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小話6. ソフィアの言い訳

 おはようございます、ソフィアです。突然だが、私の言い訳をつらつらと話していくよ。何に対しての言い訳かって?それは、なぜ五年間もハルを避けていたかってことのだよ。今更感があるかもらしれないが、今までの話だと、側室にさせられて激怒し続けて、拗ねまくる面倒な女と思われているかもしれない。それを改めたくて、言い訳がしたくなったんだ!!!

 もちろん、無断側室に激怒したっていうのが一番なんだけれど、他にも理由はあるんだ。私の可愛い後輩の一人、マリアナの存在だ。彼女は私のことをひどく疎ましく思っているようだった。疎ましいなんてやわなもんじゃないかもね。まっ、そのことに気づいたのは学生時代だった。私がハルを可愛がって、あっちもチョロチョロ懐いてきた頃合いから、彼女は私をよく見てくるようになった。あまりいい気持ちはしない種類の視線だったが、もしかしてだけど~、恋しちゃってんじゃないの~と楽観的に捉えていた。時が経つにつれて、マリアナの視線はどんどん重く濁ったものになっていった。殺気まで帯びるようなものに化けていったように感じた。マリアナが何かするようなことがあれば、ハルは悲しむだろうし、私も可愛い後輩のマリアナにそんなことをしてほしくなかった。私はマリアナがハルと幸せそうに笑っている顔を知っているんだ。だから、さすがにハルと距離を空けるべきだな~って思った。でも、いきなりやるのもよくないし、ハルとマリアナだったら、ハルの方を可愛いがっているから、優先したい。ハルみたいに素直でまっすぐな人間は好きでね。だから、卒業まではそのままの距離感を維持した。その間は、ハルにマリアナのことを大事にするようにねと、意識して口酸っぱく言っていたと思う。そして、卒業後はめっきり会うことをやめた。仕事が忙しかったこともあったけれど、意識して疎遠になった。ドミトリーとも距離を置いた。このまま、学生の思い出話で、皇太子が後輩でね~とかみたいになると思っていた。

 だから、側室の話を知った時にはやらかしたなーと思った。マジヤバイんだけどコレマジヤバイよどれぐらいヤバイかっていうとマジヤバイって感じた。もちろん無断側室に激怒していたが、マリアナはどう思うかとも案じていた。暫くの間、私の激怒鎮静期間とマリアナの冷却期間が必要だと思った。

 それから、一年程すると、マリアナは男の子を産んだ。お祝いをする際に、ただ一人の側室だった私も行かなければならなかったし、マリアナの様子を見ようと思って、パーティーに参加した。私を見る視線は何も変わっていないように思えた。もう少し時間が必要なのかなと思った。また一年程経つと、彼女は再び男の子を産んだ。私も、ただ一人の側室としてパーティーに参加したが、あの視線に変わりはなかった。そして、しばらくすると、ハルは他に三人の側室を迎えた。ラーラ、ジュリア、タチアナだ。私は他に側室ができたんだから、ちょっとはマシになっていないかなーと思って、側室歓迎パーティーに参加した。そうしたら、マリアナからの視線は消えていた。遂にあのどろどろ濁った視線が無くなったのだ!きっとハルと上手くいっているんだろうと感じた。一年後、側室の誰か (今思うとラーラだったね) がハルの男の子を産んだ。そのお祝いに参加した際にも、マリアナの視線はなかった。次に、新年のお祝いに初めて参加した。季節行事は仕事が忙しいと言い訳して、今まで参加したことがなかったのだ。その時にも、マリアナの視線はなかった。私はもう大丈夫だと思った。

 それから、私は考えるようになった。無断側室激怒案件をどうしようかと。正直、疎遠にしていたのは怒っていただけではなく、マリアナのことも考えての行動だったから、マリアナの件を抜くと、もう会わなくてもいいと思えるほど、怒ってはいない。いろいろ考えたが、ハルは私の可愛い後輩であることは間違いなかったため、怒っていないことと許していることを伝えなければいけないと結論付けたが、行動を起こすのに少々時間がかかった。だから、実質のうだうだ期間は一年ちょっとじゃないかな。長いって?やかましい!!!

 まあ、ハルがあの五年を無断側室激怒期間としか捉えていないことも知っているし、事実そのような面もある。でも、この話を聞くと、激怒して拗ねてただけじゃない、私だっていろいろ考えてんのよってことがわかるでしょう?え、そんなことないって?なら、もう一回私の言い訳を頭から読んでほしいもんだね。まあ、何にせよ、五年間激怒&拗ねて開き直りの女という評価が変化したなら、言い訳成功と言えるだろうよ。

 あと、これは余談だが、ラーラがマリアナの一言をきっかけで呪いを行ったと知った時、私は気づいたんだ。あの視線はなくなったのではなく、内に秘めるようになったんだってね。学生時代から、皇太子妃となっても、子供が産まれても、ずっとずっと私のことが疎ましかったんだ。さすがの私もこっちが何をしてもあの視線は、彼女の心は、何も変わらないと諦めたよ。それに、これは、私が悪いとかの問題ではなく、ハルとマリアナの問題って言えるだろうしね。だから、夫のハルや兄のドミトリーとかがなんとかしてくれないかなー。

 でも、マリアナは何で私がそんなに疎ましいのかな?わかる気がしないでもないけれど、私はハルに肩入れしているんだ。ハルはマリアナのことをとても大事にしているんだよ。だから、その気持ちが解れば、なんとかなると思うんだけどなぁ、無理かなぁ。








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