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第18話 VS人族

残虐な表現があります。

苦手な方は本話はスルーして下さい。

 その後、昼はきっちり3時間休憩を取り俺とアンバーは食事と交代で訓練兼魔物退治と休憩、ヒル姐はその間仮眠程度になってしまうが睡眠を取ってもらい夜は俺達が夕食の準備、ヒル姐が見張りと言うパターンで予定通り、ガラディンの街を出て7日でトータリスに着いた。


 トータリスの街に入る為の検問でもヒル姐に驚かれたが冒険者カードとヒル姐復活の噂が流れていたので問題無く街には入れた。


 街に入って直ぐに冒険者ギルドに行き汎用依頼のゴブリン退治証明のゴブリンの親指を渡し褒賞金の受け取りと依頼達成ポイントの貯蓄をし、街で軍刀野猪サーベルボアの肉や一角野兎ユニコーンラビットの角、六本腕熊アスラベアの毛皮なんかを売ってお金をプールした。


 それにしてもヒル姐はその見た目と伝説のおかげで目立つな。

 本音を言えばフードか何かであまり目立たない様にしてもらいたいが、それはヒル姐の騎士道に背くみたいで出来ないから仕方ないが。


 この街では3泊程滞在して体力回復と得たお金で旅に必要な物を必要最低限仕入れる。


 まあ、旅に必要な最低限の物と言っても食材やら水の類はヒル姐の魔力感知眼で100%の狩りと水魔術で大丈夫だから魔力切れの際の保険としての治癒系魔法封印紙(マジックシール)位だが。


 ガラディンに比べると小さく、ルーベリル村と比べると大きいこのトータリスも魔族がほとんどで他の種族は炭鉱族ドワーフが2、3人見かけた位だった。

 いい加減魔族と炭鉱族ドワーフ以外の種族にも会ってみたいが魔族に対するヘイト問題もあるみたいだから会わない方がいいのかも知れない。


 ーーー


 滞在3日目にして初めて人族を見た。

 人族と言っても流石この魔族だらけのアクリア大陸に来るだけある斧を担いだマッチョ戦士と殺気漲るグラディエーターと大魔導士と言った貫禄の魔術士2人の人族パーティーだが、いかにもケンカ買いますと言わんばかりの高圧的態度で街を闊歩していた。


 その人族4人組パーティーは俺達にも見下す様な蔑んだ視線で睨みをきかせてきた。

 当然我々は売られたケンカは買いますよ、

 と言う事は無く事なかれ主義を貫いた。

(約1名除く)


 そう、俺は前世のリーマン人生で学んだのだ。

 成功する奴はおべんちゃらが上手いでも無く、誰かを出し抜くしたたかさでも無く、ましてや登り派閥に付く腰巾着さでも無い。

 本当成功する奴は敵を作らない奴なのだと!!


 だから俺は公衆の面前でつまらないDQN魂など出す事なく無用な争いは避ける主義だ。


 すれ違い様に腰抜けだとかガキのくせにとか唾吐いたりだとか中々のDQNな奴等だったがアウトオブ眼中だ。

 と言うかウチの女性陣をなだめるのに必死だったと言った方が適切か。


 まあ、これが魔族に対するヘイト問題なのか、はたまた俺達というか俺とアンバーがお子様だから舐められただけなのか分からないがこの先この手の問題は山の様に出てくるのだろう。


