表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/162

#9ミケの拷問している姿がさまになっている …

 今、私の目の前でミケによって拷問が行われている。ミケに拷問の仕方を教えて上げると意外に様になっていた。

「あなたはダンジョンコアを使ってダンジョンマスターになっていたんですね」

「そうだ!だから拘束を解け!」

「あなた…立場がわかってるんですか?」

 ミケは『フリーズバインド』を強める。徐々に顔が笑っている…

「助けてください。お願いします」

 もうダンジョンマスター泣いてるよ。ミケ…怖い。けどミケに拷問されたいかも…そのミケが笑顔で私の方を向く。一瞬私はびくりと肩を動かした。

「ペルちゃん。この人の素性とかわかりましたよ!」


 〜ミケ曰く〜

 このブレットとかいう男はプレイヤーらしい。プレイヤーがどうやってダンジョンマスターになったかというとドラゴン討伐の報酬ランダムガチャチケットでダンジョンコアが出たらしい。ダンジョンコアはダンジョンにしたいところに置いて、ダンジョンコアと自分の魔力を繋げてモンスターを召喚する。召喚したモンスターに応じてダンジョン内に宝箱が置かれ、中身のレアリティなどが変わる。そして赤いドラゴンを死霊魔術でスカルドラゴンにして空を飛んでいたら廃墟になったこのお城を見つけてダンジョンにしたらしい。


 ミケは私に伝えると困ったように言う。

「ペルちゃん…この人どうする?」

「お許しを…」

 ブレットは泣いている。殺しても始まりの町の蘇りの祠で蘇るからとりあえず倒しちゃうか…けどトラウマになっちゃいそうだからダンジョンコアだけ壊すことにしよう。

「ミケ…とりあえずその男はほっといてダンジョンコアを壊そう!」

「うん!」

 私たちはダンジョンコアがある部屋の奥に行く。ダンジョンコアは球体状で紫色の光を放っている。隣には宝箱が置いてあった。とりあえず今はダンジョンコアを破壊しよう!

「ペルちゃん…これどうやって壊すの?」

「思いっきり半分に斬ればいいんじゃない」

「わかった。一刀両断だ〜」

 ミケはダンジョンコアに向かって一撃を放った。ダンジョンコアは真ん中に一直線の綺麗な亀裂が入って、ダンジョンコアは砕け散った。ダンジョンコアを一刀両断したミケは

「なんか罪悪感がある…」

「確かに…罪悪感があるね」

 砕けたダンジョンコアを見て私も言う。気を取り直して!

「とりあえず宝箱を開けようか!」

「うん。何が入ってるかな!」

 ミケと私は目をキラキラさせながら、宝箱を開ける。

 宝箱の中にはスキルオーブが3つとナイフが一本。そして5万ゴールド入った袋が入っていた。スキルオーブのスキルは1つ目は聖剣技と聖剣術、2つ目は変身、3つ目は魔法使いと変身だった。

「ペルちゃん、スキルオーブはどっちが何を使うの?」

 私はオーブを見ながら考えた。ミケは主に魔法を使うから魔法使いは必要だと思う。私は主に剣を使うから聖剣技と聖剣術が必要だと思った。

「ミケは主に魔法を使うから魔法使いの入ったオーブを使って」

「うん。じゃあペルちゃんは残りの2つを使っていいよ」

「わかった」

 私たちはそれぞれスキルを取得した。

 次はナイフを確認。ナイフの方は外見は鋭いナイフ。ナイフの持ち手には布が巻いてあって剥がすと謎の文字が書いてあった。ナイフの名前はマジックナイフ。自分の魔力を外に出す力があり、魔力の形を自由に変えることができる。私たちは試してみた。しかしまだ魔力が思うように出せなかった。とりあえず魔力操作がうまいミケが持つことにした。

