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#107僕は変態症に感染してしまったようだ

「…………こ……こ………ここ……ココク……ココくん………」

 暗闇の中、誰かが僕の名前を呼んでいる………

 誰が呼んでるんだろう?

「ココくん……ココくん………ココくん……」

 この声は……ペルさん………

 視界が徐々に景色を取り戻していく。

 赤々とした山肌からマグマが噴き出ているのがわかる。

 そして……水着のペルさん………

 アレ?

 水着のペルさん?

「あ、ココくんの意識が回復したよ!」

 ミカンの声が火山に響く。

 僕は声の方に首を向けた。

 ピンクとシロの花柄のビキニ……水着を着たミカンがいた。

「え、なんで水着?って思ったでしょ、ココくん。少し恥ずかしいけど……すごい可愛いでしょ!」

 ミカンが頬を赤く染めていた。

 いや、これはきっと夢だ。

 そうだ、きっとこれは夢なんだ。

 ペルさんの変態症が僕に感染したんだ……きっと………

 僕はゆっくりと立ち上がりながら言った。

「そうだ。これは夢なんだ」

「いや、夢じゃないよ〜」

 こ、この声は……

 僕は後ろを振り返る。

「そう!元気一杯、雪さんなのです!」

 そこにはサイズが合ってない水着のためか溢れ出そうな大きな胸。

 腰に巻かれた花柄のパレオがおしゃれな水着を着た雪姉さんがいた。

 な、な、なんでこうなった……

「雪さんは完全復活なのです!」

「ココくん、私の水着どう?」

 ピタん……背後からペルさんが抱きついてきたのがわかった。

 これはいつも通り良くあることだけど火山ダンジョンの中でみんなが水着になるなんておかしい。

「ぺ、ペルさん。やめてください……恥ずかしいです……」

「じゃあ私の水着の感想言って!」

 黄色と白の花柄ビキニ……これはミカンの水着の色違いバージョン!?

 けど雪姉さんより胸は小さいみたいだけどお、大きい……

「ココくん?」

「え、あ……か、感想を言ってって言われても………」

「ココくんに嫌われた。水着姿が可愛くないからって言ってくれない!」

「そ、そういうことじゃないですよ」

「じゃあどういうこと?」

 ペルさんはこっちに接近してくる。

「だから……その……可愛いですよ」

「やった!」

 僕の言葉を聞くとペルさんはその場で跳ね上がる。

 それよりもこの状況はどういうことだ。

 なんでみんなが水着になってしまったんだ。

 これは夢なのか?それとも誰かの幻惑魔法か?それとも紛れも無い現実なのか?

「みんな着替え終わった?」

 遠くからリックンの声が聞こえた。

 これはこの状況をリックンはきっと知っているはずだ。

「ココくん、私にも感想言って!」

 ミカンが笑顔で言う。

 だけどもうその頃には僕はいなかった。

 僕はリックンの声のした方に猛ダッシュ!

 すると火山ダンジョンの入り口が見える。

 その中からさっき通りのリックンとクロさんがいた。

 た、助かった!

「リックン!」

「おお、ココ。どうした?」

 リックンはキョトンとしている。

「ペルさんとか雪姉さんとかがみ、水着になってるんだけど!ど、どういうこと!僕が寝ている間に一体何があったの?」

「さぁ〜」

 リックンは手振り付きで分からないことを表現する。

「クロさんは何か知らない?一体何があったの?」

「俺に言われても知らねぇよ。きっとアレじゃね」

 アレ?って何?

「アレって何ですか?」

「そりゃあアレだよ。アレ……小学生にはまだ早い難題だ」

「つまり何ですか?」

「だからアレだよ」

「アレって!?」

「そんなに言って欲しいのか?」

「だから早く言ってください!」

「しょうがないなぁ……」

 クロさんは少し考えて僕に言った。

「発情期じゃね」

 クロさんもペルさんの変態症に感染してたのか………

「きっとムラムラしてこう暑いところで気が麻痺って水着着たくなったんだろ」

「そ、そんなことあるわけないでしょ!」

「ココ、男というものはなぁ……そういう状況になったら躊躇せずに襲って良いんだよ。後先考えずに!」

「考えます!というかそれどうするんですか?」

「犯すしかないだろぉ……」

 もうこの人はまともではない。

 というかこの人こそ暑さで頭が麻痺してる。

「クロさん」

「一緒に犯しに行く気になったか!」

 クロさんはニヤニヤしながら僕の肩を叩く。

 僕は数歩後ろに下がって小さくつぶやく。

「とりあえず少し頭を冷やしてくださいね、クロさん。水の牢獄(ウォータープリズン)

 水の牢獄(ウォータープリズン)は、水の牢獄。

 水魔術を応用した魔術で、水の牢獄を生成する魔術。

 牢獄から逃げようと水に触れると水の圧力によって身体が切れてしまう。

「おいおい、ココ。これは何のつもりだ?‬」

 水の牢獄(ウォータープリズン)の中にいるクロさんが聞いてくる。

 僕はそれを無視し、さらに追い討ちをかけるべく無詠唱で氷結フリーズを発動。

 氷結フリーズは相手を凍結して行動速度などを減少させることが出来る氷魔術の初歩。

 魔力を込めれば込めるほど凍結時間が持続されるし、強度も増す。

「ココ……う、裏切りおって………」

 クロさんが恨めしそうに言う。

「とりあえず頭を冷やしてください。リックンは変なこと……考えてないよね」

 リックンは顔を少し青くしている。

 具合でも悪いのかな?‬

「か、考えてるわけないだろ……」

「それより具合悪いの?‬」

「どうして?‬」

「いや、顔が少し青いから」

「そ、そうか……俺は平気だよ」

 そうなら良いけど……

「それよりココ……後ろに気をつけた方がいいぞ」

「へ?‬何が……」

「ココくん!雪お姉さんの水着を言いなさい〜」

 僕の肩に雪姉さんの二つの胸が………

 たらり……

 鼻から何かが流れる感覚がした。

 これは……鼻血………

 べ、別に僕はこう、興奮なんてしてないし!

 だ、誰かこの状況から助けて………

次回予告

水着を着た女子といつも通りの男子という形でダンジョンを攻略を開始する。

さてさて、私の活躍できる場所はあるかな〜

いや、活躍してみせる!

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