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第53話 旅立ち(報告)

最後に皆様にご報告がございます。

 暫定的とはいえ不死魔族の長にヒル姐が就任した。


 ヒル姐と入れ替わり13(サーティーン)ちゃんが新たにパーティに加わるのと合わせて俺が2代目【紅炎の焔】リーダーとなり次なる目的地、炭鉱族の都グラッグモールへと向け出立したのは3日前の事だ。


 空は晴れ渡り魔物も賊も現れない穏やかな旅路が続いている。


 いくらヒル姐が不死魔族の長として就任したとは言え、ヒル姐の父であるビルヘルム王が倒れ放置されていた不死魔族領であるのだから本来ならアンデッド系の魔物や魔獣がいつ襲いかかってきてもおかしく無いにも関わらずだ。


 何故か?


 俺達が風魔術を応用したバイクに乗って移動しているから?


 それもあるだろう。


 だが1番の要因は上空にいる空飛ぶ悪魔、いや悪魔じゃなかった元死神13(サーティーン)ちゃんが上空から悪魔の鉄槌の如く魔物や魔獣に容赦なく魔術を食らわしているからに他ならない。


 その資格を剥奪されたとは言え死神の能力は高く、視力も魔力も魔量もハンパなく、魔物や魔獣にとっては正に悪魔、いや魔物や魔獣で無くとも恐るべき存在だろう。


 正に無敵、これなら俺達が補助すれば相手がうろつく者(プラウラー)だろうが何だろうが負ける気がしない。



 ーーー



 そんな穏やかな旅を続ける事10日程で炭鉱族の都グラッグモールに到着した。


 不死魔族の都プラハスから炭鉱族の都グラッグモールまでの道中、戦闘回数0、こんな事初めてだ。


 恐るべし死神。


 この調子なら各種族への交渉は兎も角、うろつく者(プラウラー)の存在と警告は予定より早く済みそうだ。


 そしたら故郷であるルーベリル村に戻り、アンバーや13(サーティーン)ちゃんなんかと学校に行くのもいいかもな。

 やっぱし異世界で学校と言ったら魔法学校だろうか?


 前世とはまた違うキャンパスライフを送るのも悪くない。

 悪くないというより楽しみだ、


 やがてはアンバーと結婚したりして子供とか出来るのかな?

 いや、もしかしたらアンバーに他にいい人が出来てフラれる可能性の方が高いか?


 学校に通ったらお互いその可能性もあるしな。


 それに異世界だし、一夫多妻って可能性もあるか。

 逆に一妻多夫って可能性もあるかも。


 いずれにしても前世では考えもよらない出来事が目白押しには違いない。


 折角の人生、一度きりどころか2度も、しかも異世界転生だ。


 何が起きても不思議じゃない!


 全てを楽しまなきゃ勿体無い!


「ちょっとジェイク、さっきから何ニヤニヤしてんの?キモいんだけど」


「うん。僕もアンバー姉ちゃんと同意見だよ」


「や、それは…何だ?えっと…アレです」


「アレって何よ?」


「ジェイク兄ちゃんのアレは大方、エッチ系だと思うけど」


「あはは、流石13(サーティーン)ちゃん、だけどエッチとは違うかな?」


「エッチ系じゃなきゃ何なのよ」


「はい、アンバー、僕と結婚して下さい」


「は、はあ?ちょ、ちょ、ちょっと、ジェイク。あ、あんた、何言ってんの?い、いきなり…」


「ん?流石の僕もジェイク兄ちゃんがいきなりアンバー姉ちゃんにプロポーズするとは思わなかったな」


13(サーティーン)ちゃんも将来的には僕との事を考えてみて下さい」


「「え??」」


「ヒル姐にもお願いしなきゃな」


「ちょ、ジェイク…?」


「う〜ん、流石に僕にも理解しがたいな、ジェイク兄ちゃんどういう事か説明してよ」


「はい、素晴らしきこの世界に感謝してたらみんなと家族を持ちたい気持ちになりました」


「えっ……と…ジェイク兄ちゃんはバカ?バカなの?」


「いいえ、真面目です」


「…だってさ、アンバー姉ちゃん」


「ええ、このバカにいきなりプロポーズされたと思ってドキドキして損したわ」


「いえ、プロポーズしたんです、アンバーと13(サーティーン)ちゃんとヒル姐に」


「…そう、それじゃあ返事しなきゃね」


「お願いします」

 俺は片膝をつき右手を差し出す。


 っ!?




 目の前が真っ暗では無く、真っ白にフラッシュアウトした。


 雷に打たれた様な感じだ。



 いや、雷に打たれたのだ。


 体中が痛い、いや、痛いという感覚すら無い。


 落ち着け、俺。


 何が起きた?


 手は?


 動かない。


 足は?


 動かない。


 なら指先は?


 動かない。


 呼吸は?


 うん。かろうじてだけどしている。


 と言う事は死んではいない。


 耳は?


 聞こえない。


 目は?


 うん。霞ががっているが何と無く見える。

 魔力を目と耳に集中して能力強化(レインフォースド)で状況を見て情報を聞くんだ。


 魔力を目に集中するとアンバーが仁王立ちに立ち、その王笏の先からは煙が立ち上っているのが見える。


 という事は?


 アンバーが雷魔術で俺に落雷した。って事?


「うん。やっばりジェイク兄ちゃんはバカなんだね」

13(サーティーン)、こんなバカはほっといて炭鉱族に会いに行くわよ」

「そうだね、アンバー姉ちゃん」


 って治癒魔術は?


 ああ…2人が遠ざかっていくのが見える。


 何とか魔力を集中してセルフ治癒魔術をかけ2人の後を追いかける。


「ちょっと〜!2人とも〜!待って下さいよ〜!」


 まずは炭鉱族との接触からって事か。


 照れ隠しに雷魔術とはアンバーめ、可愛いとこあるじゃないか。

 まあ、下手したら死んでいた魔力だったが。

 しかもフォローなしの放置プレイとは。


 やれやれ、先が思いやられるぜ。


 だが、何が起きても不思議じゃないこの異世界を楽しむ事に変わりは無い!!


 夢を夢で終わらせないのがこの異世界だ。


 そんな事を考えながら俺は2人の尻を追いかけるのだった。


突然ですが、当物語は今回で終了とさせて頂きます。


ブクマ登録して頂いた方をはじめ今まで読んで頂きました方々全員に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。


本当にありがとうございました。


また1から構想を練りまして新作を掲載できる様頑張ります。


その節はどうぞ宜しくお願い申し上げます。


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