 とりあえず今夜もう一泊したら次の街へ出立だ。



 ーーー



 トータリスでも例の人族パーティーを除けば特に問題も無く過ごせ出立の朝を迎えた。


 早めの朝食を取り出立だ。



 次の街はタマンドまでは徒歩で4日なので又徒歩移動をする事にした。


 出立して直ぐにヒル姐が魔力感知眼で尾行されている事に気付いた。

 まあ、今の段階では尾行なのかたまたま同じタマンドに行くのが一緒なだけか分からないから無理に待ち伏せる必要も無い。


 直ぐに昼になったが後ろにいるパーティーが追いついて来る事も無く離れているとヒル姐が言うので普通に昼食と休憩を取った。


 その後もヒル姐の魔力感知眼で周りを警戒しつつも進み日が暮れる頃、森の拓けた場所に着いたので今日はここで野営する事にした。


 野営の準備をしていた夕暮れ時、後ろにいたパーティーがその距離をどんどん縮めてくるとヒル姐が言うので俺達は警戒した。


 その警戒は残念ながら的中してしまった。

 後ろから来てたのは例の人族パーティーだった。

 たまたま同じ方向、訳じゃ無く尾行して人里離れた所までその機を伺っていたみたいだ。


「気をつけろ、徐々に魔力を上げながら近づいてきているぞ」

 ヒル姐が俺とアンバーに警告する。


「ふん、私の方がこの機を待っていたわ。トータリスで舐められて以来イライラしてたんだから」

 アンバーはやる気満々だ。


 まあ、俺としても逃げる気は無いんだが。




 しばらくして奴等が現れた。


「いよぉ、ガキども。偶然だな」

 マッチョ戦士が話しかけてきた。


 ……………。


「おいおいイザーキ、お前が見下して話しかけるからお子様達固まってんじゃねーかよ」

 グラディエーターが薄ら笑いを浮かべながらマッチョに話しかける。


「どうでもいいから早いとこ()っちまおうぜ」

 魔術士1が下衆な面して殺気を出す。


「おい!オメー、紫色の髪のオメーだよ!オメーあの彷徨える王女ワンダリングプリンセスのヒルディだろ!?」

 痩せたクセに濃い顔した魔術士2がヒル姐を指差し言ってくる。


「だったらどうした?1番後ろで隠れる様に言ってる魔術士が」

 ヒル姐もクールなガンをくれる。


「な、何だと?テメー誰に向かって言ってんだ?」

 魔術士2は虎の威を借る狐タイプだな。


「はっはっは、言われてんじゃねーよザキーマ」

 マッチョ戦士が余裕たっぷりに笑っている。


「くっ、わ、笑ってんじゃねーよ。イザーキよ」


「あ?オメーもオメーで誰の事呼び捨てにしてんだ?あぁ?」

 マッチョ戦士が魔術士2に睨みを利かす。

 魔術士2は完全にビビってんな。


「まあまあイザーキよ、ザキーマは後で教育的指導するとして今はこいつ等だろ?」

 グラディエーターが俺達に長く太い剣の先を向けクルクルと回す。


「ああ、そうだった。

 おい!オメー等!大人しく彷徨える王女ワンダリングプリンセスを俺達に寄こせ!

 そうすりゃ痛い目には少ししか遭わねーで済むぞ?」

 マッチョはデカイ斧を肩でトントンとさせ威嚇してくる。


「あんた達、何なの?ヒル姐を拐うつもり?」

 アンバーが王笏を構える。


「まあ、拐うと言うか俺達がオメー等の代わりに不死魔王に可愛いお嬢さんを届けてやろうって言う親切心よ。

 まあ届けてやる代わりにお嬢さんには体で俺達を慰めてもらうがな。

 ゲッヘッヘッヘ」

 マッチョが下衆な笑いをすれば周りの奴等も似た様な下衆笑いをする。

 やっぱ類は友を呼ぶのか…。


「それからよく見りゃそっちの坊主は金属色角メタリックホーンじゃねーか?」

 魔術士1が俺を指差す。


「こりゃあ、ガキどもも攫って奴隷市場に流せばそれなりの金にはなりそうだな。魔族ロリコン専門の変態には魔女ッ子と金属色角メタリックホーンっつーのはちょっとしたプレミアムじゃねーのか」

