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#10ミヨーンというお魚

私情により投稿できなくてすみませんでした。

「ペルちゃんこのお魚美味しいよ!」

 ミケは笑顔で食べている。今食べているのは人食い魚のミヨーンという魚を食べている。ミヨーンはメイリアス海で捕れる魚でミョーンと鳴くらしい。ここ以外の海ではあまり釣れないらしい。見た目は丸くて柔らかい、そして尾びれが長い謎のブスカワ系の魚…目が怖い

「本当…」

 私は顔を曇らせながら食べる…骨は無さそうだけど食べたくない。

「お、美味しい…」

「でしょ!」

 ミケは元気に言う。


 私たちはあの後海の街を見つけた。しかし内陸側には石の壁5メートルの高い壁に阻まれていた。

「ミケ外壁の外側…あの草むらの中に降りて」

「了解!」

 ミケは高度を落として、そっと草むらに降りた。乗ったまま空を飛んで中に入ることは出来ただろうけど騒ぎになる騒ぎになる恐れがあるため近くの草むらに降りて、変身を解いてから入ることにした。

「ミケ変身を解いて」

「わかった!」

 ミケは変身を発動させるためスキルを使用した。ドラゴンの姿のミケが輝きながら徐々に体が小さくなっていく。そしてしばらくすると元の姿に戻っていた…

「ミケ…人の姿に戻れてないわよ」

「あれなんでだろう。元の姿に戻ろうとしたのに…」

 本来の姿は猫だから猫になっちゃったのかな…

「まあいっか。とりあえずご飯!ご飯食べに行こ!」

「それでいいの…」

「僕は実際猫だからそこまで気にしないよ」

 ミケが気にしないなら大丈夫かな。

 私はミケを抱いて、街の入り口に向かった。街の入り口では関所のようなものが設けられていて、入場審査を受けた。ミケは今、猫のため特に何も聞かれなかったが私は『どこから来たのか?』、『職業は何なのか』を聞かれた。職業を聞かれてもわからなかったから学生って答えちゃったけどいいのかな…

 入場審査で結構時間かかっちゃった…

 入場料は3日間で500ゴールドだった。ミケは猫のためお金はかからなかった。

 いや、別にわ、私たちは知らなかったからね。そんな不正侵入なんて目論んでないからね。

「ペルちゃん時間かかったね」

「うん。ミケ服屋さん行くよ!」

「うん!」

 私はミケを抱きながら服屋さんに走って向かった。今の時間は10時…閉まっているかな。けど下着着ないと恥ずかしい…


 結局、服屋さんは閉まっていた。着いた頃には店仕舞いをしていた。間に合わなかった…

「下着が欲しい…」

 私が肩を落としていると腕からミケの小さなお腹の音が聞こえた。

「僕はお腹が空いた」

「じゃあ晩御飯食べに行こっか」

「うん!」

 こうして今に至ってる…

 今は屋台でミヨーンの丸焼きを食べていた。ミヨーンの丸焼きは1個100ゴールドとお手軽な金額で良かった。高かったらミケがお金使い切っちゃいそうだから。ミヨーン自体は結構美味しかった…見た目は見慣れなくて食欲湧かないけど。屋台にはミョーンとぶどう酒が置いてあった。流石に20歳じゃないからお酒はダメだと思って飲まなかった。この世界では飲んでも問題ないらしいが…私は魚にかぶりついているミケに聞く。

「これからどうする?」

「どうしようか?」

 私はミケにある提案をする

「1回ログアウトしてわからないアイテムとかスキルとかを調べようか」

 わからないアイテムというのは『世界の所有権』だ。世界の所有権は使い方がわからないから使えるようにしておきたい。

「うん。それでも良いよ」

「じゃあ今度入るのは2時間15分後ぐらいに入ろうか」

「わかった…けどなんでそんなに時間を空けるの?」

「学校の入学してすぐにあるテストの対策とお母さんに連絡。きっとお母さん心配してると思うから」

「了解。じゃあ向こうに戻ったら、僕寝てるから入る時に起こして」

「わかった」

 私たちは屋台から離れて、人気のない路地でワールドホリゾンの世界からログアウトした。


 意識が覚醒すると私は棚から一冊のプリント集を取り出す。このプリント集は最初の高校のテスト対策のため中学校3年生の時の担任真山先生が私に作ってくれたオリジナル問題集。真山先生は進学する生徒たちの苦手な問題などを分析して問題集を渡すときに

「解けるようになってもらいたい」

 と言って渡していた。

 だから私の苦手なところから得意なところまで丁寧な解説が付いている…

 真山先生は元々高校の先生だった。私の通っていた学校では退職する先生がたくさんいて、教師経験のある人向けに応募をかけて入ってきた27歳の女性の先生。真山先生は小中高の教員免許を持っていて、全教科教えられる先生だった。

『真山先生が今の私を見たら、なんて言うんだろう…』

 私は国語の古文の問題を解きながら考えていた。

 真山先生の離任式に行けなかったな…

 進学した高校の説明会とかぶってしまって行けなかった。私は真山先生にその事を伝えると笑顔で真山先生は言う。

「大丈夫。またすぐに会えるから」

 私はその言葉に嬉しい反面悲しくて目の前で泣いていた。「またすぐに会える」と思うと嬉しい。けれど会えるわけがないと思うと悲しい…真山先生のおかげで高校に合格した。最初頭の悪かった私にわかりやすく教えてくれた。真山先生がいなかったら私は今ここにはいなかっただろう。私は頬を手で引っ張って

「よし。頑張るぞ!」

 私は気合を入れて古文の問題を解いていった。ミケはゴミ箱の中で寝ていた。

VRMMOあるある➈

よくわからない名前の武器やモンスターがいる

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