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第10話『到着』

「ここは……」


『門』を通り抜けた先でイスティアを待っていたのは、照りつける太陽まぶしき砂漠の大地であった。


――砂の色が違う!! なんて綺麗なの!!


 一面に広がる砂の海の色に、魔界で暮らしてきた悪魔の娘は感動する。


 魔界の砂はたいてい黒や灰、深い青色をしていた。

 あの魔界の寒々しい光景に比べて、なんと美しきかな人間界。


 そうして初めて目にする人間界の光景に感動し終えると、彼女の頭に浮かぶ一つの疑問。


「でもなぜに砂漠?」


 母の話では緑深き山の近くに出るはずだった。


「山、山、山……」


 周囲を見渡してみても、目に映るは砂の山ぐらいで、緑深き山は見当たらない。


「どうやら座標の入力ミスのようね……」


『門』の座標の入力は少し間違えるだけで、とんでもないところに飛ばされる事もあるという。

 座標ミスでこの砂漠に出たという事は、近くに彼女の目的である人間界に詳しい悪魔が住むという山があるとは限らない。


「どうしよう……」


 などと、一瞬悩んでみるものの、どこにあるかもよくわかっていない山を探しようなどないわけで……。


「まっ、いっか。なんとかなるでしょ!!」


 悪魔らしい大雑把さで事態を楽観視するイスティアは『人間界に詳しい悪魔探し』は早々に諦め、行き当たりばったりな旅をする事を選択する。


「とりあえずせっかく人間界に来たわけだし、景色を楽しみながら人間探しでもしますか!! 生人間楽しみだわ!!」


 などとルンルン気分で旅を開始。


 そして……、それから四百五十年もの歳月が流れた。

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