 グラディエーターがニヤけ面して言う。


「オメー等もツイてるぜ。俺等は今まで何百人もの女子供を闇の奴隷市場に流したその道のプロだからよ。色んな変態顧客紹介出来るから安心しな、ゲヘヘヘヘェ」


「な、何百人もだと…?」

 ヒル姐が怒りを露わにする。


「むしろ、冒険者なんかよりよっぽど手軽に金稼げるから最近は人攫い稼業の方がメインだもんな、へっへっへっへ」

 魔術士2が恥ずかしげも無く馬鹿な事を自慢してる。


「と言う訳で大人しく俺達に従え。まあ逆らいはしないと思うが俺達はAクラスパーティーだからよ、お前等まだCランクだろ?無駄な抵抗すんなよ」

 マッチョが余裕綽々に言ってくる。


「誰があんた達なんかに従うと思うの?」

 アンバーが王笏をマッチョに向け言う。


「はっはぁ。大したモンだ、よく怖気付かないな。そういうのが好きな変態もいるから安心しろ。

 で、やっぱ魔族あたりじゃ痛い目会わなきゃ分かんねーか?」


「人族の大人4人対魔族の大人1人とガキ2人で敵うと思うのか?」

 魔術士2が1番後ろから言う。


「もういいです、早く始めましょう。他に誰か来る前に」

 これ以上口喧嘩しても意味無いし、俺の信条にしてる敵を作らない為にも誰かに闘っている所を見られたく無い。


「よぉし、なら痛い目に会わしてやる。オメー等商品なんだから死ねなよ」


「っ!?魔術士から火属性が来るっ!!」

 ヒル姐の魔力感知眼のおかげで奴等の先制攻撃を躱す。


 俺達3人が散らばった所に奴等が一対一の格好で迫る。


 俺にはグラディエーター。

 アンバーには魔術士1が、ヒル姐にはマッチョが付いた。

 魔術士2は援護射撃って形か。


「そぅら!!」

 グラディエーターが大柄な剣を片手で力任せに振り下ろしてくる。

 俺は能力強化レインフォースドで難なく躱す。

「ほう」

 グラディエーターは感心した様に言った瞬間左手に持った円盤状の盾で薙ぎ払ってくる!


 が、これも後ろ飛びに躱し着地と同時に前に詰め空振りした左手の後ろ、グラディエーターの背中側に回り抜刀し鎧の隙間を狙い袈裟斬りに切る。


「ぐぉお…!」

 グラディエーターは左回転したまま地面に転げる。


 うん、痛いだろう。肩甲骨の手応えあったから筋も切れただろうからな。



氷散弾アイスショット!!」

火槍ファイヤーランサー!」

 アンバーと魔術士1が魔術でやり合っている。


「カサンジス!火槍ファイヤーランサーの影に魔女っ子が隠れてるぞ!」

 魔術士2がフォローする。


 魔術士1が火槍ファイヤーランサーを避けた時にはアンバーが魔術士1に接近し王笏の先に火弾ファイヤーボールを貯めそのまま魔術士1の左頬を引っぱたく!


 顔を燃やしながら魔術士1も転げ回る。


「ったく、だらしねーな」

 マッチョは仲間がやられてるのをイラつき唾を吐きながら見ている。


「余所見してる暇あるの?」

 ヒル姐の武器はハルバートだ。

 長さ2m50cmの槍に斧を組み合わせた複合型の武器だ。

 ヒル姐がハルバートで長いリーチを活かし突く!

 が、マッチョは意外に身が軽く余裕で躱す。

「暇ならあるぜ」

 そう言うとマッチョは斧をヒル姐のハルバートの柄に狙いを定め振り払ってくる!


 ヒル姐はそれを嫌い、ハルバートを上に上げ避ける。

 上げたと同時に振り戻しハルバートの斧部で斬りつけるが、マッチョも横っ飛びに躱し、直角に飛び込んできてヒル姐との距離を縮め自分の間合いにしようとする。


 ヒル姐も空振りしたハルバートの斧部を

 地面に突き刺し棒高跳びみたいに宙に逃げマッチョの背後に回る。


 着地と同時にハルバートでマッチョの背中へ突く!


