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第13話:「帰還後の評価と新たな感情―次なる挑戦への布石」

 学院へ帰還した4人は報告会に臨む。Kクラス相当の強敵を撃破し、制御室跡の資料を持ち帰った実績に、教師たちが目を丸くする。

 「Nクラス4人でKクラス魔物まで対処できるとは…。君たち、相当な潜在力ね。」とアマル先生が感嘆する。


 ガルスは得意げに腕組み。「あいつは強かったが、4人揃えば問題なしさ。次はもっと上も狙えるんじゃねえか?」

 先輩が苦笑。「焦らないで、ランク差がある魔物相手は危険よ。KクラスにはN4人でようやく対抗。LクラスならN3人必要、MならN2人必要、N同士なら1対1でいける。今回は4人いたからこそ勝てたのよ。」


 リールは黙りがちだが、報告会が終わった後でワシにだけ「本当にありがとうね…あんたのおかげで無事帰れた」と控えめに呟く。その頬はまだ赤く、目を合わせると恥ずかしそうに目をそらす。いつもの気の強さは影を潜め、女性らしい柔らかさが滲み出ている。


 ワシも少し胸がくすぐったい。前世では味わえなかった、仲間に対する保護欲や、異性から向けられるほのかな憧れの視線。二度目の青春は想定外の展開が多いな、と思いつつも悪くない気分だ。


 学院は今回の成功を高く評価し、N級生徒への中級クエスト挑戦を本格的に検討するようになった。Nまで到達すれば、Mクラス魔物も2人がかりで倒せるし、Lクラスなら3人、Kクラスなら4人必要といった戦力計算で任務を割り振れる。N級冒険者としての可能性が広がるわけだ。


 今のワシらはNクラス入りしたばかりだが、こうして実践経験を積み上げれば、いずれランクアップも夢ではない。Aからnまである中で、Nは最低自立ライン。ここから先、MやLへ上がるには相応の修行と経験が必要だ。しかし、今回の成果はその未来への足がかりになる。


 ガルスが「次はもっと本格的な探索をしたいな。N級じゃ弱いが、N4人いればKクラスまで対応できると証明したんだ。更に訓練すればLやMへ近づけるかも。」と意欲満々。

 先輩は落ち着いた口調で「簡単じゃないけれど、あなたたちなら可能性があるかもね。特にバル、あなたの判断力は光ってたわ。」と褒めてくれる。


 リールは少し離れた位置で、恥ずかしそうにこちらを見ている。助けられた瞬間を思い出しているのか、目が合うと急いで目線を外してしまう。だが、その頬は嬉しそうに赤らんでいる。以前はライバル視ばかりしていた彼女が、今は微妙な照れが混じる好意を向けている気がする。


 正直、悪くない気分だ。二度目の人生で得た仲間、異性からの興味、実力者たちからの評価――すべてがワシに未知の喜びをもたらす。ランクアップへの道は遠く、NからM、L、K、J、…と上を目指すには長い時間が必要だろう。その過程でリールやガルス、先輩たちと関係を深め、経験を重ねていけば、やがて卒業時にはHあたりまでたどり着く可能性もある。


 部屋でノートに次の目標を書く。中級クエスト、さらなる遺跡探索、異なる種族の魔物との戦い、そしてランクアップへの挑戦。リールへの想いにまで踏み込むのはまだ早いが、いつか自然に答えが出るだろう。


 「二度目の青春、まったく面白いことばかりだな。」

 笑みを浮かべながら、ワシはペンを置く。


 

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