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第29話『決意』

 案の定、村を救ったイスティアの扱いについて、村人達は騒ぎ揉めだす。


「あいつは悪魔だったんだ!! 俺たちを騙してたんだ!!」

「大変だ、こんな事が外の連中にばれたら我々まで疑われるぞ!!」

「追放しろ!!」

「火刑だ!!」

「追放だ、火刑だって、どうやってやるつもりだ? 見ただろ、あんな強い悪魔だぞ」

「もうお終いだ!! みんなあいつに食われちまうんだ!!」


 パニック状態の村人達の多くはイスティアの正体について好意的な反応をみせなかった。

 彼女を庇ってくれようとしたのはミレアなど一部の人間だけ。


「みんななんて事を言うの!! イスティアはそんな子じゃない!! 今だって魔物を追い払って私達を助けてくれたじゃない!!」

「悪魔は狡猾だ!! そうやって恩を売ったようにみせかけて、俺たちを利用をする気なんだ!! あのオーク達だってあいつが呼んだに違いない!!」

「考えすぎよ!!」


 言い争う村人達はどんどんと険悪な雰囲気になっていく。

 オーク共がやってくるまでは、みんな仲良さそうに祭りを楽しんでいたのに……。


 それほどに人間の悪魔嫌いは深刻なものだった。


 その醜き争いをしばらく空よりながめていたイスティアは決意する。


――仕方がない。


 そして彼女は村人達に言う。


「みんな揉めてるところ悪いんだけど、私もうこの村に飽きたし、他に行くわ。丁度正体もばれちゃったしね、じゃあね~」

「待って!! イスティア!!」


 あっさりと去っていこうとする悪魔をミレアが呼び止める。

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