 マッチョも待ってましたとばかりにその大きな斧を背中に回し盾代わりにしハルバートの柄を掴んだ!


 そしてハルバートを柄を力任せに自分の方へ引き寄せヒル姐を強引に自分の間合いに引き込む!


氷槍アイスランサー!」

 ヒル姐は氷槍アイスランサーをマッチョの顔目掛け放つ!

 が、マッチョは顔を逸らし氷の槍を躱す。


「っ!?」

 マッチョはヒル姐はハルバートを放し散開する。


 俺がブロードソードでマッチョの上空から切りかかったからだ。


「ははは、やるな坊主。だがいいのか?俺に構ってて」

 グラディエーターを差している。

 魔術士2が回復魔術でグラディエーターを回復させた。


 俺はグラディエーターへ向かい低空で飛ぶ。

 グラディエーターは剣を上段に構え待ち受ける。


「っ!?」

 すると俺の目の前の土がせり上がる!

土槍フィールドランサー!」

 魔術士2が舌を出しせせら笑ってる。

 俺はせり上がってくる土の槍に手を出し掴み土槍フィールドランサーのせり上がる力に逆らわずそのまま上に弾かれる様に宙へ舞った。


 そして勢いそのままに回転しながら魔術士2に切りかかる!


 唖然とする魔術士2!!


 もらった!!


「っ!?」

 俺の体が横にすっ飛ぶ。

 腰の右側が熱い。

 魔術士1が火弾ファイヤーボールを打ち込んだのが見える。


 更に言えば雷が魔術士1の脳天に落ちるのも見えた。

 アンバーが隙を逃さず雷属性魔術を打ち込んだのだ。

 魔術士1は黒焦げになり倒れる。


 俺も黒焦げにこそならなかったが腰にダメージを受け地面に叩きつけられた。


 続けてアンバーが呆気に取られてる魔術士2に火散弾ファイヤーショットを打ち込む!


 流石に魔術士2も氷壁アイスウォールで防御する。

 が、防御で精一杯だ。

 その隙にアンバーが俺に回復魔術をかけてくれる。


 ヒル姐はマッチョと交戦中だ。

 若干マッチョに押されてるか。


 俺のケアに回っているアンバーにグラディエーターが襲い掛かる!

 俺は回復途中だがグラディエーターに向かい飛ぶ!

 アンバーもグラディエーターに向け火弾ファイヤーボールを作りながら王笏を構える。


 グラディエーターの方がアンバーに襲い掛かるのが若干早いか!?


 間に合わない!!


 と、次の瞬間!

 グラディエーターの体をハルバートが串刺しにした!

 槍と斧の刃で串刺しにされたグラディエーターの胴体は着地と同時に真っ二つに分かれた。


 ハルバートを投げたのは当然ヒル姐だ!

 つまりそれはヒル姐が丸腰になったと言う事だ。


 マッチョはすかさず斧の柄の部分でヒル姐の首を羽交い締めにする。


「ゲッヘッヘェ。捕まえたぜぇ」

「くっ!?」

「おう、テメー等武器を捨てな」

「断ります。ヒル姐、すいません」

「ああ、構わない」

「ははは、安いはったりカマすもんじゃねーぞ。俺はホントにやるぜ?」

「どっちがはったりか試しますか?ちなみにヒル姐は不死魔族ですよ」


「ぐぅ…」

「さあ、分かったらヒル姐を離して投降して下さい。まあ、あなた達のしてきた事は許されない事ばかりでしょうから当局にひきわたしますが」


 魔術士2は逃げ出した。

 何かブツブツ呟いている。

 ホントにあいつは卑怯者でずる賢い奴だな。

 まあ、いい直ぐ追いつけるだろう。


「っ!?違う!ジェイク!!上だ!!」

 ヒル姐が叫ぶ!!


