣をダンジョンの天井に向けて掲げる。
すると周囲から光る謎の物体が剣に吸収されていく。
この光る物体って実際なんだろう……
「ペルさん、その光ってるのって魔力ですか?」
「魔力?わからない。けどスキルのチャージ時間の経過を知らせてくれるものって思ってれば良いと思う。これがまばゆい光を放ち出したら撃ってオッケー!って感じ」
「多分それ魔力ですよ。空気中に漂う微弱な魔力を吸収してるんですよ」
「こ、ココくん!」
あれ、ポットどうしたんだろう。
「ポット、どうかしたんですか?」
「私たちの足元から光り輝く粒がいっぱい出て来ました!な、なんですかこれ!」
「すごい綺麗だね」
「ミカンは何を気楽なことを言っているんですか!トラップだったらどうするんですか!」
あ、ポットがすごいテンパってる。
なんかいつも大人しい人がすごい焦ってたりテンパってたりすると面白いよね。
「安心して、多分私の剣のせいだから」
「ペルさん、この光は何ですか!ペルさんの剣のせいって一体何をしているんですか!」
何ですか!って言われても私にもわからんよ。
「きっと魔力だと思います。僕たちには多分、無害だと思います!」
ココくん、ナイスアシスト!
「ココくん、本当?」
「本当です!穴が空いたらすぐそっちに行くので落ち着いてください……」
「……………ココくん、言いたいことがあるんだけど……良い?」
「はい、急に改まってどうしたんですか?」
「あのね、ココくん」
「はい」
あれ、こういう時に急に改まったりする時ってなんかラブコメでいうヒロインが主人公になんか言おうとするタイミングなんじゃない?
ということはこれは今後、ココくんと私のラブコメルートを大きく歪める危険性がある。
「ココくんはやっぱり…………………」
急に声が小さくなった!
絶対疾しいことか、恋愛だって。
あ、エクスカリバーがいい感じにチャージし終わってる。
よし、このエクスカリバーとともにこの壁とこの話に終止符を打ってやろうではないか!
「すみません、上手く聞き取れませんでした。もう一回言ってもらってもいいですか?」
「うん。ココくんはやっぱり……」
「ココくん、チャージ終わったよ!いつでも放出できるよ!」
「あ、はい。わかりました。二人とも壁から離れてください!」
「え、あ………」
「了解!ココくんも気をつけてね!」
計画通り。
これでココくんと私のラブコメには害がない!
「はい、わかりました!ポット、話は後で聞きますね」
「うん」
……流石、ココくん。
私が会話を途中妨害しようとも会話を最後まで聞くその姿勢。
小学生なのか、この子は。
これは付き合ったら優しく話を聞いてくれそうだ!
こんな幼くて礼儀正しい優良物件はそういないぞ。
雪さんがブラコンになってしまうのもわかるなぁ……
「それじゃあココくん、前方に撃つよ!」
「はい、二人は衝撃に備えて!」
「わかりました!」
「了解だよ!」
「いくよ、聖剣エクスカリバー!」
私はエクスカリバーを勢いよく地面に向かって振り下ろす。
するとさっきまで吸収した魔力?的な何かをエクスカリバーは一気に放出する。
おお、久しぶりにやったけどすごい圧力が来る。
これ撃ってる時って自分に向かってすごい風圧が来るんだよね。
呼吸がしづらくて苦しい……
「ココくん、か、壁はどうなってる?」
「か、かく、確認します!」
あ、周りにも風圧が発生してるからココくんもちょっと離れてもらった方が良かったかな。
「壁を……ペルさん、壁に小さな穴が空きました!火力を少し弱めてください!」
「オッケー!」
このまま火力を少し弱めて壁を貫通だ!
というかエクスカリバーで壁に穴が空くなら、通りたいところドンドン空けていけばいずれは外にも出れるんじゃない?
そういえばここにいる4人以外の雪さんとクロさんとリックンはどうなってるんだろう。
クロさんとリックンはなんか戦闘慣れしてそうだし死ぬことはないだろう、きっと。
けど雪さんは戦闘慣れしている雰囲気ないからなぁ……
ここのダンジョンの通路の高さは3メートルぐらい。
雪さんの切り札?なのかわからないけどクトゥルフは出せないし、グリフォンはダンジョン内じゃ使えないだろうし……
あれ、雪さん詰んでない?
ビーストティマーってなんか軽装備で使い魔と連携をとるイメージがある。
けど雪さんは支持しか出してない。
武器とか何も装備してない。
いや、使い魔を相当信頼しているのかもしれないけど丸腰は流石に危ないと思う。
それに今の雪さん水着姿であろう。
あの露出の多い水着姿でダンジョン探索はオスに遭遇した時点で終わりだと思う。
オスの敵対生物に接触したら最期だろう。
きっと発見された頃には、ドロドロの液体塗れですごいエッチなことをされた後だろう。
けどこのダンジョンは運良く敵との接触率が低い。
だから雪さんも敵と遭遇してないと良いんだけど……
「ペルさん、もうすぐ貫通します!」
「了解!」
作者より
120部目投稿しました!
そして私は思った。
部数が多すぎて読みづらいのでは?と。
ということで合間時間で読みやすいように改変しようと思います!
今年中には実行するので気長に待ってくれると嬉しいです。