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第7話 上から目線の魔術士

「それじゃあ、まず森に行って材料確保しに行くか」


「はい。材料って言うのは剣の材料ですか?」


「ああ、そうだ」


 剣の材料かぁ。

 森に行くって事は鉱山的なダンジョンか何かにアダマンタイトとかオリハルコンみたいな材料取りに行くのかな?

 それにしても城の敷地から初めて出るのは楽しみだけどいきなり森かぁ。

 まぁ1人だったら死亡フラグ確定だけどルーファスが一緒なら死ぬ事は無いだろ。


 ルーファスに続いて城の門をくぐり敷地外へ出た。

 基本的には城のテラスから見た風景通りだ。

 長閑な田舎町と言った風情に遠くに山が見え、その麓に森が広がっている。

 恐らくあそこら辺の森へ行くのだろう。


 町を行けば町の人達が次から次へとルーファスに声をかけてくる。

 その内容は挨拶から簡単な頼み事、飲みの誘い等親しげなものばかりだ。

 ルーファスは、その全てに笑顔で答えてる。


 そして声をかけてくる全員が揃って俺をイジってくる。

 そりゃそうだ、この街の長の息子が初めて町に出て来たんだから無視はしないよね。

 その大半は可愛いねとかいくつ?とか愛情を持って接してくれる。

 ただ中には俺の角に触れてくる人も何人かいた。


 例の俺の頭に生えている角が金属色角メタリックホーンだから珍しいらしい。


金属色角メタリックホーン

  ・ 魔族の角の色の一種。

  ・その色は黒に近い銀色。

  ・ごく稀に産まれる稀少角。

  ・ その角を持つ者は魔力量が通常角の者と比べ格段に高い。

  ・その魔力量は通常角者に比べ個体差があるが約500倍と言われている。


 調べましたよ。

 角が生えてきた時の親の驚き方から気になってましたから。

 言葉の学習で書庫に篭っている時に調べましたよ。

 ええ、これを知った時は口角上がりましたよ。

 そのニヤリ方は悪い面してたと思いますよ、ええ。

 不安要素もあるけどチート転生歩んでいると確信しましたから。

 クククククク。

 おっと失礼。またゲスな笑いが。


「………ェイク……ジェイク!」


「!!」


「大丈夫か?何か危ない目つきでニヤニヤしてたけど?」


「だ、大丈夫です!」


「悪そうな顔してたけど」


「え?、そそそそんな事無いですよ!

 ももももしかしたらこれから剣技や魔術を習うのが楽しみで自然と笑みがこぼれてたかも知れませんね!」

 ヤバいヤバい、チートスキルに酔って頭の中で異世界にトリップしてたわ。


「………………」


 う! ルーファスが目を細め俺をガン見してる!

 もしや読心スキル発動中!?


「ななな何か?」


「………まぁいい。町の外出てそんな惚けてたらいつ襲われるか分からないぞ?」


 心の中読まれたのか???

 読心スキルあるのか???


「ははははいぃ!きき気をつけます!」


 ホントその熱視線止めてよ。

 心的外傷トラウマになるわ。




「あ!ルーファス教授ぅ〜!」


 ルーファスの事を教授と呼ぶ幼い女の子の声のする方を向けば、

 アメリカの大学生が卒業式で着ていそうなガウンに同じく卒業式で空に向かって皆んなで投げそうな四角い帽子を冠って、手には先に簡単な魔法陣らしき紋様の入った長方形の石が付いた司教が祭式とかで持っていそうな杖を持って立っていた。


「お〜、アンバー」


「教授、その子がご子息のジェイクですか?」

 この子は確か、ゴブリンを杖で引っ叩いて闘ってた子だ。


「おお、そうだ。

 息子のジェイクだ。

 今日から剣技と魔術を教える事になったから宜しくな。

 それといつも言ってるが教授ってのは止めろ」


「いいえ、いつも言ってますがルーファスさんは私に魔術を教えてくれる先生ですから教授です」


 なら先生でいいんじゃないか?


「だったら先生でいいだろ。

 大体教授だの先生だのそういう呼び方止めろっての。

 ジェイク、こいつは俺が魔術教えてるアンバーだ。

 挨拶しな」


「初めまして、ジェイクと申します。

 以後お見知り置きを」


 するとアンバーと言う女の子は肩幅に足を開き、左手を腰にあて右手に持った杖を肩に乗せ顎をあげながら見下ろす様な目線で構え、

「アンバー・レミントンよ。ルーファス教授の息子だからって魔術の弟子としては私の方が先輩になるんだからね。そこら辺わきまえなさいよ」


「……………」

 6歳くらいだろうか?ずいぶん上から目線だけど、まぁ俺から見たら可愛いお子ちゃまだな。


「返事は?」

 ますます顎が上がって鼻息荒いから鼻の穴ん中丸見えですよ。

 アンバー先輩。


「はい、宜しくお願いします。アンバー先輩」


「うむ、宜しい」


 やれやれだぜ。

 と心の中で学帽かぶったスタンド使い的にため息ついたが黙っておこう。


「まぁ、2人共歳も近いし仲良くな」


「ところで教授。何処かお出かけですか?」


「ああ。このジェイクに剣技と魔術教えるから剣の材料を取りに森へ行くとこだ」


「森ですか!?私も連れて行って下さいませんか?」


 目がランランとしてる。

 そんなに森へ行きたいのか?