「っ!?」


 空を見ると暗い雷雲が渦巻いてる。

 稲光りがパリパリと雷雲を取り巻いていて今にも落ちてくるだろう。


「はっはー!バーカ!お前等全員焼け焦げて死ね!俺の最大魔術狂乱大雷(ヒステリックバースト)でな!!」

「テメー!!俺まで殺るつもりか!?」

「当たり前だ!バーカ!いつも威張り腐りやがって死ね!!」


 次の瞬間、巨大な雷が俺達目掛け落ちてくる!!!

 ヒル姐は不死魔族だからともかく、俺とアンバーは脱出に間に合わない!!!


 俺はブロードソードを投げ捨てアンバーに覆いかぶさり片手でアンバーを抱き締め、もう片一方の手を止めろと言いたかったのか、避雷針代わりにしたのかよく分からないが宙に向け手を上げた!!



 !!!?



 一瞬眩い稲光りに包まれたかと思ったらそこには何事も無く先程と変わらない風景があった。


「な、何が起きたの?」

 アンバーが俺の下から覗き込む様に周りを見渡す。


「ジェイク、お前…」

 ヒル姐が俺を見て驚愕の表情を浮かべてる。


 何だ?何が起きた?

 ヒル姐の表情からするにお茶の○博士的風貌になってる??

 いや、俺にダメージは無いからそれは無いか。


 マッチョも魔術士2も口をパクパクして俺を見てる。


「ジェイク、お前、空間魔術が使えるのか?」

 え?空間魔術??

 何の事やら?


「…ふ、ふざけるな!!空間魔術なんか空想の魔術だ!実際使い手がいるなんて聞いた事無いぞ!!い、今のは俺の魔術が不発だっただけだ!!」

 魔術士2が目を白黒させて怒り狂ってる。


「今度は外さない!俺の魔量全部使った狂乱大雷(ヒステリックバースト)だ!!くらえぇ!!!」


「ジェイク!!もう一度雷に向け手をかざせ!!」


 訳が分からないまま俺はヒル姐の言う通りに雷に向け手をかざした!


 すると、雷が俺の手に吸い込まれた!?


「そ、そ、そんな、ば、馬鹿な…。く、空間魔術な…どあってたま…る…か…」

 魔術士2は魔力枯渇で倒れた。


「く、クソがぁ!!」

 マッチョがヒル姐を蹴り飛ばし背中を斧で斬りつける!

 ヒル姐は前のめりに倒れる!


 マッチョはヒル姐を踏みつけ俺に向かってくる!


「許さないぞ…このヤロウがぁ!」

 俺は怒った!


 マッチョの大振りな斧攻撃を躱すと同時にカウンターでマッチョの右手首から切り落とす。

「がぁあぁぁ!!く、クソヤロウ!!」

 マッチョは右手首から血を吹き出しながらも左手一本で向かってくる。


 マッチョは俺の間合いに入る寸前右手首を俺に向け振り血飛沫を俺に目眩しに食らわせる。

 俺はそれでもマッチョの斧攻撃を躱した。


 血が目に入り視界が霞む中マッチョがアンバーに攻撃のターゲットを変えるのが見えた!


 くっそ、出遅れた!!


「ジェイク!!手を奴に向けさっきの雷をイメージするんだ!!」

 俺はヒル姐の言葉に咄嗟の行動をした!


 すると先程吸収した雷がマッチョ目掛け射出されマッチョに命中し黒焦げにして吹き飛ばした!!


「アンバー!!大丈夫か!?」

「だ、大丈夫よ!ジェイク!」


「ヒル姐!?」

「ヒルディ!?」

 俺とアンバーはヒル姐の元へ駆け寄る!


「だ、大丈夫だ、ジェイク、アンバー。これ位じゃ不死魔族は死なない」

「でも回復魔術を、アンバー!!」

「ええ!治癒魔術ヒーリング!」


 見る見るヒル姐の傷は塞がった。


 こうして初めて魔物、魔獣以外の知性ある種族との闘いは終わった。

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