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悪食-外来種による蹂躙の軌跡-  作者: RTB
現状確認と旅行準備と旅立ち
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十一話

これからの私

初めての惑星を食べつくし、私は次なる星を目指してひたすら捜索を開始していた。



といった様なことはない。



私にとって糧となるものがあるからこそあの星では蹂躙を行ったが私自身の食事は単なる欲から生まれる趣味でしかない。娯楽といったほうがいいか。



食べなければ死ぬ。といったことがない。



いやその表現は間違っている、正しくは今まで糧としたありとあらゆる物質が私と同化し、それが持つエネルギーを丸々そのまま私の糧としているのだ。



これがどういった意味かお分かりだろうか。



生命体が食事をして、分解吸収し、残りカスを排泄機能を用いて外部へ放出する。

これこそが食事をする生命体にとって必要不可欠なサイクルである。


排泄を行わない生命体も存在するが、それは単純に糧を全て栄養源に分解できるからである。



私の場合そういった次元の話ではない。



糧となったものを分解、これは何も間違っていないが、私の場合それは栄養素へと分解が行われているわけではないようだ。



物理法則に基づいた正しいエネルギー変換が行われている。



E=mc^2 に基づいたエネルギー変換だ。



ここまで言えば無茶苦茶加減が伝わるのでないのだろうか。



上記の式は1kgの質量はエネルギー換算で89,875,517,873,681,764 J と等価ということを表している。



まだわからない?



そうか一日100万KWの原子力発電所で年間発電量を熱量換算すると

約26,280,000,000,000J



大よそ1kgの質量を完全にエネルギーに換算することによって3450年分の発電量と等価であるという意味だ。



さて・・・私は今まで一体いくらほどの質量を食べたのだろうか。

そしてエネルギーとなり私に蓄えられているのだとしたら私が原型をとどめていれるはずもないのだが。



お腹に貯まっている感覚というよりもどこか別の場所に保管されているような、そんな感覚を覚える。



生命は私と同化し郡が増える感覚を確かに覚えるのだが、非生命体を吸収した時のこの別の場所に貯まっている感覚は以前にも覚えがあった。



不思議だ。おそらくこれが私が満腹にならない原因の一つでもあるのだろう。


まだ分かっていない私の体の機能があるのだろうが、おいおい分かっていくことだろう。


慌てることはない。


時間はいくらでもあるのだから。







世界を知らねばならぬ、その為には私を知らねばならぬ。



世界を旅する前には準備が必要だ。



旅行にパンツ一つで出かける人はいまい。



まずは私の機能の確認だ。



第一に触手



これは何本であろうと私の手のように操ることができる。


鞭のように、針のように、その形硬さは変幻自在だ。考えうる形全てを再現できると思われる。



第二に吸収分解分析



名のとおり触手によって捕食されたものをエネルギーに分解、分析することができる。


分析の詳細さには目を見張るものがある。目はないが。



第三に分裂



吸収した生命体を私と同化させ、私の分体を精製し、完全に別個の存在の私として乖離し行動できる。


分体の私はマザーである私と同性能であると分かっている。分体から分体の精製も行える。



ふむ大まかにはこの3点だろう。



あとは触手のように私自身もあらゆる形になれるようだ。

球体が便利であるので球体のままで過ごしているが。



ドータの識別の為各形態を考える必要があると思考している。








旅の前の準備をすると先ほど言っていたが、旅先はこの広大な宇宙だ。



広大すぎるこの宇宙に私だけでは非効率にすぎる。


そこで分体だ。


マザーはドウタをあらゆる方面へ旅をさせる。



マザーと分体とで情報は共有される。たとえ違う場所で違う存在を捕食しても入るべき箱は一緒なのだ。



ならば同じ場所で行動する意味などない。


郡でありながら郡で有る意味がない。


しかし単体で活動するからこそ郡である能力が強力に発揮されるのだ。



宇宙をまたにかけ私というネットワークを広げよう、感知範囲を広げるのだ。


私が宇宙に広がり、私が捕食し、私が増え、宇宙が私となるのだ。



きっと楽しい旅になる。



当然だ。未知だからなのだから。



宇宙に広がる可能性を見たい。



宇宙に広がるあらゆる生命体に会いたい。



宇宙に広がるあらゆる存在を食したい。



ああいいな胸が踊る。



これから出会う全てのものへ感謝を。

1kgのJはまたしてもwikipedia参照です。


J計算とか発電量云々は突っ込まない。


だって計算なんて面倒なのだ。


そして間違いだらけの筈なのだ。

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