 それにしてもこの子、髪も眉もまつ毛も全部金髪だな。

 目の色はキレイな青だ。

 それに加えてソバカスあるとこも服装と合わせてアメリカンガールって言った感じだな。


「っ!?、…何?、何ジロジロ見てんの?」


「あ、いえ実は今日初めて城から外に出たものですから両親と執事以外の魔族の方に会うのも初めてなものでつい。すいません。」


「そうなの?まぁいいけど。私に惚れても無駄だからね!

 今は魔術向上に忙しいんだから!

 ルーファス教授、いいでしょ。私も森に連れて行って下さい」


 あれ?今もしかして告ってもいないし別に好きでも無い子にさりげなく人生で初めてフラれた?


「森は魔物出るぞ?大丈夫かぁ?」


「ふふふ、望むところです。このアンバーが粛清してあげますわ」


 すごい自信だな。まだ小さいけど結構な使い手なのかな?


「ふふん、ジェイク。私はまだ小さいかも知れないけど魔術は結構使えるのよ」


 え!?アンバーも読心スキルあるん??

 もしかして魔族に付与された能力とか??


 そういうとアンバーは腕を組み、顔を右斜め上に上げ左下に俺を見下ろす様なドヤ顔で決めてみせた。


「結構使えるっていうか3種類だけだろ?」

 ルーファスがフォロー気味にツッコミを入れる。


「きょ、教授!ででも6歳で3種類も魔法を使える子なんて他にいないですよ」


 アンバーは決めポーズを崩し両手をあたふた動かし焦っている。

 こういうとこはまだ幼い感じだな、と微笑ましく見ていたらアンバーが俺の視線に気付き顔を赤くした。


「な、何よ!ジェイク!何か文句あんの?」


 絵に描いたような逆ギレだが可愛いもんだ。

 仕方ない、俺もフォローしてやるか。


「いえ、アンバー先輩は6歳で3種類もの魔法を使い分ける(・・・・・)なんてスゴいと驚いて呆気に取られていました。

 いや〜だけどホント6歳で3種類もの魔法を使い分ける(・・・・・)なんて将来は偉大な魔導士になるのでしょうね!」


「っ!?、ふ、ふふふ、な、中々分かっているじゃないジェイク。もし魔術の事とかで分からなかったり困った事があったらこのアンバー様に言ってきなさい。

 その時は助けてあげたっていいんだからね」


 スゴく満足気な表情だ…。

 まぁ単純な分こっちも助かるけどね。


「やれやれだぜ」


「っ!?」

 ヤバっ!心の声もれた!?


「あ〜!教授!

 やれやれだぜとはどう言う意味ですか!?」


 あ、俺の心の声じゃなくてルーファスだったのね。


「どう言う意味もこう言う意味もそう言う事だ。

 いいから一緒に森に行くなら早くメリッサに行っていいか聞いてこい」


「は〜い…」

 アンバーはふくれた返事をしながら彼女の家に入った行った。


「まあ確かに魔術の才能はあるがな…。

 もうちょっと謙虚さってのがあれば文句無いんだが…」

 ルーファスは呆れたため息をつきながらも笑顔だ。

 心の中では、お前が謙虚さとか言うんかい!ってツッコミ入れたけど。


 しばらくするとアンバーと同じ様な出で立ちの大人の女性とアンバーが出てきた。

 あの人がアンバーの母親でメリッサだろう。


「ルーファス教授、すいません。アンバーが一緒に森に連れて行ってもらうみたいで。

 あら、初めまして。あなたがジェイクね。

 アンバーと友達になってあげてね」


「お母さん!私がジェイクのお友達になってあげるのよ!

 そういう訳でジェイク、お友達になってあげるわよ」


 …どういう訳だ?


「こら!アンバー!

 ジェイク、気を悪くしないで友達になってあげてね」


「お母さ…」

「っ!?」

 メリッサの眼光にアンバーが口をつぐんだ。


 …メリッサ、元ヤンだな…きっと…。


「いやいや、メリッサ。

 ウチのジェイクこそ宜しく頼む側だよ。

 何せ今日初めて外出たんだから、これがホントの世間知らずってか!

 ダーハッハッハー!」



 ……………。

 ……………。

 ……………。



 …どうすんの?この人、この空気?

 つーかバカなの?女好きなの?

 元エリート王族の魔族が女好き?

 しょーもなっ…。


「ま、まあ、ジェイク。これから宜しくね」

 アンバーが手を差し出してくる。


 アンバー…意外と大人だね。


「あ、こちらこそ宜しくお願いします」

 と、差し出された手を握り握手したら…


「ちょっと!何握手してんのよ!

 こういう時、紳士はひざまづいて手の甲にキスするもんでしょ!」


 パカンッ!


 頭を抑えるアンバー。


 流石にメリッサが切れてアンバーの頭をはたいた!

 その乾いた音がアンバーの頭をはたき慣れているのを語ってた。


「よ、よし。それじゃあ出発とするか!

 じゃあメリッサ、アンバーの事は責任持って俺が見るから。

 夕方までには戻る」


 何仕切ってんだ?元はと言えばルーファスの作った寒い場をアンバーが和ませたんじゃねーか。

 ま、でもアンバーもアンバーか?


「それではメリッサさん。行って参ります」


「ジェイク、気をつけてね。

 アンバーもあまり調子に乗らないのよ。

 ルーファス宜しくね」


 グッ!

 ルーファスが思いっきり笑顔でウインクしながら親指をグッとおっ立てた。


 はぁ…やれやれだぜ…。

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