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第33話「拠点防衛試験と手応えある手法」

 拠点防衛をテーマとした試験が、いよいよ始まろうとしていた。指定されたエリアは森と丘陵が交錯する複雑な地形で、複数のM級魔物が時間経過とともに襲来するらしい。参加者はこのエリアに設置された仮拠点を守り抜く必要があり、魔物の数も複数回にわたって出現するとのことだ。単純な短期決戦ではなく、ある程度の持久戦が求められる状況だ。




 朝、学院の集合場所には装備を整えた生徒たちが並んでいた。M級相当まで成長したワシは、前回までの短期決戦戦術に加え、持久力と消耗管理を意識して臨むつもりだ。この拠点防衛試験は、卒業までの一年でさらなる上昇を目指す、いわばステップになる。




 ワシは木陰で地図を眺め、魔物の出現予測地点や回り込めるルートを頭に叩き込む。地形を活用して消耗を最小限にし、魔物を一体ずつ確実にさばくか、場合によっては誘導して狭い場所で仕留める戦略を立てる。


 拠点には最低限の防壁や仕掛けが用意されているが、それらを有効に使うには、敵が動き出す前に位置取りしておく必要がありそうだ。




 開始の合図とともに、参加者たちが拠点内へ展開し、魔物の来襲を待つ。ワシは少し離れた位置で、音具と観察用の小鏡を用い、魔物が接近したら素早く状況に応じて対応する。今回は同盟なしが条件と明記されていないが、各自の動きから判断すると、皆が単独で行動するようだ。


 実際に魔物が現れ始めると、周囲が一気に緊張する。M級魔物が藪から飛び出し、拠点に向かって突撃してくる。ワシは一息ついて、足元の安定した場所を選び、音で引きつける計略ではなく、一旦相手を拠点壁へ誘導する手を試すことにした。




 魔物が壁際で動きにくくなった瞬間、ワシは短剣で急所を突く。余計なステップを減らし、最小限の体力で魔物を撃破すると、魔物は苦しみの声を上げて倒れ込む。


 「悪くない。」心中でうなずく。前回までは音や光を多用した奇襲が多かったが、今回は地形と簡易的な防壁を利用して、魔物を動きにくくし、一撃で倒す手法がはまった。




 二体、三体と魔物が来るたび、同じ要領で対応。最初は試行錯誤だったが、徐々にコツが掴める。魔物の突進や跳躍を利用して自滅的に狭い空間へ押し込んだり、壁に挟む形で動きを止めてから仕留めたり、持久戦でも疲れずに相手を処理するパターンが見えてきた。




 他の参加者が苦戦している様子が視界の端に入る。正面から力押ししようとして消耗している者、魔力を無駄に使い過ぎて息が上がっている者など、様々だ。ワシは対照的に、冷静にペースを守り、魔





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