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第1話【第1部:100兆円の債務と、天界の委任状】その聖剣、実質破綻につき差し押さえさせていただきます
……合わない。あと1円、計算が合わない……」
深夜3時のオフィス。佐藤拓(32歳)は、数万行に及ぶデタラメな交際費の羅列を前に、意識を失った。それが、彼の「社畜人生」の最終決算だった。
次に目を開けると、そこは真っ白な虚無の空間だった。目の前には、派手な衣装に身を包み自撮り棒を振り回す女神ゼノと、背中に小さな羽を生やした女性が立っていた。
「おっはよー! 君、死んじゃったから再生してあげたよ! 費用は締めて100兆ゴールド。はい、明細☆」
「……は? 100兆? どんな計算をすればそんな数字になる」
タクは混乱する間もなく、職業病か、手元に残っていた愛用の銀色電卓を叩き始めた。
「いいですか佐藤様! 100兆ですよ!」
横で喚くのは、自称・天界会計監査部の天使ルミエだ。
「5年以内に返せなければ、あなたの魂は天界の『棚卸資産』として粉々に粉砕、リサイクルです! 私はその監視役として同行しますからね!」
タクは渡された黄金の電卓を指先で回した。前世で数千万回と叩き、自身の体の一部となっていた愛機と全く同じ手触り。
「……返せばいいんだろ。1円のズレも残さず、完璧に清算してやる」




