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悪役貴族のお父様  作者: 太郎冠者
第二章 長女とお買い物デート編

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お父様と異変

「ごめんなさいね。えっと、シャルちゃん?

私、覚悟を決めるのが早かったみたい。」


「い、いやいや。私も調子に乗り過ぎちゃって申し訳ございませんでした。あ、ちゃんと納期までに仕上げますんで! 死ぬ気でお二人のお揃いのデート服をデザインします!」



あの後、ジュリアと王子の事はそっちのけで

ユーリア君のご機嫌取りを全力でした。


流石にこの場で人死はヤバい。

王国史に残るレベルの大惨事だ。


私とレオナルド、そして当事者であるシャル君の必死の説得の末、何とか事件は未然に防ぐ事が出来たのだった。


シャル君さぁ、君も中身は立派な大人なんだからマジで空気読んでくれ……。



「もし気に入ってくれたなら、ユーリア様のウェディングドレスもデザインさせて下さいね!ピンクブロンドに白のドレスが絶対似合いますよ! スタイルが良いからマーメイドラインとかオススメです! あー、でもロングトレーンドレスは外せないし……。 王道のプリンセスラインも良いですよね。お色直し5回位しません?」


「え、えぇ……。す、素敵だと思うけどまだ早いと思うわよ? け、結婚は私が学園を卒業してからにしようって話をしてて……。」


モジモジと照れるユーリア君。

そんな照れる彼女にシャル君ワールドが展開されて行く。


「え? ユーリア様14歳でしょ? もう4年ないじゃないですか! 結婚式なんて普段の生活の合間に考えなきゃならないから1年前から動いても結構ギリギリになるんですよ?」


「そ、そうなの? そんなものなの?」


「ええ。まぁお2人の場合は、使用人の方々もいるので全てをお2人がする必要はありません。

でも、ドレスくらいはご自身の好きな物をお召になるべきです! なんと言っても、式の主役はユーリア様なんですから! いえ、若奥様!」


「ま、まだ若奥様なんて早いですよぅ……!」


顔を真っ赤にしてクネクネ照れるユーリア君。



……ヤバくない?

何でつい数分前まで殺気を振りまいていたユーリア君をここまで籠絡出来るんだ?


シャル君、君猛獣使いの才能あるんじゃない?



コソコソと避難した壁際にあるテーブルで、取り敢えず一息つく私達。


さっきから多少は見られてはいるのだが、そこは同調圧力の貴族社会。


君子危うきに近寄らずの精神だ。



それにこちらに注目せずに、傷痍騎士達によるオーケストラに耳を傾けている人も多い。


北部や南部関わらず傷痍騎士達への慈善活動に熱心な貴族も多いせいだろう。


それに演奏も悪くなさそうだ。

素人ながらもズレのない一糸乱れぬ旋律だ。



「―――しかし、ジュリア。災難だったな。

助けに入れず、すまなかった。」


「いえ、ウィリアム王子は一応紳士でしたし特に問題はありませんでした。

チラチラと脚を見て来たのが少しキモ―――、いえ。まぁアレでしたが。」


うん。気持ちは分かるがキモイとか言うのはやめようね?



「まぁあの脚フェチ王子の事はもういいわ。

問題はもっとこの場で新ブランドの広告をしなければならないと言う事よ。」


パンパンと手を叩いて話の方向を強引に変えるシャル君。


……うん? 私その話初耳なんだけど?


「は? 何を私その話初耳なんだけど?みたいな顔をしているんです? いつまでもカーミラ婆さん達エルフの職人達を遊ばせとく訳にも行かないですし、そもそも既に公爵家の御用職人だけをすると言う規模でもありません。

さっきの挨拶で数家からは具体的な話も頂いていますし、手応えは感じています。ここらで公爵家ご家族にもっと積極的に動いて頂く事で、存在感をアピールするべきです!」


ギラギラした目で迫ってくるシャル君に慌てふためく私。


熱量が半端ないな!?

わ、分かったから! 近い!顔が近い!



「ふぅ……。まぁウチの領地の事業な訳だし、宣伝くらいは喜んでするがね……。

しかし、君自分の欲望に正直過ぎないか?」


「そりゃあ貴族のお歴々相手に直接営業出来るなんて思ってもないチャンスですもの!

私はこのチャンスを逃す気はありませんから!


―――それとも積極的な女はお嫌いですか?」


ふふっと笑いながら妖艶に笑うシャル君。

彼女がたまに見せる女の魅力に満ち溢れた年齢不詳の笑顔だ。



ジュリアの訝しげな目線が突き刺さる。

いや、パパとシャル君は何でもないからね?