 私たちは宝箱の中身を取ってダンジョンマスターの元に行く。私たちが戻ってくると元ダンジョンマスターのブレットが怖がりながら言う。

「い、命だけはた、助けてください…」

 絶対トラウマみたいになってるって…私はミケにそっと言う。

「ミケ…そこのブレットさんの拘束といてあげて」

「わかった!」

 ミケは笑顔で拘束を解く。するとブレットさんは泣きながらお城の外に逃げて行った。

「私たちもダンジョンから出ようか」

「はい。僕は今日はもう寝たいです」

 私たちが出ると外はもう夜だった。

「ペルちゃん。星がすごい綺麗だよ!」

「そうだね」

 ここには明かりがないから、空一面に星が見える。私が住んでいた村からも星がよく見えていた。私の住んでいた村は森の中にあって、道もろくに整備されてないド田舎だった。もちろん街灯は一本もなかった。

 今私は…ふと思った…。とても遠いところまで自分は来たのだと…とても嬉しいと言う気持ちがある。自分の努力でここまで来れたのだから。その反面自分のやりたいことのためだけに家族を置いてきてしまった…という後悔もある。

「ペルちゃん。なんで泣いてるの?」

 気づけば私の目からは涙が溢れていた。この選択があっていたのか…とても不安になった。ミケが私の流れた涙の跡を舐める…

「ペルちゃん…何か悩みとかがあるなら僕が聞くよ」

 ミケは首を傾げながら言う。

「悩みとかはないよ。ただ…」

「ただ…?」

「ただ家族を置いて、上京して進学なんてして…良かったのかなって。地元の学校に進学して家の手伝いをしたほうがよかったんじゃないかって…考えてたら涙が出て来ちゃったの」

 私は泣きながら言う。するとミケは夜空の星を見ながら言う。

「僕は人間の事はよくわからない。けど…ペルちゃんは間違えってないと思う!ペルちゃんは努力をしてここまで来たんだ。だから間違ってないと思うよ!」

「そうかな…」

「そうだよ!」

「ミケ…ありがとね」

「どういたしまして」

 ミケは笑顔で私に言う。

「ペルちゃん…これからどうするの?」

 私は涙を拭いて、しばらく考える…そして1つの考えに辿り着いた。スキル変身は変身したいものを強く想像することで変身できる。私が考えたのはスキル変身で鳥か何かに変身して飛んでいくと言う方法だ。

「ミケ。さっき手に入れた変身ってスキルあるよね」

「うん。それがどうかしたの?」

「飛べるものに変身して移動するのはどうかな?」

「いいと思うよ。僕、試してみるね」

 ミケが変身を発動すると服が脱げていく。周りに人いないよね…私はミケの防具をスキル次元収納で収納した。ミケの体が光り輝きながら形を変えていく。そして次の瞬間ミケの体が一気に大きさを変えた。これって…大丈夫だよね。私は困惑しながら変身が終わるのを待った。しばらくすると光が収まった。そこにいたのは赤いドラゴンだった。この赤いドラゴンは討伐イベントのドラゴン…

「ミケ、大丈夫?」

「うん。とりあえず空を飛べるのでペルちゃんが乗れそうなのはこの前の赤いドラゴンかなって思って変身したよ!ペルちゃん乗って」

「え、乗って大丈夫なの…」

「大丈夫だよ。これでも僕は男の子だよ!」

 私はミケに言われるまま赤いドラゴンのミケに乗った。

「しっかり掴まっててね!」

「うん!」

 ミケは高らかに咆哮を放ち、地面から飛び立つ。すごい…本当に飛んでる。私…ドラゴンに乗って空を飛んでる!

 ミケの背中から手を伸ばせば星に届きそう。私は視覚増強と夜目で遠くを見ていて捉えた。遥か向こうに海が見えた。そしてそこの海沿いに明るいところがあった。急にミケが言う。

「ペルちゃん。向こうに海沿いに明るいところがあるね」

「え、ミケにも見えてるの?」

「うん!」

 ドラゴンも基礎視力が高いのだろう。

「そっちの方に向かって!」

「わかった。じゃあスピードを上げるよ!」

 ミケは徐々に速度を上げている。制服のスカートが風でなびく。スカートの中が涼しい。その時に…思い出してしまった。

「し、下着どうしよう…」

 海沿いの街に着いたら、服屋さんに行こう!

VRMMOあるある⑧

武器の性能が良すぎると感覚が麻痺してくる…


読んでいただきありがとうございます。

私情のため20日までお休みをいただきます。

申し訳ありません/(;_;)\

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