レオナルド。え、マジか?みたいな顔をしないでくれ。パパは無罪だ。



いや、ここはガツンと言うべきか……?

シャル君は自分の顔の良さとか周りの反応とかそう言うのを自覚していない節がある。



「シャル君さぁ……。君わざとやってる?

この前もベスに君との事を―――あれ……?

そう言えばまだベス達が来ていないよな?」



そろそろ王の挨拶が始まる。


別に退屈な挨拶がダルいと言うのなら欠席するのは構わないのだが、予定では3人とも到着していなければならないタイミングだ。



「確かに……。予定ではウチの騎士団に護衛されて王都屋敷(タウンハウス)からこちらに来るはずです。

そう言えば騎士団の連中も来ていませんね。」


レオナルドが周りを見渡して訝しがる。


ウチの騎士団連中にも貴族はいる。

団長もそうだし、リロイやレディ・マキシマムもそうだ。


つまりこの会場に来ていないとおかしいのだ。

あ、リロイはいたっけな。



「私とシャルはリロイの馬車で先に来ましたが、出発前まではお母様も兄様達も既に夜会の準備をしていました。遅れる事はないと思うのですが……。」


「そうね。御三方とレディ・マキシマムの着付けは私とカーミラ婆さんがやったから間違いなく準備は出来ている。 何かあったのかしら?」



(ベス! 今どこにいる!?)


(………………)


(団長! 聞こえるか!?)


(………………)



繋がらない?

念話魔法の有効範囲外にいるのか?


いや、この感覚……。

阻害されている?



(3人とも聞こえるか?)


ビクリとレオナルド達が私の方を見る。


なるほど。会場内は問題ないらしいな。

そうなると魔力波の遮断結界か?


いや、内外の干渉遮断まで有り得るな……。



(返事はするな。異常事態だ。

外とこの会場が遮断されている可能性がある。まだ敵に私達が気付いた事を知られたくないからなるべく自然に周りを警戒してくれ。)



「ねぇ、シャルちゃん、ジュリア様!

さっきのウェディングドレスの件なんですけど、やっぱり白じゃないと駄目ですかね?

私、レオナルド様の黒眼が好きなので、黒が良いなと思うんですけど……。」


私の念話が切れた瞬間、ごく自然にジュリアとシャル君の傍に移動するユーリア君。


何があっても2人を守れる位置だ。

この子本当に優秀だな……。



「黒ですか……。ウェディングドレスではあんまり聞かない色よね?」


「ないことはないわね。元々白色のドレスって貴方色に染まりますって意味なんだけど、黒はその逆。貴方色以外には染まりませんって言う決意の色なのよ? 16世紀のスペイン辺りで流行ってたらしくて、割りと使う定番カラーね。

喪服っぽいから扱いは難しいけど……。」


「い、良い! それ凄く良いです! 貴方色以外には染まらない! それはとてもセーデルホルムの在り方を表しています! すぺいん?って言うのはよく分かりませんが……。」


相談して良かったと心底喜ぶユーリア君。


「それなら式場から拘った方が良いと思うわ。白基調の式場だと黒のドレスは浮きやすいし、なるべく厳かな感じの教会とかどうかしら?

あら? 結婚式って教会よね? この国の宗教感どうなってたっけ……?」


「普通に教会ですよ? あ、でも私体質的に教会とか十字架が苦手なんでよね……。我慢出来ないこともないんですが……。」


「あー、ユーリアお姉様は吸血鬼ですもんね。やっぱり血を吸ったりするんですか?」


「あははっ。私他人の肌に口を付けるのが生理的に無理で吸ったことないんですよねぇ。

吸血鬼の本能と潔癖症がせめぎ合ってると言うか……。あ、勿論レオナルド様なら吸いたいですよ?」


「―――え、ユーリア様って吸血鬼なの!?

待って待って! 吸血鬼の結婚式とかめっちゃハロウィンみ強くて良くない!? もういっそ厨二全開で教会の十字架を逆十字にして蝋燭の火を揺らめかせて……ん? それは宗教的に駄目かしら? いや、そもそも異世界なんだしキリスト教ではないわよね? まぁどうでもいいわ。」



……君達、私の念話聞こえてた?

それ演技なんだよね?

普通にガールズトークやってない?


後、シャル君。 流石にキリストとか関係なく宗教のシンボル弄ったら殺されるからね?

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